1.基本情報(選択問題)埼玉県の公立高校入試では、数学と英語の2教科のみ「学校選択問題」という難易度の高い問題で構成される試験を採用する高校がある。どの高校が該当するのかは年によって変わることもあるので自分で調べて欲しいが、基本的に、別学伝統校や、いわゆる巷での偏差値が60中盤以降の高校は、まず間違いなく学校選択問題で受験することになるじゃろう。一部の問題は通常の問題(学力検査問題)と同じ場合もあるが、例えば同じ図形を使った問題でも問われる内容(証明すべき事項)が異なったり
別学校の論争に正式回答がなされるタイミングじゃが、埼玉県の公立高校における男子校のススメをお届けしようか。最初にお断りじゃが、当方は一般的なジェンダー平等は大事な取り組みじゃと考えておるが、そうした視点とは切り離して、埼玉県で公立高校を志望する際の一つの見方として、男子校・女子高の良いところ、そして気になる点も併せて呟いてみようと思っておる。 1.昔の男子校・女子高これはワシが埼玉県の公立受験をしていた子神の頃の私見じゃが、いまほど「男子校」か「女子高」か?などという議論
1.問題に潜むワナⒶ 聞かれていることを正確に把握。例えば方程式問題で、箱の個数(m)を回答するのか、それとも一つの箱に6ずつ入るドーナツの全体の数(n)を答えるのか?計算していく過程で、何を聞かれているのかが混線してしまうとミスを起こす。回答欄に書き込むまで気を抜かない。 ⇒ とにかく設問を正確に読み、回答する前にもう一度、自分が何を答えるべきなのかを確認する Ⓑ「間違っているものを選べ」 ⇒ ”正しいもの”ではないぞ。設問を正確に読むこと Ⓒ 問題文中に「全て選べ
1.北辰テストは早めに卒業埼玉県内の多くの私立高校では、北辰テスト2回分の偏差値で「確約」と呼ばれる事実上の合格を与えてくれる。2回の偏差値の平均ではなくて、例えば、上位の滑り止め項であれば「7月以降の北辰テスト、3教科か5教科の偏差値が70を2回超えたら安心して受験してください」という感じじゃな。最近は「この北辰偏差値であれば過去に受験して落ちた子はいません」的な言い回しもあるぞ。 中3の子羊さん達は、7月以降、北辰テストを受けるたびに大きなプレッシャーや不安と戦うこと
国語100点満点のうち12点を占める作文。以前は16点じゃったから、その重要度は少し下がったが、出来ることなら満点を取りたいのう。また、もしも時間が足りなくなった場合や、条件から外れて書いた場合には12点が丸丸吹っ飛ぶリスクもある。それを避けるためには、試験の前に自分の鉄板パターンや「ネタ」を準備しておくことじゃ。 なお、このポストでは北辰テストの後半や埼玉県の公立入試に出題される、マルチデータの読み取り問題には対応しきれていない。これはまた別途の機会に解説するとして、まず
前回は大問1の小説編じゃったが、今回は大問3の論説編じゃ。指定語句の設問や選択問題の解き方など、心得の部分では共通する解き方も多いが、文章の特性や構造は、やはり小説と論説では大きく異なるので、その辺りを意識して問題を解いてみるとよいな。 1.出題の傾向と特徴小説文のように「児童の揺れ動く心」のような一貫したテーマはないが、論説文なので一定の構造はある。出題テーマの例で考えると、例えば次のような分類は成り立つかもしれん。 (1)理系:遺伝子、動植物の生存競争や進化の工夫、脳
北辰テストや埼玉県公立入試の国語における「読解力」とは何か?について前回のポストでお伝えした。第二弾は大問①の小説について、傾向と対策を考えてみようかのう。 1.出題の傾向と特徴 小説の題材には明確な傾向があるが、荒っぽくまとめるとこんな感じじゃ。 ①場面:学校と家庭や、夏休みの帰省先など、子供たちが過ごす場所 ②登場人物:小学生~高校生くらいの青少年と、それを取り巻く友人や大人 ③展開:主人公の子供が問題に直面しており、それを周りの人間関係を通じて克服し、自我や新しい
北辰テストの国語に必要な能力を大きく分類すると、 (1)速読力 (2)要約力 (3)知識 (4)その他(能力と言うよりも事前の対策・準備) になる。これまで小中学校の国語で言い聞かされてきた「読解力」を上げるための読書や、授業を通じた「みんなで意見を出し合ってみよう」的な経験や体験を通じた独創性やマネジメント(リーダーシップ等)は、極論を言うとほぼ役に立たないと思っていい(出題形式としては、学校の授業で先生や級友と意見交換をする場面設定が、公立入試の大問②で出されることはあ
1.違和感の正体まず、今話題の共学化に向けた苦情処理委員の勧告を見てみようか。 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0309/news/page/20230831.html マジョリティにとって、当事者ではない団体から突然切り出されて違和感を覚える社会問題は意外に多いな。中学校の公民でも学ぶのじゃが、多数決を意思決定のツールとする民主主義の「但し書き」には、少数意見を大切にするという前提がある。それを具体化する行政手段の一つに「苦情処理メカニズ
1.前提:高校3年間の時間的価値中高一貫の学校が当たり前になり、高校や大学入試の方式も推薦を含む多様なスキームが増えたのう。とはいえ、6-3-3は日本の教育制度の基本であり、高校の3年間は義務教育を終えた直後の高等教育の入り口としての役割を与えられておる。この3年間の捉え方は、生徒さんや親御さんによって三者三様じゃろうな。 ディスにーランドだ!校則うぜぇ。金足りないからバイトだ。 部活に全力投球。出来るならスポーツ推薦だな。 良い大学に入りたいから勉強中心で効率よく過
1.北辰テストの役割北辰テストとは、埼玉県の高校受験を対象にした北辰図書が実施する民間業者の模試のことじゃ。ワシが神様見習の頃から存在する、もはや埼玉県の伝統芸能と言っても良い試験じゃな。当時は公立中学校で、半ば専売特許のように受験し、その結果を学校の面談で使っておったが、コンプライアンスの影響もあり、現在は公立中学校とは完全に独立した民間模試になっている。なお、埼玉県あるあるでよく話題になるが、北辰テストは全国ではないので、県外の受験生や親御さんと話をしても何のことやらわ
1.御三家の滑り止め化なかなか衝撃的だったのは、県立浦和高校の受験者数じゃな。願書提出時の人数から、あれよあれよと人数が減り、最終的には40数名というとんでもない数が受験を放棄した。これは浦高を受ける層の中でも上位に位置する生徒が、国立付属や都内の私立に流れたことを示している。同じような傾向は少なからずとも大宮高校や浦和一女にも見られたが、やはり浦高が顕著じゃった。この影響は3年後のアウトプット(東大・医学部医学科等の難関大学入試結果)に影響を与える規模かも知れん。 大学
1.埼玉県の公立中学大学入学への効率性のみで考えれば、間違いない、中高一貫教育は優れたシステムじゃろう。あらゆる理解レベルの生徒に合わせた義務教育を行う公立中学校の授業は、効率で言えば無駄だらけじゃからな。その割に、学校の勉強だけでは公立高校入試(特に選択問題)には対応できん。さらには高校に入った途端、勉強量と進度が突然ありえない勢いで増えて、中高6年間のカリキュラムでみると、後半の3年間で一気に辻褄を合わせるようなことになっておる。 しかしじゃ、公立中学には公立にしかな