エレメント第9章

練習問題 9.1.1. 
1.ἐκειναι、2.τουτου、3.ταυτα、4.ἐκεινα、5.αὐτοι、6.ούτοι、7.έκεινο、8.αύτη

以下は、ギリシャ語の指示代名詞と人称代名詞の詳細です。
1. ἐκειναι: 指示代名詞「その(あれらの)」の女性・複数・主格。
2. τουτου: 指示代名詞「この」の中性・単数・属格、または男性・単数・属格。
3. ταυτα: 指示代名詞「これら」の中性・複数・主格または対格。
4. ἐκεινα: 指示代名詞「それらの」の中性・複数・主格または対格。
5. αὐτοι: 人称代名詞「彼ら」または指示代名詞「その人たち」の男性・複数・主格。
6. ούτοι: 指示代名詞「これらの」の男性・複数・主格。
7. ἐκεινο: 指示代名詞「それ」の中性・単数・主格または対格。
8. αὕτη: 指示代名詞「この」の女性・単数・主格。

どれも古典ギリシャ語や聖書ギリシャ語で頻繁に使われる形です。


練習問題 9.1.2 の各文を分析し、日本語に訳します。

1. οὗτος ἦν ὁ τόπος

「この場所があった」

  • οὗτος は男性単数主格で「この」を意味します。

  • ἦν は動詞の未完了過去形、三人称単数で「~だった、~があった」を意味します。

  • ὁ τόπος は男性単数主格で「場所」を意味します。

2. νεκρὰ τὰ πρόβατα τούτων

「これらの羊は死んでいる」

  • νεκρά は形容詞で、中性複数主格。「死んでいる」という意味です。

  • τὰ πρόβατα は中性複数主格で「羊」を意味します。

  • τούτων は代名詞で、中性複数属格。「これらの」という意味です。

3. ὅλος ὁ ὄχλος ἤκουεν

「群衆全体が聞いていた」

  • ὅλος は形容詞で「全体の」という意味です。

  • ὁ ὄχλος は男性単数主格で「群衆」を意味します。

  • ἤκουεν は動詞で、未完了過去形、三人称単数。「聞いていた」を意味します。

4. λέγει ἐκείναις ταῖς παραβολαῖς

「彼はこれらのたとえ話に語っている」

  • λέγει は動詞で、現在形、三人称単数。「彼は語っている」を意味します。

  • ἐκείναις は女性複数与格で「それらの」を意味します。

  • ταῖς παραβολαῖς は女性複数与格で「たとえ話」を意味します。

5. οἱ προφῆται αὐτοῦ ἔρχονται

「彼の預言者たちが来る」

  • οἱ προφῆται は男性複数主格で「預言者たち」を意味します。

  • αὐτοῦ は代名詞で「彼の」という意味です。

  • ἔρχονται は動詞で、現在形、三人称複数。「来る」を意味します。

6. τυφλοί εἰσιν οὗτοι οἱ μαθηταί

「これらの弟子たちは盲目である」

  • τυφλοί は形容詞で、男性複数主格。「盲目の」という意味です。

  • εἰσιν は動詞で、現在形、三人称複数。「~である」を意味します。

  • οὗτοι は男性複数主格で「これらの」を意味します。

  • οἱ μαθηταί は男性複数主格で「弟子たち」を意味します。


9.2 αὐτοῦの用法
λεγω αύτῃ. οἱ μαθηταί αὐτου έλεγον. •ὁαύτος κύριος σωζει τον λαον. αὐτος ὁ κυριος σωζει τον λαον.

練習問題 9.2 の文を分析し、日本語に訳します。

1. λέγω αὐτῇ

「私は彼女に言う」*”言う”を”話す”に

  • λέγω は動詞で、現在形、一人称単数。「言う」を意味します。

  • αὐτῇ は代名詞で、女性単数与格。「彼女に」を意味します。

2. οἱ μαθηταί αὐτοῦ ἔλεγον

「彼の弟子たちは言っていた」

  • οἱ μαθηταί は男性複数主格で「弟子たち」を意味します。

  • αὐτοῦ は代名詞で、男性単数属格。「彼の」を意味します。

  • ἔλεγον は動詞で、未完了過去形、三人称複数。「言っていた」を意味します。

3. ὁ αὐτὸς κύριος σῴζει τὸν λαόν

「同じ主がその民を救う」(形容詞的用法)

  • ὁ αὐτὸς は「同じ」という意味です(形容詞としての用法)。

  • κύριος は男性単数主格で「主」を意味します。

  • σῴζει は動詞で、現在形、三人称単数。「救う」を意味します。

  • τὸν λαόν は冠詞+男性単数対格で「民」を意味します。

4. αὐτὸς ὁ κύριος σῴζει τὸν λαόν

「主ご自身が民を救う」(強調用法)

