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【体験レポート】上天草市で「リトリート」を企画したら、熊本県内の偉い人が沢山参加してくれた話。
突然ですが、「天草」は何県にあるかご存知ですか?
おそらく九州に縁がない多くの人でも、
「天草島原の乱」という江戸時代に起こった国内最大の一揆の記述と共に、そのキャッチーな土地の名前を記憶している人も少なくないと思います。
そして皆答えます。
「天草って長崎だよね」・・・と。
ここで改めて、この認知を訂正させて下さい。
「天草は熊本です」
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そしてもうひとつ、ありがちな誤解があります。
それは「天草」を小さな一つの島なんでしょ?という誤解。
ここで再び、この認知を訂正させて下さい。
「天草は結構大きいです」
天草は大小130の島々が点在する諸島です。
主要な島は全て架橋されているので、
車で様々な島を移動できる巨大な諸島とも言えます。
※もちろん離島もあり、その中でも湯島は猫島として有名。
そんな天草エリアには2市(上天草市、天草市)1町(苓北町)があり、
その中の上天草市が今回の舞台です。
その上天草市だけでも、東京ドーム2,780個分の広さ。(わかりづら)
東京都の大田区+世田谷区+台東区を足したくらいの面積で、
人口は逆にその3区の合計180万人に対して2.5万人。
つまりは広すぎるパーソナルスペースは言わずもがな、
広い空と穏やかな海に点在する石庭のような島々の景色は
天草五橋が架橋した1966年以降、
日本全国から訪れる多くの観光客から発見され、発展を遂げてきたエリアなのです。
ちなみに、現在も上天草市の特命係長はこの方が活躍しています。
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●上天草市の基本情報
人口:25,015人(2022年12月31日時点)
産業:農業、漁業、観光業、船舶業など
市の花:さくら
市の木:松
市の鳥:めじろ
特命係長:上天草四郎くん
アクセス:阿蘇くまもと空港から車で1.5時間
JR熊本駅からあまくさ三角線で終点三角駅まで約1時間。
熊本サクラマチバスセンターから快速バスで約1時間20分
上天草市公式サイト:https://www.city.kamiamakusa.kumamoto.jp/q/aview/2/14698.html
そんな上天草市は今「ワーケーション」を推進中!
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2020年に突如訪れたコロナ禍という時代。
その混迷の中で、急速にアップデートしたイシューの代表格が「働き方」だったのかもしれません。
特に都市部のビジネスパーソンの多くが、
一気にテレワーク/リモートワークにシフトしていきました。
もはや「オフィスはどこでも良いよね。」という
新しい生活様式を取り入れていく中で、
やがて「働く意味」についても
自らに問い始めた人も増えてきました。
そして、新しい潮流となったのが、
WORK+VACATION=WORKCATION(ワーケーション)
なのだと思います。
仕事としての休暇?休暇としての仕事?
という問いには多分答えはなくて、
人生と仕事をインクルージョンしていくという新しいあり方。
まずはフットワークの軽いビジネスパーソンから、
全国津々浦々多様なワークスタイルを実践し始めているのが、
「ワーケーション」の現在地なのだと思います。
そんなワーケーションを実践する人々が向かう先はどこか?
それはまさに「観光」と同じで、
都会には無い風光明媚な景色やご当地の食や温泉など、
本質的な「豊かさ」を感じられる「此処ではない何処か」。
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一方で、そんな彼らを積極的に受け入れたいと、
さまざまな地方自治体が、このワーケーション推進に乗り出しています。
首都圏一極集中という長いトレンドが続く中、
止まらない人口減、高齢化、過疎という課題解決の新たな一手として、
ワーケーションニーズに応える仕様を整える自治体が増えてきたんです。
それは上天草市も例外ではありません。
そこで2021年から始まったのが「上天草市ワーケーション推進事業」です。
さまざまな働き方、職種の方々との接点を、
実験的に持つことからスタート。
お試し移住やリモートワーク体験、
そして今日の本題であるリトリートなど
さまざまな提案を企画、推進している訳です。
今回の本題「上天草でリトリート」ツアーを企画した経緯について
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ご覧の通り、ワーケーションをしたくても出来ない理由の第一位が、
「会社の制度」という結果に。
まぁ確かに、フリーランスでない限り、
会社が「ワーケーションOK」としてくれないと、
なかなか踏み出せないのが、ワーケーションの難しい所。
だったら、その会社の制度を決める人たちに、
まずはその良さを知ってもらっちゃえば良いよね!という事で、
今回は企業の社長や経営層を対象にした
ワーケーションツアーを企画することになりました。
でもそこで一つの課題が出てきます。
そもそも社長の仕事って、
PC作業や会議というよりも、
未来の戦略を考えたり経営判断したりする人たち。
なんとなく「ワーケーション」という概念がしっくりこない。
なので考えました。
経営幹部の方々用のワーケーションプログラムを。
それが、リトリート研修だったのです。
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2022年11月16日(水)-17日(木)の1泊2日の滞在の中で、
ワーケーションのもう一つの派生型として
「リトリート」を提案。
実際に体験してもらうことにしました。
ちなみにリトリートとは何かについて
ここで少しご説明しておきます。
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ここに書かれている通り、日常の仕事から意識的に距離を置く事で、
本来の自分を取り戻し、
より俯瞰的に経営のさまざまな事を見つめる手段の一つです。
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第三の場所としての避難先、隠れ家。
それがリトリートの要件になります。
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ここにも示しているように、「ワーケーション」と「リトリート」の整理は、こうまとめると結構わかりやすいのではないかなと思います。
「リトリート研修」当日の様子を少しだけご紹介。
熊本市内、菊池市、天草市から集まったのは、
県内のみならず、
全国にも有名な企業の社長及び経営幹部の皆さまたち
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上天草へ到着後まずはランチ。
その後上天草市を一望できる千巌山へご案内。
その特有の地形や地域の特徴をレクチャーさせていただきました
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その後は真面目な研修タイム
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さまざまなディスカッションで盛り上がったあとは
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そして、上天草市の担当者と共に懇親会も大変に盛り上がり
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翌日は、上天草市にある水産試験場を視察して
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またまた研修タイムです。
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そしてお昼に解散。それぞれのフィールドに急ぎ戻って行かれました。
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【アンケート結果の発表】
いつも厳しい経営判断を繰り返している猛者たちは、このリトリート研修をどう評価したか!?
