見出し画像

あの扉の向こうに『「Cano」のある風景』

あの扉の向こうには


そろそろ時間だな

待ちわびたチャイムの音が鳴る

ダッシュとかまではしない

心持ちに急ぐ程度に階段を掛け降りる

だって6Fだし、きっとエレベーターは混むから

正面玄関を出て右に歩けばすぐ右手に

そこには人気のカレー屋さんがある

おっと、今日はそこじゃないんだよ

その左手にあるビル、下に降りる階段の先に

目的の「Cano」がある

ランチの「麻婆パスタ」と
「煮込みハンバーグ」がお気に入り

お昼はランチと夜はBarになるその店は
結構な頻度で夜は通っている

失礼だけど、滅多に夜は混まないし

でも誰と行くわけでもない

一人でドアをくぐる事が多い

ただなんとなく、通り過ぎてく日々

仕事や家庭以外で無性に話したいとき

そんな時ってあるよね

目の前に「Cano」の跡地がある

世話になったその店は、今は心の中にだけ

あの頃のマスターとも連絡が途絶えている

目まぐるしく過ぎて行ったあの頃の

オアシスがそこにあったから

きっと今の自分がいる

少しだけ微笑みながら
少し寂しい気持ちを風に流し

また「Cano」を立ち去る



そんな『「Cano」があった風景』を久々に感じてみた物語。。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?