「世界の紙を巡る旅」のアーカイブ
はじめに
2022年2月20日をもちまして、「世界の紙を巡る旅」にまつわる全ての展示やトークイベントが終了しました!旅に出ると決めた2018年から旅の303日間と帰国後の2年間に渡り、たくさんの方に応援していただき、いろんな場所に赴くことができました。
この期間に出会ってくださったみなさまへ、ありがとうございました。 #世界の紙を巡る旅 を掲げ続けた3年間、長く濃く楽しい時間でした。
旅の完結のしるしとして、旅の概要と帰国後の展示、アーカイブで視聴できるトークをまとめました。
⚫︎旅の概要
「世界には、どんな紙があるんだろう?」
小さな好奇心をきっかけに、昨年の3月から今年の1月まで303日間かけて15ヵ国の紙工房と印刷所を訪ね歩きました。
旅の中で出会ったのは、個性豊かな紙が作られる美しい光景と淡々と、あるいは楽しそうに、紙を作り紙に刷る人々の姿でした。
「世界には、こんなにも豊かな紙があるのか!」
紙の現場を訪ねる度に新たな発見があり、この驚きや喜びを本の形にして伝えたいという思いが強まりました。
303日間の旅から帰国した後、烽火書房・嶋田さんに編集をしていただきながら約1年間かけて執筆し、クラウドファンディングにて253万円の支援を経て2021年3月日、書籍を出版しました。
出版後数ヶ月で初版2000部が版元完売し、現在仕様を変えた「世界の紙を巡る旅・普及版」を制作中です。
※初版本の仕様についてはこちらの記事をご覧ください
※kami/ インスタグラムのハイライトにて、旅の期間中の日記を公開しています
⚫︎アーカイブで視聴できるトークイベント
書籍の出版や旅の発信をきっかけに、たくさんの場所やメディアにてトークイベントや取材をしていただきました。2022年2月を持ちまして「世界の紙を巡る旅」関連のトークイベントや展示は完結しましたが、過去のいくつかはアーカイブでご覧いただけます。
⚫︎展示会まとめ
帰国後〜2022年2月までに「世界の紙を巡る旅」をテーマとした展示会を開催させていただきました。
この旅を切り口として、日本各地のいろんな場所で展示会を開催できたこと、多くの方々に世界の紙に触れていただけたことを嬉しく思います。展示会に足を運んでくださったみなさま、関係者のみなさま、ありがとうございました!
「世界の紙を巡る旅」をテーマとした展示は完結しましたが、kami/の製品を販売するPOPUPイベントはこれからも続きます。
kami/の活動に興味を持ってくださった店舗や施設の担当者の方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
⚫︎今後の活動① 普及版の販売
昨年販売・完売した書籍『世界の紙を巡る旅』は、仕様を変更し、対談3本や帰国後の2年間について執筆した原稿が加わり、新たな形での販売を予定しています。2022年夏の販売を目指し、烽火書房・嶋田さんと併走して絶賛制作中です。
こちらのフォームに連絡先を登録していただくと、販売の時期にお知らせをお送りいたします。
⚫︎今後の活動② kami/の実験室
書籍出版後、愛媛県内子町の里山に拠点を構えました。
閉校した小学校の理科室をお借りして、「kami/ の実験室」を開いています。
また、小学校がある「みそぎ地区」に住まいを移し、山に自生する紙の原料の加工や、畑での原料栽培などにも取り組み始めました。
⚫︎今後の活動③ 里山暮らしの連載「足元」
昨年5月に移住した愛媛県内子町の御祓(みそぎ)地区は、112軒230人(2021年現在)が暮らし、美しい田んぼの景色が広がり、この地に暮らす人々の生活によって生きた里山の風景が日々更新され続けています。
移住から半年が経ち、地域の人たちと関わる中で、その暮らしや人柄、歴史を言葉と写真で残し伝えたいと思うようになりました。
小さな活動ではありますが、来月から毎月取材を行って連載の形で記録していこうと思っています。
連載URL(※4月上旬公開予定)
連載「足元」では、みそぎ地区の人たちへの取材を通して土壌にある文化や歴史、自然の移ろいを記録します。この連載が自分の足元を見つめるきっかけとなったり、この土地の言葉から確かに立つための何かが見つかれば と願いながら、毎月お一人ずつ地域の人への取材を行います。
最後に
「紙が好き」
「いつか、世界一周をしたい」
「いろんな場所の暮らしを体感したい」
そんな好意と好奇心を依代として2019年3月に始めた旅は、たくさんの方のご協力とお力添えにより展示会の開催と書籍化に繋がり、わたしの想像を超える多くの方に興味を持っていただける旅となりました。2022年2月の展示会の完結に至るまで、ちょうど3年間の長い長い旅路となりました。
普通の会社員だったわたしが、こんなに自由に興味の赴くまま手仕事の紙にまつわる活動を続けられたのは、ひとえに関わってくださったみなさまのおかげです。何度お伝えしても言い足りないのですが、本当にありがとうございました!
kami/ の活動のテーマである「手仕事の紙を未来に繋ぐこと」、そのための「紙いちまいでできること」を探求する気持ちはずっと変わらず、これからも続いていきます。これからは、世界の紙を巡る旅とはまた違う形での発信や制作となりますが、引き続き活動を見守っていただけると幸いです。
2022年3月21日 kami/(浪江由唯)