もしも村上春樹の小説の主人公が傾聴をめちゃくちゃ頑張ったら②【動作編】
ウォッカ・トニックのおかわりをマスターが差し出すと、彼女はありがとうと一言いって受け取り、軽く口をつけた。僕はその間、ピスタチオの殻をむいて食べていた。
「あなたって、いつもピスタチオ食べてるのね。」
と彼女は言った。おいおい、それはないだろう、と僕は思った。普段の生活でしんどいことがあると僕をこの店に連れ出して、ひとしきりーそれは時に7時間にもおよぶー話し終えると何事もなかったように、きっちり割り勘で帰っていくのは彼女だ。そしてこの店はトニックで割った飲み物を頼むと必ず