  • αὐτὸς はここでは強調されて「~自身」として使われています。

  • ὁ κύριος は男性単数主格で「主」を意味します。

  • σῴζει は「救う」、τὸν λαόν は「民」を意味します。


違い:

  • ὁ αὐτὸς κύριος の文は「同じ主」という意味で、主が特定の同じ存在であることを強調しています。

  • αὐτὸς ὁ κύριος の文は「主ご自身」という意味で、主が自ら行うことを強調しています。

ὁ αὐτὸς が「同じ」を意味する理由は、古典ギリシャ語や聖書ギリシャ語において、αὐτὸς という代名詞が文脈に応じて異なる意味で使われるからです。

αὐτὸς の主な用法:

  1. 強調代名詞(「彼自身」や「主自身」)

    • αὐτὸς は名詞や代名詞と一緒に使われた場合、「~自身」という意味を持ちます。たとえば、「αὐτὸς ὁ κύριος」(主ご自身)は、主が自分で行動することを強調します。

  2. 「同じ」(ὁ αὐτὸς, ἡ αὐτὴ, τὸ αὐτὸ の形)

    • ὁ αὐτὸς のように冠詞と共に使われる場合は、「同じ」という意味になります。冠詞 が加わると、「彼自身」ではなく「同じ」という意味に変わります。この用法は形容詞的に使われるものです。

    • 例:「ὁ αὐτὸς κύριος」(同じ主)と訳され、複数回登場する同一人物や物事を指します。

用法の違い:

  • ὁ αὐτὸς κύριος は「同じ主」を意味し、主が他の誰かではなく、一度紹介された特定の主であることを示します。

  • 一方、αὐτὸς ὁ κύριος は「主ご自身」という意味になり、主が自分自身で行動することを強調します。

このように、αὐτὸς は冠詞の位置や文脈によって意味が異なるため、「同じ」になるのは冠詞 が前に置かれた時の特定の形においてです。


中間演習

1. ἀρνουνται ἑαυτους.
2. φιλω έκεινον τον μαθητην.
3. συναγει ταυτα τα προβατα.
4. ἐδιδασκεν άλλαις παραβολαις.
5. ἐν τῃ αὐτῃ ἡμερᾳ ἡ Μαρια έβλεψεν
6. δια ταυτα ὁ όχλος έλαλει άλληλοις.
7. αὐτος ὁ Ἰησους προσηύχετο.
8. ὑπηρετης ήν τουτου του ἱερου.

