あの扉の向こうに『壊れた』
あの扉の向こうには
「
前触れもなく、その気もなく
それは突然訪れた
暗い路地の片隅で
何ができるわけでもなく這っていた
口から垂れる滴は紅く
言葉にできない程の孤独感が支配していた
どれくらいの時間かもわからない
ただ覚えているのは
『ありがとう』の想いだけだった
嗚咽とも呻き声とも取れない声で
最後の覚悟を決めようともした
生への執着は不思議と感じなかった
ただ生きて伝えたい想い達が
『壊れた』ボクを繋ぎ止めた
『ありがとう』って言いたかった人達へ
ボクの想いは、まだ何処かにいますか?
生きた証はどこにありますか?
声にできたかもわからない叫びが
『壊れた』が未練となって明日を閉じる事を諦めた
そして伝えることができる今日がある
『ありがとう』
」
そんな『壊れかけた』明日を希望にする物語。。