“辿り着いた場所”で始まっていく、そしてこれから
自由に生きていく。
世界を旅する。
新しいことに挑戦する。
知らない場所に行く。
「はじめて」のことはいつだって、わたしをわくわくさせてくれる。
その傍らで、ふわふわしていてどこにも居場所がないような不安を抱えている。
どこへでも行ける代わりに、何かがすっぽりと自分の中から抜け落ちている気がした。
高校を卒業してから、三重・岡山・倉敷・世界一周・西粟倉と住む場所を転々とした。
ここでどんな日々が始まっていくだろうと胸を弾ませながら、でもきっとずっとここにいるわけではないのだろうと予感しながら。
△ベトナムと中国の国境あたりで撮った写真
今年の5月末、愛媛県内子町に移住した。内子町は伝建地区が残る紙の産地で、「ここが最後に住む場所だ」と初めて思った町だ。(内子町の良さについては語り始めると止まらないのでまたの機会に……。)
移住してkami/の拠点を作るための準備を始めたタイミングで、町内のゲストハウスが主催する紙のツアーの案内人に誘っていただいた。
月に一度開催される「そして、これから〜和紙の旅〜」では、2泊3日かけて紙を作り紙を綴じ、紙について語り合う。
△旅の参加者の方が書いてくださったレポート記事
先日、第2回目の旅のふりかえりを終えて、わたしにとってこの旅は「“辿り着いた場所”で始まっていく物語」だと思った。
世界一周中にたくさんの人に迎え入れてもらいながら感じた「いつかわたしも、旅びとを受け入れる側として旅を楽しみたい」という思いがいつの間にか叶い、世界の紙を巡る旅の原点である「(日本の)手仕事の紙の奥深さを伝えたい」という気持ちに立ち返っていたことに気づいた。
手漉き紙に惹かれネパールの紙を研究し、雑貨店で企画と販売を学んだところまでが序章で、世界一周をして本を出版したところが第1章だとしたら、ここからが第2章で、今、わたしは大きな転換期のはじまりにいる。
photo by 水本誠時
noteに書いて残しておきたいこと、伝えたいことがたくさんあります。
とりあえず紙の原料となる楮を畑に植え、閉校になった小学校の理科室を借りて「kami/ 実験室」を準備しつつ、紙の工房で働いています。
久しぶりに更新すると書きたいことが溢れてぐちゃぐちゃになってしまうと分かったので、これからは定期的に更新すると思います。(完売してしまった『世界の紙を巡る旅』も新装版で再販できるように進めています)
これからこれから、と未来に託しすぎている気もしますが、小さな決意表明と報告でした。
こんにちは、kami/(かみひとえ)です。いただいたサポートは、「世界の紙を巡る旅」をまとめた本の出版費用に充てさせていただきます。今年の12月に発売できる…はず…!