各文を分析し、日本語に訳します。

1. ἀρνοῦνται ἑαυτούς

「彼らは自分自身を否定する」

  • ἀρνοῦνται は動詞で、現在形、中動態、三人称複数。「彼らは否定する」

  • ἑαυτούς は反身代名詞で、男性複数対格。「自分自身」

2. φιλῶ ἐκεῖνον τὸν μαθητήν

「私はあの弟子を愛する」

  • φιλῶ は動詞で、現在形、一人称単数。「私は愛する」

  • ἐκεῖνον は男性単数対格で「あの」

  • τὸν μαθητήν は男性単数対格で「弟子」

3. συνάγει ταῦτα τὰ πρόβατα

「彼はこれらの羊を集める」

  • συνάγει は動詞で、現在形、三人称単数。「集める」

  • ταῦτα は中性複数対格で「これらの」

  • τὰ πρόβατα は中性複数対格で「羊」

4. ἐδίδασκεν ἄλλαις παραβολαῖς

「彼は他のたとえ話で教えていた」

  • ἐδίδασκεν は動詞で、未完了過去形、三人称単数。「教えていた」

  • ἄλλαις παραβολαῖς は女性複数与格で「他のたとえ話で」

5. ἐν τῇ αὐτῇ ἡμέρᾳ ἡ Μαρία ἔβλεψεν

「同じ日にマリアは見た」

  • ἐν τῇ αὐτῇ ἡμέρᾳ は前置詞句で「同じ日に」

  • ἡ Μαρία は女性単数主格で「マリア」

  • ἔβλεψεν は動詞で、アオリストの三人称単数。「見た」

6. διὰ ταῦτα ὁ ὄχλος ἔλαλει ἀλλήλοις

「このために群衆は互いに話していた」

  • διὰ ταῦτα は前置詞句で「このために」を意味します。

  • ὁ ὄχλος は男性単数主格で「群衆」を意味します。

  • ἔλαλει は動詞で、未完了過去形、三人称単数。「話していた」を意味します。

  • ἀλλήλοις は男性複数与格で「互いに」を意味します。

7. αὐτὸς ὁ Ἰησοῦς προσηύχετο

「イエス自身が祈っていた」

  • αὐτὸς は「彼自身」を意味し、強調のために使われます。

  • ὁ Ἰησοῦς は男性単数主格で「イエス」を意味します。

  • προσηύχετο は動詞で、中動態、未完了過去形、三人称単数。「祈っていた」を意味します。

8. ὑπηρέτης ἦν τούτου τοῦ ἱεροῦ

「彼はこの神殿の奉仕者であった」

  • ὑπηρέτης は男性単数主格で「奉仕者」を意味します。

  • ἦν は動詞で、未完了過去形、三人称単数。「~だった」を意味します。

  • τούτου τοῦ ἱεροῦ は男性単数属格で「この神殿の」を意味します。


日本語訳
9. Προσευχόμαστε στον ίδιο Θεό.
10. Ο ίδιος ο Πέτρος αρνήθηκε τον Ιησού.
11. Μετά από αυτό άρχισαν να ακούν. 12. Εκείνοι οι δαίμονες ήταν κακοί.

以下はギリシャ語の文を日本語に翻訳したものです。

9. Προσευχόμαστε στον ίδιο Θεό.

「私たちは同じ神に祈っています。」

  • Προσευχόμαστε は「私たちは祈る」を意味します(現在形、一人称複数)。

  • στον ίδιο Θεό は「同じ神に」という意味です。

10. Ο ίδιος ο Πέτρος αρνήθηκε τον Ιησού.

「ペテロ自身がイエスを否定した。」

  • Ο ίδιος ο Πέτρος は「ペテロ自身」を意味し、ペテロが自ら行動したことを強調しています。

  • αρνήθηκε は「彼は否定した」(アオリスト形、三人称単数)。

  • τον Ιησού は「イエスを」を意味します。

11. Μετά από αυτό άρχισαν να ακούν.

「これの後で、彼らは聞き始めた。」

  • Μετά από αυτό は「これの後で」を意味します。

  • άρχισαν は「彼らは始めた」(アオリスト形、三人称複数)。

  • να ακούν は「聞くことを」を意味します。

12. Εκείνοι οι δαίμονες ήταν κακοί.

「あの悪霊たちは悪かった。」

  • Εκείνοι οι δαίμονες は「あの悪霊たち」を意味します。

  • ήταν は「彼らは~だった」(未完了過去形、三人称複数)。

  • κακοί は「悪い」を意味する形容詞の複数形です。


9.3. 1人称と2人称の人称代名詞と所有形容詞
9.3.1. 人称代名詞

文1:Ἐγὼ Παῦλος λέγω ὑμῖν

発音:Ἐγὼ Παῦλος λέγω ὑμῖν /egṑ Pâulos légō hymîn/

訳:「私はパウロ、あなたがたに言う」

品詞分析:

  1. Ἐγὼ

    • 品詞: 代名詞

    • 形態: 一人称単数主格

    • 意味: 「私」

  2. Παῦλος

    • 品詞: 名詞

    • 形態: 男性単数主格

    • 意味: 「パウロ」(個人名)

  3. λέγω

    • 品詞: 動詞

    • 形態: 現在形、能動態、一人称単数

    • 意味: 「私は言う」

  4. ὑμῖν

    • 品詞: 代名詞

    • 形態: 二人称複数与格

    • 意味: 「あなたがたに」


全体の構造:

  • Ἐγὼ Παῦλος では、「私はパウロ」と主語が強調されています。

  • λέγω ὑμῖν は「あなたがたに言う」という動詞句で、行動の対象(聞き手)が二人称複数です。


文2:σῶσόν με ἐκ τῆς ὥρας ταύτης

発音:

σῶσόν με ἐκ τῆς ὥρας ταύτης
/sōsón me ek tês hṓras taútēs/

訳:「この時から私を救ってください」

全体の構造:
σῶσόν με:「私を救ってください」という命令形。
ἐκ τῆς ὥρας ταύτης:「この時から」という意味で、困難や試練の時を指しています。

品詞分析:

  1. σῶσόν

    • 品詞: 動詞

    • 形態: アオリスト命令形、二人称単数

    • 意味: 「救ってください」(「救う」の命令形)

  2. με

    • 品詞: 代名詞

    • 形態: 一人称単数対格

    • 意味: 「私を」

  3. ἐκ

    • 品詞: 前置詞

    • 意味: 「~から」

  4. τῆς ὥρας

    • 品詞: 名詞句

    • 形態: 女性単数属格

    • 意味: 「時」(属格で「~の時から」)

  5. ταύτης

    • 品詞: 指示代名詞

    • 形態: 女性単数属格

    • 意味: 「この」


文3:λέγει αὐτῷ ... Φιλεῖς με; ... καὶ λέγει αὐτῷ, Κύριε ... σύ γινώσκεις ὅτι φιλῶ.

