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乙嫁語りには人の心を浄化する作用がある。

美しい漫画とはどのような漫画か。
それは「乙嫁語り」のことである。

さて皆さま、森薫先生の美しい漫画、乙嫁語りを読んで、自らも美しい涙を流していますか?まだですか?ならばすぐ読んでください。
乙嫁語りから美しさのおすそ分けを貰えて、美しくなれます。
この漫画が美しいのは、絵だけではありません。

うつくしポイント1:生活のうつくしさ

時代考証とか文化研究とか、どのくらいの時間を使って学ぶことで自分が生きていない時代の、生活の、創作ができるのか。想像もつきません。
挨拶のしかた、食事風景、人間関係…この時代の中央アジアの実際を体験できるかのような漫画です。
この漫画に出てくる女性はとにかく刺繍をします。きっと現代でも当地では風習が残っているかと思います。
そしてこの漫画には「刺繍が苦手で悩む女の子」の話があるのです。
「この時代の女性はみな、嫁入りの時に持参する布に刺繍をしていた」と文献に書かれればそうですが、上手な人も苦手な人もきっといたであろう。その「苦手」な側にスポットライトを当てる。まわりの友人がサポートしてくれる。本人も嫁入り道具だから頑張りたい。
この想像から創造された女性のストーリーが非常に美しい。

うつくしポイント2:表情のうつくしさ

本当に表情が美しい。漫画って、吹き出しの形とか擬音とかフォント変えたりすることで喜怒哀楽の心情を表現する方法がたくさんあると思うのですが、本当にシンプルに表情の絵が美しいです。
漫画で喜怒哀楽を絵だけで表現する。「漫画は絵があるからふつうじゃない?」ともし思ったら読んでみてください。

うつくしポイント3:波のないうつくしい話

乙嫁語りを読んでいると、特に大きな波の無い回があります。日常生活をそのまま切り取ったようなお話です。そしてそれが非常にうつくしい。どうしたら大きな起承転結もないのにうつくしい話だと感じるのか?
これは言葉では説明できないような、理屈でないような気がしています。何か言うのも野暮だと思っています。読んでみてください。

うつくしポイント4:登場人物のうつくしい心に泣く自分

このきれいなストーリーで涙が出る自分…よごれた大人になっちまったぜ…と思っている方、ぜひ読んでみてください。もし涙は出ずとも、アミルさんとカルルクさんの二人のやり取りに感じるものがあったとき、あなたの心は乙嫁語りと言う心の清浄機により浄化されました…。

乙嫁語り、ぜひ読んでください。

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