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活動記録104期5話後半初見感想(ネタバレあり
※ネタバレしてます
活動記録104期5話後半が公開されました。
めっちゃよかったですね…
スクールアイドルというのはどういうものか、を本年度に入ってずっと考えています。
それは、昨年度がラブライブ!(大会名)に皆がまとまって立ち向かっていくお話だったのに対し(メンバーが集まっていって、まとまっていく先にラブライブ!があった)、本年度は高校生としての生活の中で、駆け抜けていく様子を描写していくものになっているからかもしれません。
がむしゃらに一直線に向かうだけではない、活動の記録としてのストーリーが、彼女たちの人柄、キズナそのものを感じさせてくれています。
両方違って皆いい。
スクールアイドルクラブの部員にも高校生としての楽しみ、生活があり、それをクラブのみんなでやることに意味そのものがあるといいますか。
同じ夏は来ないことは誰しも知っていることですが、同じメンバーで過ごす夏も来ないのですから。
また、今回は直近のWithMeetsの内容とリンクしたものでもあります。
見ていた人は、「あーっ!」となっていたのではないですか?活動記録で配信内と同じセリフを言うのは、7話のめぐ先輩と個人配信回でもありました。また、瑠璃乃ちゃんがめぐ先輩を誘うために学内でのライブを行う直前にソロ配信をした際など、「事前に見た人がニヤリと(ドキリと)する」ものでしたね。
さて、今回では映画の撮影を通して、徒町ちゃんのいい点が明らかになっていきます。
PART4のモノづくりを通じて、徒町ちゃんの褒め上手さが遺憾なく発揮されていきます。
徒町ちゃんは(自分以外の他人、または事柄の)素敵なところを見出すことができます。それを言葉に表現することが出来ます。褒め上手と梢センパイが評したこの能力は、結構難しく、案配のバランスを捉えるのにコツが必要です。
結果的に、そのちからで「誰かを気持ちよく動かす」ことができるのです。「誰かを気持ちよく動かす」ということは、「徒町ちゃんと一緒にやりたい、徒町ちゃんのためにちからになりたい」と思わせられるということ。
徒町ちゃんの褒め上手の範疇にあまりなさそうなのがドルケの先輩2人なのが、徒町ちゃんの魅力そのものを最初から受け止める人がいる証拠になるかもしれません。
蓮ノ空には主人公的なミラクル人心掌握能力の持ち主はいません。それぞれ、ステータスがとんがっているため、〇〇といえば誰々、というようにバラけています。それがメンバーそれぞれの魅力でもあるのです。
徒町ちゃんは瑠璃乃ちゃんが自分よりもみんなを見ている、といっていますが、これまでの瑠璃乃ちゃんのエピを読んでいると、徒町ちゃんの褒め上手とは違ったメンタルの仕組みであることは、おわかりいただけるのではないでしょうか。
瑠璃乃ちゃんの「人を見てくれている」が「自分の特性に見合った気配り」なのであれば、徒町ちゃんの「褒め上手」は「自分の存在をぎりぎりまで削った上での観察と発見」なのかもしれません。
徒町ちゃんのリトライっぷりは正直半端ないです。誰もが持ち得るものではありません。
でも本人は、自分のことがわからない。
自分は傷つかない、と思っているから。
傷ついても、気づかないようにしているだけかもしれないのですが。
PART6で、めぐ先輩に徒町ちゃんが「吟子ちゃんに」もっと感情移入して、といわれるシーンがあります。
めぐ先輩は、幼なじみの解像度が誰よりも高い人です。
幼なじみに誘われることの意味を、思い出すような…思い出せるほど、そこに感情移入してしまうほどに素敵なシナリオだったのでしょう。
個人的に、このシーンは徒町ちゃんのすごさと怖いところがとても出ていて、好きなシーンです。
徒町ちゃんは自分の中の感情を出す際に「幼なじみの存在である吟子ちゃんに相対する主人公の小鈴」+「雨の中、自分に付き合って撮影してくれる吟子ちゃん」を通して、僅かな時間でエミュレートしています。
徒町ちゃんは自分から生み出すことは出来ないとよく自称しますが、ここでは主人公の気持ちを理解して言葉を生み出しているのです。
めぐ先輩の指摘があまりにも的確だった、と思います。どこの誰にどう思うかという、指導をしていたからです。
徒町ちゃんは自分の事を考えるのが苦手。でも、取っ掛かりがあればどこまでもいける。
一体、どこまで?
おそらく、どこまででも。
配信で、村野に向かって「言ってくれたらどこへでも駆けつけます」と言ったように、徒町ちゃんが「助けて」「一緒に頑張りたい」といえば、手を貸してくれる人はたくさんいるはすですから。
ラブライブ!も、映画も、君はひとりではないのです。
強い光は視界を真っ白にしてしまいますが、大きな瞳のレンズを適正に通すことが出来れば、狙った1点を照らすことが可能になります。
徒町ちゃんのポテンシャルが私はとても怖くて、大好きで、だからこそ目が離せません。
「いま、ボクたちは失敗したんだ。」
綴理先輩の印象深いセリフです。しかし、諦めるための言葉ではありませんでした。失敗は、負けではないのですね。
みんなで不完全で未完成なものを作ることができれば、作り続けることができれば。
それが、ひとりひとりの心を強くして、スクールアイドルの光を強くして、それがいつか、いつか。
ラブライブ!に、手が届くのかもしれません。
徒町ちゃんの友達がどんな気持ちでこの映画を見たのか。
出来不出来の問題ではなかったのかもしれません。もし、完璧なものができあがっていたなら、逆に雪佳ちゃんは心が折れていたかもしれません。不完全だったことで、徒町ちゃんの気持ちが素直に届いたのかもしれません。
徒町小鈴にも失敗があって、それでもまたチャレンジする姿に。
努力そのものは無駄ではないのだということに。
夕霧綴理という人が、村野が倒れた時に強烈なしょんぼりぐあいを見せていたのが印象深いです。
してあげたいけど、できない。それは、悔しいという気持ちです。
出来ないことが、悔しい。そんな気がしました。じゃあ、綴理先輩はこれからどうするのでしょう。
私は、104期に入ってずっと「綴理先輩は今満たされてしまっているんだな」と感じていました。戦う理由が「はすのそらさいきょー」だけでいいのか、分からずにいました。
そう、今回で綴理先輩は気がついたのです。自分だってまだまだ未完成だということに。
村野が、びしょ濡れになってまでカメラを構え続けたのは、徒町ちゃんの思いが皆を動かしたこと…そして、みんなの思い自体を生み出したから。未完成で、不完全なものに一番大切なものは前向きな変化です。
村野さやかは諦めない人です。誰よりも、努力する人を応援したい人なのです。どうか、君自身が努力し続けていることを当たり前だと思わずに。努力出来ることがどれだけきらめきそのものか、DOLLCHESTRAという、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブという舞台で何度でも見つめ返してほしい。
君が誰かを大切に思うように、君も大切に思われています。
諦めなければ何度だってチャレンジできる。
時間は刻一刻と過ぎていく。
光の速さに近づけば近づくほど、時間の流れはゆっくりになるといいます。
夢の続きを何度だって見ましょう。映画の続きを撮るその日まで。
――優勝するまで。
終わらないエンディングを、私達も見てみたい。
一緒に、応援していたい。
そんな素敵な気持ちになれる活動記録でした。
追伸
徒町ちゃんの衣装のすがた、人によって思い出すスクールアイドルがいるみたいでタイムラインをたどるのが興味深かったです