発音: légēi autō̂ ... fileîs me? ... kaì légēi autō̂, Kýrie ... sý ginṓskeis hóti filô /

訳:
「彼は彼に言った、『あなたは私を愛していますか?』... そして彼は彼に言った、『主よ、あなたは知っています、私はあなたを愛しています』」

品詞分析:

  1. λέγει

    • 品詞: 動詞

    • 形態: 現在形、能動態、三人称単数

    • 意味: 「彼は言う」

  2. αὐτῷ

    • 品詞: 代名詞

    • 形態: 男性単数与格

    • 意味: 「彼に」

  3. Φιλεῖς

    • 品詞: 動詞

    • 形態: 現在形、能動態、二人称単数

    • 意味: 「あなたは愛していますか?」

  4. με

    • 品詞: 代名詞

    • 形態: 一人称単数対格

    • 意味: 「私を」

  5. καὶ

    • 品詞: 接続詞

    • 意味: 「そして」

  6. Κύριε

    • 品詞: 名詞

    • 形態: 男性単数呼格

    • 意味: 「主よ」

  7. σύ

    • 品詞: 代名詞

    • 形態: 二人称単数主格

    • 意味: 「あなたは」

  8. γινώσκεις

    • 品詞: 動詞

    • 形態: 現在形、能動態、二人称単数

    • 意味: 「あなたは知っている」

  9. ὅτι

    • 品詞: 接続詞

    • 意味: 「~ということを」

  10. φιλῶ

    • 品詞: 動詞

    • 形態: 現在形、能動態、一人称単数

    • 意味: 「私は愛している」


構造説明:

  • λέγει αὐτῷ:「彼は彼に言った」

  • Φιλεῖς με;:「あなたは私を愛していますか?」という質問。

  • καὶ λέγει αὐτῷ:「そして彼は彼に言った」

  • Κύριε, σύ γινώσκεις ὅτι φιλῶ:「主よ、あなたは知っています、私はあなたを愛しています」

この文は、ヨハネの福音書21章15-17節の一部で、ペテロとイエスとの会話に関連しています。



Q: 動詞の原型をリストアップして

動詞の原型リスト:

  1. λέγειλέγω(言う)

  2. φιλεῖςφιλέω(愛する)

  3. γινώσκειςγινώσκω(知る)

  4. φιλῶφιλέω(愛する)

  5. σῶσόνσῴζω(救う)

  6. ἦνεἰμί(ある、存在する)

  7. ἀρνοῦμαιἀρνέομαι(否定する)

  8. φιλῶφιλέω(愛する)

  9. συνάγεισυνάγω(集める)

  10. ἐδιδάσκενδιδάσκω(教える)

  11. ἔβλεψενβλέπω(見る)

  12. ἔλαλειλαλέω(話す)

  13. προσηύχετοπροσεύχομαι(祈る)

  14. ἦνεἰμί(ある、存在する)

  15. λέγωλέγω(言う)


これがこれまで出てきたすべての動詞の原形(不定形)です。


Q: これまでに出て来た動詞の、時制、人称、原型、日本語訳でリストを作成して
A: 以下は、動詞の原型、時制、人称、日本語の訳を含むリストです。

| 動詞 | 原型 | 時制 | 人称 | 日本語訳 |

| λέγει | λέγω | 現在形 | 三人称単数 | 彼は言う |
| φιλεῖς | φιλέω | 現在形 | 二人称単数 | あなたは愛していますか? |
| γινώσκεις | γινώσκω | 現在形 | 二人称単数 | あなたは知っています |
| φιλῶ | φιλέω | 現在形 | 一人称単数 | 私は愛しています |
| σῶσόν | σῴζω | アオリスト命令形 | 二人称単数 | 救ってください |
| ἦν | εἰμί | 未完了過去形 | 三人称単数 | 彼はあった |
| ἀρνοῦμαι | ἀρνέομαι | 現在形 | 一人称単数 | 私は否定する |
| συνάγει | συνάγω | 現在形 | 三人称単数 | 彼は集める |
| ἐδιδάσκεν | διδάσκω | 未完了過去形 | 三人称単数 | 彼は教えていた |
| ἔβλεψεν | βλέπω | アオリスト形 | 三人称単数 | 彼は見た |
| ἔλαλει | λαλέω | 未完了過去形 | 三人称単数 | 彼は話していた |
| προσηύχετο | προσεύχομαι | 未完了過去形 | 三人称単数 | 彼は祈っていた |
| ἐνείκει | ἐνείκω | 現在形 | 三人称単数 | 彼は関係している |
| ἐσχάτη | ἐσχατολογέω | 現在形 | 三人称単数 | 彼は終末について述べる |
| ἐπιδιώκω | ἐπιδιώκω | 現在形 | 一人称単数 | 私は追求する |