今回この研修にご参加いただいた皆さまは、各企業のトップマネジメントの皆さまです。
つまり、その方々にとっての時間の価値は(しかも平日!)、それぞれの会社にとっても、とても大きい訳です。。。
※実際にスケジュールを調整し終えるまでに数ヶ月要しました。
そんな皆さまの時間を約2日間もいただいて、果たしてご満足をいただけたのだろうか・・・・・・・?
この振り返り無しには、研修は終われません。
「家に帰るまでが遠足」と言うように、
「アンケート結果を見るまでが研修」という事で、
最後にアンケート結果を見てみましょう。(ドキドキ)
果たして、「ワーケーション」や「リトリート」が、
自社にとって意味のあるものだと評価してくれたのでしょうか?
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参加いただいた全ての方が「大変良かった」「良かった」と回答!
まずはホッとしました。
「リトリート研修」というものが、良いものだと言うことはわかった。
そこから一歩進んで、自社で取り入れたいと思ったか?
実はここが重要且つ、
最も確認したかった回答なのですが・・・・・
さてどんな結果になったでしょう?
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ここもまた、参加者全員が「取り入れたい」という回答になりました!!!
とはいえ、企業によっては今すぐに・・・とは
行かない事情もあるようです。。
最後にフリー回答を見てみましょう。
「弊社も推進する立場ではあるが、社で取り入るにはまだまだハードルが高い」
「いつもと違う自然に恵まれた環境で仕事をすることで新しい発想が生まれたり、リフレッシュできたりといい事ずくめだと思うから。ただ、職種(企画、営業、製造など)によっては内容を変えたり縦割りのチームで行うなど工夫が必要だと思う。」
このあたりの回答はとてもリアルで、
きっと多くの人事や経営に携わる方が抱えやすいジレンマだと思います。
どんな事業をしていて、どんな組織構成なのか?
企業風土や歴史、あとは年齢やジェンダー構成なども含めて、
現状をフラットに把握することからのスタートをしないと、
一部の人達の、一部のイベントになって、一発の打ち上げ花火で終わってしまうことにもなりかねません。
だからこそこの課題を打開するために、
ぜひ会社の未来を決める人たちで、
一度リトリート研修(研修というワードは無くても良いかもしれませんが)
を活用いただきたいなと思います。
現状の課題は何なのか?
その上で私たちは、どの未来に向かっていくのか?
この2つが見えたら、あとはそのギャップを埋めるためのアクションを
地道に重ねていくだけです。
上天草市のワーケーション推進事業の強みは、
そんなサポートにも対応できるということ。
(そうしていくために今頑張っています・・・)
言い換えれば有形の価値だけではなく、
無形の価値も一緒に提供していくこと。
それが、上天草だからできる「ワーケーション/リトリート」だ定義することで、持続的で新しいビジネスパーソンとの関係性が生まれると考えているのです。
その他こんなご回答もいただいています。
「自身で体験することで、自身でも気づかなかったことが体験できたので。」
「社員のリフレッシュや生産性向上、新たな働き方の面で効果が期待できるため。」
「福利厚生の充実を図りたい。」
「会議、計画策定、研修など、日頃の環境とは違った形で体験してみたい」
「非日常環境下にて考えることで、得られるものがあると思うため。」
「仕事を離れて普段しない体験や人との交流を通じて、自由に新たな価値の発見や創造をできる企業文化を醸成していきたい。」
「天草に限らず地元(菊池)でもこのようなことをとりいれていきたい」
実際の研修の内容については、この記事の中で全てをご紹介していませんが、この回答を見ていただくことで、どんなものを受け取っていただけたか?が少し見えてくるかなと思います。
ただなんとなく、保養に来ること。
ではなく、第三のオフィスを持つような感覚を持っていただくこと。
上天草市をそんな風に捉えていただくことができれば、
地域という境界線を超えて、新しい関係性を有機的に生み出すことができる。
まずはそう捉えることから、
ワーケーションやリトリートの概念はアップデートされていくと思いますし、「上天草スタイル」という新たな様式も見えてくるのではないかなと思います。
こんな上天草でのワーケーション、リトリートに興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、まずはこちらまでお問い合わせ下さいませ。
上天草ワーケーション推進事務局
(リゾラテラス内)
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上天草の海と空と島々は今日も、あなたをお待ちしています!