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プリンセス・プリンシパルを観た感想(2日目初心者)

現在、2月12日23時54分。

プリンセス・プリンシパル初心者(2日目)、12話まるっと観てから映画を観に行ってきました。

勧めてくれたフォロワーに感謝。

私の好きな映画はいくつかありますが、その中に『オーシャンズ8』と『アトミックブロンド』があります。要するに、ちょっと秘密めいた女性(女子)が集まってスタイリッシュに、時々泥臭い戦い(広義)をするのが好き。特に『アトミックブロンド』は第二次世界大戦後の東西冷戦さなか、ベルリンの壁崩壊直前、スパイの女性が人知れず大立ち回りしながら、だましだまされする話です。シャーリーズセロンのガチンコガンアクションは最高。

一流のスパイは嘘をつくのが上手いです。

まあ、今日(12日)からすれば昨日(11日)に本編を観たという超にわかなんですが(なんで今まで観てなかったの?というセルフツッコミはもう散々しましたので)、めちゃめちゃ面白かったし、これはやっぱり語らないといけないんじゃないか。そんなわけでこのnoteはネタバレ有り、プロのファンの方の「そんな話今するの!?」っていう感想語りです。

TV版と映画を観て思ったことは、この作品は「嘘をつくこと」と「何者かになること(何者かになったこと)」の話なんだなと。

嘘をつくことって、他人に対してもそうですが、自分に対しても結構ありますよね。ささやかなものから大きなものまで。これは本当の意味で誰にも言えないなーと思うようなこととか。嘘をつくことと隠すことは、本当のことを言わないって意味では結果的には似ているけれど、AだけどBと口に出すことと、Aだけど沈黙を答えとする(違うことはいわない)点ではかなり違います。

要は、人に完璧な嘘をつくためには自分にも嘘をつかないといけない。人に対する罪悪感がなくても、自分に対する違和感を消すためにはそうしなければならない。自分の嘘で自分がマーブル模様になっていく。ビショップが最後に言っていたように。

この作品、自分に対する嘘をつくことに結構厳しい気がするんです。「いつまでもそうであってはいけないんだよ」みたいな気配が。だからこそ、「何者かになること(なったこと)」がより際立つような気がします。

例えばそれが、リアルの家族関係が全員結果的に壊滅的なメンバーが、見知らぬもの同士で集まった結果「仲間になっていく」流れとか。

入れ替わりが取り返しの付かないことになってしまって、「中身のないお姫様(になってしまったアンジェ)が周りに認められるプリンセスになった」こととか。

あこがれたスパイ同期とはあまりにも「かけ離れてしまった」委員長が最後は自分の意思で死を選ぶこととか。(あのクスリ?の機械、銃の形してるの、何か意味あるのかな)

端から見てほぼほぼ失敗するやろなって革命を「しようと集まってきてしまった」兵隊さんとか。

「何者かになること(なったこと)」は、ある種の人生の選択の結果なんじゃないでしょうか。突き詰めていうなら、生きるために選んだことの結果なんじゃないか。もちろん人生は些細な選択の積み重ねで出来ていて、チェスなんて戦術のシミュレーターみたいなとこあるし、緑のボールだって無限に使えるわけじゃないし(ていうか、十中八九ゼルダさんとサイキックフォースすることになるよねいつか)、自分に嘘をついていてもどちらの道を曲がるかは選ばないといけない。

映画の最後あたりの船でキラキラしてるところを進むシーン、ちょっとオペラ座の怪人の船のシーンを思い出しました。才能はあるのにとある理由で地下に隠れ住んでいたオペラ座の怪人が、愛するクリスティーヌをようやく自分の隠れ家へと連れていくところです。手に入らないと思っていた幸せをつかめるかも、というシーン。まあ結果的に怪人は死ぬんですけど。本作品も本当によく…ある意味妥当に…死にますよね…人が…(委員長好きだった、15分の片思いだったけど…)

アニメ版から通して、プリンセスが最高の存在で最強のアキレス腱のアンジェが素晴らしいですね。カサブランカの白い家のくだりを聞いたときは3分くらい意識が飛びました。頼むから二人は幸せなキスをして終了ってなってほしい。

「君さえいれば何もいらない」っていうアンジェに「私は全てに認めさせてみせる」っていうプリンセスは、私のような民草からすれば最初からプリンセスでした。お国の情勢的に(作品の命の取り扱い的にも)王位継承権第四位ってそんなに遠くないような気がするけど…。まあその辺も2章で描かれるはず!私の中ではプリンセスはマジで手に負えない誘い受けです。百合観点でみた誘い受けってのは本当に本当に難しいんやぞ。古い話で恐縮ですが、感覚的には「踊る大捜査線」の一兵卒の青島と、エリート官僚の室井さん。がちがちに凝り固まった階級社会(警察)を「上から変えてくれよ」って託すみたいな。

ベアトのボイス変える機能秘話を知った時に、てっきりよもや全身擬態かと思ったんですが、スーパーパワー持ってしまったら物語のバランスがおかしくなってしまいますもんね…喉だけ機械にするお父さん相当いい性癖してると思いました。

ドロシーのお父さんのエピ、こんなにかわいそうな目にあわさんでもよくない?????????と思いました。目の前で同期拳銃自殺するし。あんな距離で頭ぶっ飛ぶのなんてケネディ暗殺くらいでしょ。飛び散るでしょいろんなものが…ああ…どうしても死体を扱う運命にあるのか…。

ちせ殿に性癖の全てがつまってる。あれで16。作中設定では合法という理解でよろしいか。何が。列車のエピのアクション最高でしたね!併走する列車はやはりこうでなくっちゃあ。ししおどしで永遠に笑える。

堀川公が太政大臣名代みたいなことを言っていたので倒幕後の朝廷から来た人だと思うんですが、イギリス国内にあれだけの和風建築建てられるってすごいですね。日本はどのくらい我々の日本と同じなんだろう。不平等条約もイギリスが結んだとのことですし、結構盛り盛りのイギリス国内。とにかく空気が悪そう。ご飯がまずい。紅茶は美味しい。

放送5話の列車エピ(case9 Roaming Pigeons)の血まみれ運転席で一瞬おののくプリンセスに人間らしさを感じました。よく考えてみると、放送した分ではcase1 → case2 → case9なのでこれまでとは違う感じがあって当たり前なのかもですね。

ノルマンディーのおじさんは…うん…。

まだ2日目の初心者ですが、本当に面白かったです!公式がYouTubeにあげてくれなかったらきっと触れられませんでした。ありがとうございます!

プリンセス・プリンシパル TVシリーズ全話  https://youtube.com/playlist?list=PLKPsuBIKuejP3iEsTM_Tq968u-qfNmgcG

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蛇足

スパイものの映画といえば、『スパイ・ゲーム』(ブラピとロバートレッドフォード)の回想と会議室での探り合いがとても面白いです。ガチガチのスパイものだと頭がぐるぐるになるので、見やすいもので触れていただければ。007とミッションインポッシブルシリーズのイメージが強いですが、スパイ映画はアクションのないものがかなり多いです。


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