注意点:

  • ギリシャ語の動詞は、性別や数(単数・複数)によって変化することがありますが、ここでは人称を基に分類しています。

  • 未完了過去形(インデフィニットパスト)やアオリスト形は、時制として特定の行動や状態を示すため、これらの表記を使用しています。


9.4. 接続詞
原文: πολλούς γὰρ ἐθεράπευσεν
訳: 「多くの人々を癒された」
(新約聖書に基づく文脈では、癒されたのはイエスを指す場合が多い)

品詞分析:
πολλούς
品詞: 形容詞 (形容詞的に使われる場合は数詞に近い)
性数格: 男性・複数・対格
文法的機能: 目的語として「多くの人々」を示す。
語義: 「多くの」または「多くの人々」
γάρ
品詞: 接続詞
機能: 理由を示す接続詞で、意味としては「なぜなら」や「というのも」。この文では説明的に使われている。文頭ではなく、文の2番目の位置に置かれることが一般的。
語義: 「なぜなら」
ἐθεράπευσεν
品詞: 動詞
時制: アオリスト(過去の完結した動作を表す)
態: 能動態
法: 直説法
性数人称: 3人称・単数
語義: 「癒す」、「治療する」
主語: 主語は文中に明示されていないが、暗黙のうちにイエスが主語であると想定される。
文構造:
πολλούς は ἐθεράπευσεν の目的語として、誰を癒したのかを示しており、「多くの人々」と訳される。
γάρ は理由や説明を補足して、文全体が「なぜなら、多くの人々を癒したからだ」という形で続くことを示している。
ἐθεράπευσεν は動詞で、アオリスト形態から過去に完了した動作を表し、ここでは「癒した」という意味。

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原文: ὑμεῖς γὰρ ἔστε ἡ δόξα ἡμῶν καὶ ἡ χαρά.
訳:「あなたがたこそ、私たちの栄光であり、喜びです。」

品詞分析:
ὑμεῖς
品詞: 人称代名詞
性数格: 男性または女性・複数・主格
文法的機能: 主語として働き、「あなたがた」を指す。
語義: 「あなたがた」
γάρ
品詞: 接続詞
機能: 理由を説明する接続詞で、意味としては「なぜなら」や「というのも」。文の冒頭に位置し、後の文が理由や補足を示す役割を担う。
語義: 「なぜなら」
ἔστε
品詞: 動詞
時制: 現在
態: 能動態
法: 直説法
性数人称: 2人称・複数
語義: 「である」
機能: コプラ動詞として、主語(ὑμεῖς)と補語(ἡ δόξα καὶ ἡ χαρά)をつなぐ。

品詞: 定冠詞
性数格: 女性・単数・主格
文法的機能: 名詞「δόξα」と「χαρά」を特定している。
語義: 「その」または「〜な」
δόξα
品詞: 名詞
性数格: 女性・単数・主格
文法的機能: 補語として「栄光」を表す。
語義: 「栄光」、「誉れ」、「名声」
ἡμῶν
品詞: 人称代名詞(所有格)
性数格: 1人称・複数・属格
文法的機能: 所有を表し、「私たちの」として「栄光」と「喜び」が誰に属しているかを示す。
語義: 「私たちの」
καί
品詞: 接続詞
機能: 並列接続詞として、「栄光」と「喜び」をつなぐ。
語義: 「そして」、「または」、「および」
χαρά
品詞: 名詞
性数格: 女性・単数・主格
文法的機能: 補語として「喜び」を表す。
語義: 「喜び」、「歓喜」
文構造:
ὑμεῖς(あなたがた)が主語であり、ἔστε(である)が述語動詞として主語と補語を結ぶ。
ἡ δόξα(栄光)と ἡ χαρά(喜び)が並列されて補語となり、ἡμῶν(私たちの)は両者が「私たちにとっての」ものであることを示している。

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原文: λογίζεσθε ἑαυτοὺς εἶναι νεκροὺς μὲν τῇ ἁμαρτίᾳ, ζῶντας δὲ τῷ θεῷ.
訳:

「あなたがた自身が、罪に対しては死んでいるが、神に対しては生きていると考えなさい。」

品詞分析:
λογίζεσθε
品詞: 動詞
時制: 現在
態: 中受動態
法: 直説法
性数人称: 2人称・複数
語義: 「考える」、「思う」、「みなす」
機能: 主動詞として「自分自身をこう考えなさい」という意味で使われている。
ἑαυτοὺς
品詞: 再帰代名詞
性数格: 男性・複数・対格
文法的機能: 動詞 λογίζεσθε の目的語として「あなたがた自身」を指す。
語義: 「自分自身」

