アオリスト(第1、第2)
Q:アオリストの形態的特徴
A:アオリストの形態的特徴は、第1アオリストと第2アオリストで異なり、以下のような点が特徴的です。
1. 第1アオリストの形態的特徴
第1アオリストは、「σ」音を語幹に含む規則的な活用が多く見られます。
語幹に「σ」音が加わる。
過去の接頭辞(ε-)がつくことが多い。
活用語尾が独特で、「σα」を含む終止形が特徴的です。
例
λύω(解放する):ἔλυσα(私は解放した)
πιστεύω(信じる):ἐπίστευσα(私は信じた)
2. 第2アオリストの形態的特徴
第2アオリストは不規則に語幹が変化し、通常「σ」を含まないのが特徴です。
語幹が不規則に変化し、現在形とは異なる語幹を使用します。
過去の接頭辞(ε-)がつくことが多い。
活用語尾は第1アオリストと異なり、現在形に似た語尾を使うことが多いです。
例
λαμβάνω(受け取る):ἔλαβον(私は受け取った)
λέγω(言う):εἶπον(私は言った)
3. アオリストの共通特徴
**過去の接頭辞(ε-)**がつくことが多いです。
完結的なアスペクトを持ち、1回限りの行動や出来事を表す。
活用語尾:動詞の人称に応じた語尾がつきますが、第1アオリストと第2アオリストで多少の違いがあります。
アオリストの特徴的な形態の違いは、第1アオリストと第2アオリストの識別ポイントであり、学習においては動詞ごとにどちらをとるかを覚えることが重要です。
Q: アオリストについて、第1、第2とあるようですが、その違いは、また、それぞれの動詞の例をあげてください。
A:アオリストには「第1アオリスト」と「第2アオリスト」がありますが、両者は動詞の活用形が異なるだけで、意味の違いはありません。どちらもアオリストとして完結的な行動や単発の出来事を表すために使われます。
1. 第1アオリスト
第1アオリストは、アオリスト語幹に特有の「σ」音を伴う活用です。語幹に「σ」を追加して、その後に通常の活用語尾をつけます。基本的に、第1アオリストをとる動詞は「σ」を含む形でアオリスト語幹が変化します。
例
λύω(解放する):第1アオリストはἔλυσα「私は解放した」
πιστεύω(信じる):第1アオリストはἐπίστευσα「私は信じた」
2. 第2アオリスト
第2アオリストは、「σ」を伴わない語幹の変化を取るものです。これは元々の語幹が第2アオリストに適した形に不規則に変わるものが多く、語幹が現在形と異なります。第2アオリストをとる動詞は、元の動詞の形から不規則に語幹が変化する傾向があります。
例
λαμβάνω(受け取る):第2アオリストはἔλαβον「私は受け取った」
ἔρχομαι(来る、行く):第2アオリストはἦλθον「私は来た/行った」
主な違いのポイント
語幹の形:第1アオリストは「σ」音を伴い、第2アオリストは不規則な語幹変化を伴う。
活用法則:第1アオリストは規則的な活用形ですが、第2アオリストはそれぞれの動詞ごとに活用形が異なることが多いです。
どちらのアオリストも過去の行動を表現する際に使われますが、動詞の活用パターンに基づきどちらの形が用いられるかが決まります。
Q: それぞれの例をあげてください。
A: 第1アオリストと第2アオリストの例をいくつかご紹介します。
第1アオリストの例
第1アオリストは、「σ」を使った規則的な語幹変化が特徴です。
λύω(解放する)
現在形:λύω(私は解放する)
第1アオリスト:ἔλυσα(私は解放した)
πιστεύω(信じる)
現在形:πιστεύω(私は信じる)
第1アオリスト:ἐπίστευσα(私は信じた)
γράφω(書く)
現在形:γράφω(私は書く)
第1アオリスト:ἔγραψα(私は書いた)
ἀγαπάω(愛する)
現在形:ἀγαπῶ(私は愛する)
第1アオリスト:ἠγάπησα(私は愛した)
εὐαγγελίζω(良い知らせを伝える)
現在形:εὐαγγελίζω(私は良い知らせを伝える)
第1アオリスト:εὐηγγέλισα(私は良い知らせを伝えた)
第2アオリストの例
第2アオリストは、不規則な語幹変化を伴い、「σ」を使用しません。
λαμβάνω(受け取る)
現在形:λαμβάνω(私は受け取る)
第2アオリスト:ἔλαβον(私は受け取った)
ἔρχομαι(来る、行く)
現在形:ἔρχομαι(私は来る/行く)
第2アオリスト:ἦλθον(私は来た/行った)
τρώγω(食べる)
現在形:τρώγω(私は食べる)
第2アオリスト:ἔφαγον(私は食べた)
λέγω(言う)
現在形:λέγω(私は言う)
第2アオリスト:εἶπον(私は言った)
ὁράω(見る)
現在形:ὁρῶ(私は見る)
第2アオリスト:εἶδον(私は見た)
このように、第1アオリストと第2アオリストは、どちらも過去の出来事や単発の行動を表しますが、語幹が規則的か不規則かの違いが見られます。
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