εἶναι
品詞: 動詞(不定詞)
時制: 現在(不定詞は時制ではなく、動詞のアスペクトを示す)
態: 能動態
語義: 「〜である」、「存在する」
機能: λογίζεσθε と関連する補語的な不定詞構文。
νεκρούς
品詞: 形容詞
性数格: 男性・複数・対格
文法的機能: ἑαυτούς に対応し、「死んでいる」という状態を表す。
語義: 「死んでいる」

μέν
品詞: 接続詞(対照を示す接続詞)
機能: 対比を表し、δὲ(「しかし」)との対比を明確にするために使用される。ここでは、「〜ではあるが」というニュアンスを表す。
語義: 「一方では」

τῇ ἁμαρτίᾳ
τῇ
品詞: 定冠詞
性数格: 女性・単数・与格
文法的機能: ἁμαρτίᾳ(罪)を特定するために使用される。
語義: 「その」
ἁμαρτίᾳ
品詞: 名詞
性数格: 女性・単数・与格
文法的機能: 与格で、νεκροὺς(死んでいる)に対して「何に対して死んでいるか」を示す。
語義: 「罪」

ζῶντας
品詞: 形容詞(分詞)
性数格: 男性・複数・対格
文法的機能: ἑαυτούς に対応し、「生きている」という状態を表す。
語義: 「生きている」

δέ
品詞: 接続詞
機能: 対照や転換を示し、「しかし」「一方で」というニュアンスを表す。μέν と対照的な要素を導入している。
語義: 「しかし」

τῷ θεῷ
τῷ
品詞: 定冠詞
性数格: 男性・単数・与格
文法的機能: θεῷ(神)を特定するために使用される。
語義: 「その」
θεῷ
品詞: 名詞
性数格: 男性・単数・与格
文法的機能: 与格で、ζῶντας(生きている)に対して「何に対して生きているか」を示す。
語義: 「神」
文構造:
λογίζεσθε は命令のニュアンスを含んだ動詞で、従属する不定詞 εἶναι を導く。
ἑαυτούς は「あなたがた自身」という再帰代名詞であり、νεκρούς と ζῶντας という2つの対格の形容詞に対して目的語として機能している。
νεκρούς μέν τῇ ἁμαρτίᾳ と ζῶντας δὲ τῷ θεῷ で、罪に対しては死んでいるが、神に対しては生きているという対比的な構造が表現されている。

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原文: ἕκαστος ὑμῶν λέγει· Ἐγὼ μὲν εἰμι Παύλου, ἐγὼ δὲ Ἀπολλῶ, ἐγὼ δὲ Κηφᾶ, ἐγὼ δὲ Χριστοῦ.
訳:「あなたがたの一人ひとりが言う、『私はパウロに属する』、『私はアポロに属する』、『私はケファ(ペテロ)に属する』、『私はキリストに属する』。」

品詞分析:
ἕκαστος
品詞: 形容詞
性数格: 男性・単数・主格
文法的機能: 主語で、「それぞれの」「一人ひとりの」を意味する。
語義: 「それぞれ」、「各自」

ὑμῶν
品詞: 人称代名詞(属格)
性数格: 2人称・複数・属格
文法的機能: ἕκαστος に属する形で、「あなたがたの」という所有を表す。
語義: 「あなたがたの」

λέγει
品詞: 動詞
時制: 現在
態: 能動態
法: 直説法
性数人称: 3人称・単数
語義: 「言う」
機能: ἕκαστος が主語のため、「一人ひとりが言う」という意味になる。

Ἐγὼ
品詞: 人称代名詞
性数格: 1人称・単数・主格
文法的機能: 主語として、「私」を指す。
語義: 「私」

μέν
品詞: 接続詞(対比)
機能: δέ と対照的な役割を持ち、「〜ではあるが」というニュアンスを含む。
語義: 「一方では」

εἰμι
品詞: 動詞
時制: 現在
態: 能動態
法: 直説法
性数人称: 1人称・単数
語義: 「〜である」、「〜に属する」
機能: Ἐγὼ(私)と共に、「私は〜に属する」といった意味を表す。

Παύλου
品詞: 名詞(固有名詞)
性数格: 男性・単数・属格
文法的機能: 属格で、εἰμι の補語として「パウロに属する」という意味を示す。
語義: 「パウロ」

δέ
品詞: 接続詞
機能: 対比や追加の要素を示し、「しかし」、「一方で」という意味を持つ。
語義: 「しかし」、「そして」

Ἀπολλῶ
品詞: 名詞(固有名詞)
性数格: 男性・単数・属格
文法的機能: 属格で、εἰμι の補語として「アポロに属する」という意味を示す。
語義: 「アポロ」

Κηφᾶ
品詞: 名詞(固有名詞)
性数格: 男性・単数・属格
文法的機能: 属格で、εἰμι の補語として「ケファ(ペテロ)に属する」という意味を示す。
語義: 「ケファ(ペテロ)」
注:「Κηφᾶς」(キファス)は、ギリシャ語の名前で、特に新約聖書に登場するペテロ(ペトロ)を指します。この名前は、アラム語の「ケファ」(כֵּיפָא、Kēp̄ā)に由来し、「岩」を意味します。

Χριστοῦ
品詞: 名詞(固有名詞)
性数格: 男性・単数・属格
文法的機能: 属格で、εἰμι の補語として「キリストに属する」という意味を示す。
語義: 「キリスト」

文構造:
ἕκαστος ὑμῶν λέγει が主節で、「あなたがたの一人ひとりが言う」と述べ、続く文はその発言内容を引用する形で構成されている。
Ἐγὼ μὲν εἰμι Παύλου などの各節は対比を示し、「私はパウロに属する」、「私はアポロに属する」、「私はケファに属する」、「私はキリストに属する」と並列されている。μέν と δέ によって、これらが対照的に並べられている。



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原文: καὶ οἱ μὲν ἦσαν συν τοῖς Ἰουδαίοις, οἱ δὲ συν τοῖς ἀποστόλοις.
訳:「そして、ある者たちはユダヤ人たちと共にあり、他の者たちは使徒たちと共にあった。」

品詞分析:
καὶ
品詞: 接続詞
機能: 接続詞として、「そして」や「また」を意味し、前後の文や句を繋げる。
語義: 「そして」、「また」

οἱ
品詞: 定冠詞
性数格: 男性・複数・主格
文法的機能: 主語として機能する「彼ら」や「者たち」を指し、具体的な集団を特定する。
語義: 「彼ら」

μέν
品詞: 接続詞(対比)
機能: 対照的な要素を導入するために使われ、後の δέ と対比的に働く。意味としては「一方では」。
語義: 「一方では」

ἦσαν
品詞: 動詞
時制: 未完了過去
態: 能動態
法: 直説法
性数人称: 3人称・複数
語義: 「彼らは〜であった」、「彼らは〜にいた」
機能: 「ある者たちは〜であった」という過去の存在を示す。

συν
品詞: 前置詞(与格と共に使われる)
機能: 与格と共に使われ、「〜と共に」を表す。
語義: 「〜と共に」

τοῖς Ἰουδαίοις
τοῖς
品詞: 定冠詞
性数格: 男性・複数・与格
文法的機能: Ἰουδαίοις(ユダヤ人たち)を特定する。
語義: 「その」、「これらの」
Ἰουδαίοις
品詞: 名詞(固有名詞)
性数格: 男性・複数・与格
文法的機能: 与格で、前置詞 συν と共に「ユダヤ人たちと共に」という意味を示す。
語義: 「ユダヤ人たち」

οἱ
品詞: 定冠詞
性数格: 男性・複数・主格
文法的機能: οἱ μέν の対照に対応する「他の者たち」を示し、特定の集団を指す。
語義: 「彼ら」

δέ
品詞: 接続詞
機能: 対比を示し、文を対照的な要素として繋げる。「しかし」、「一方で」というニュアンスを持つ。
語義: 「しかし」、「一方で」

συν
品詞: 前置詞(与格と共に使われる)
機能: 与格と共に使われ、「〜と共に」を表す。
語義: 「〜と共に」
τοῖς ἀποστόλοις

τοῖς
品詞: 定冠詞
性数格: 男性・複数・与格
文法的機能: ἀποστόλοις(使徒たち)を特定する。
語義: 「その」、「これらの」

ἀποστόλοις
品詞: 名詞(固有名詞)
性数格: 男性・複数・与格
文法的機能: 与格で、前置詞 συν と共に「使徒たちと共に」という意味を示す。
語義: 「使徒たち」

文構造:
οἱ μέν と οἱ δέ が対比的に使用され、2つの異なる集団を区別している。
οἱ μέν は「ある者たち」を指し、συν τοῖς Ἰουδαίοις(ユダヤ人たちと共に)と結びつき、οἱ δέ は「他の者たち」を指し、συν τοῖς ἀποστόλοις(使徒たちと共に)と結びつく。


9.4.3. δεの用法
原文:λεγουσιν αὐτῷ ... ὁ δὲ λέγει αὐτοῖς Πόσους ἄρτους ἔχετε
訳:彼らは彼に言う ... しかし彼は彼らに言う、「あなたたちはパンをいくつ持っているか?」

品詞分析:
1. λεγουσιν (λέγω)
原型: λέγω(言う)
時制: 現在形
態: 能動態
人称: 三人称複数
意味: 彼らは言う

2. αὐτῷ (αὐτός)
原型: αὐτός(彼、彼女、それ)
格: 与格
性・数: 男性単数
意味: 彼に

3. ὁ (ὁ)
原型: ὁ(定冠詞)
性・数・格: 男性単数主格
意味: その、彼

4. δὲ (δὲ)
品詞: 接続詞
意味: しかし、一方

5. λέγει (λέγω)
原型: λέγω(言う)
時制: 現在形
態: 能動態
人称: 三人称単数
意味: 彼は言う

6. αὐτοῖς (αὐτός)
原型: αὐτός(彼ら)
格: 与格
性・数: 男性複数
意味: 彼らに

7. Πόσους (πόσος)
原型: πόσος(いくつの、どれだけの)
性・数・格: 男性複数対格
意味: いくつの

8. ἄρτους (ἄρτος)
原型: ἄρτος(パン)
性・数・格: 男性複数対格
意味: パンを

9. ἔχετε (ἔχω)
原型: ἔχω(持つ)
時制: 現在形
態: 能動態
人称: 二人称複数
意味: あなたたちは持っている
全体の解説:
この文は、ギリシャ語の現在形で書かれており、現在進行中の行為を示しています。接続詞「δὲ」は対比を示し、話の流れを転換します。「πόσους ἄρτους ἔχετε」という質問文は、いくつのパンを持っているかを尋ねる形になっています。

9.4.4 καὶの用法
原文:κύριος ἐστιν ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου καὶ τοῦ σαββάτου.

訳:人の子は安息日の主でもある。

品詞分析:
1. κύριος (κύριος)
原型: κύριος(主、主人)
性・数・格: 男性単数主格
意味: 主

2. ἐστιν (εἰμί)
原型: εἰμί(〜である)
時制: 現在形
態: 自動詞
人称: 三人称単数
意味: 〜である

3. ὁ (ὁ)
原型: ὁ(定冠詞)
性・数・格: 男性単数主格
意味: その

4. υἱὸς (υἱός)
原型: υἱός(息子)
性・数・格: 男性単数主格
意味: 息子

5. τοῦ (ὁ)
原型: ὁ(定冠詞)
性・数・格: 男性単数属格
意味: 〜の

6. ἀνθρώπου (ἄνθρωπος)
原型: ἄνθρωπος(人間)
性・数・格: 男性単数属格
意味: 人間の

7. καὶ (καί)
品詞: 接続詞
意味: そして

8. τοῦ (ὁ)
原型: ὁ(定冠詞)
性・数・格: 中性単数属格
意味: 〜の

9. σαββάτου (σάββατον)
原型: σάββατον(安息日)
性・数・格: 中性単数属格
意味: 安息日の
全体の解説:
この文は「人の子」(ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου)が「安息日の主」(κύριος τοῦ σαββάτου)であることを宣言しています。特に「主」(κύριος)という言葉は、イエス・キリストを指して使われることが多く、新約聖書において神性を示唆するものです。「ἐστιν」は動詞で、「〜である」という意味であり、現在形です。この文全体は、イエス・キリストが安息日を支配する権威を持っていることを強調しています。

原文:ἠρξάτο ὁ Ἰησοῦς ποιεῖν τε καὶ διδάσκειν.
訳:イエスは行うことと教えることを始めた。

品詞分析:
1. ἠρξάτο (ἄρχομαι)
原型: ἄρχομαι(始める)
時制: アオリスト形
態: 中動態
人称: 三人称単数
意味: 彼は始めた

2. ὁ (ὁ)
原型: ὁ(定冠詞)
性・数・格: 男性単数主格
意味: その

3. Ἰησοῦς (Ἰησοῦς)
原型: Ἰησοῦς(イエス)
性・数・格: 男性単数主格
意味: イエス

4. ποιεῖν (ποιέω)
原型: ποιέω(行う、作る)
不定詞: 現在形
意味: 行うこと
5. τε (τε)
品詞: 接続詞
意味: そして

6. καὶ (καί)
品詞: 接続詞
意味: そして、また

7. διδάσκειν (διδάσκω)
原型: διδάσκω(教える)
不定詞: 現在形
意味: 教えること

全体の解説:
この文は、イエスが「行うこと」(ποιεῖν)と「教えること」(διδάσκειν)を始めたことを述べています。「ἠρξάτο」は、アオリスト形であり、特定の過去の瞬間に始まった行為を示しています。「τε」と「καὶ」は両方とも「そして」という意味で、行うことと教えることが並列的に述べられています。この文は、イエスの活動が始まったことを示しており、彼の教えや行いが重要な意味を持つことを強調しています。


Q:「τε」と「καὶ」の違いは?

A:「τε」と「καὶ」は、いずれも古代ギリシャ語で「そして」や「といった」意味を持つ接続詞ですが、使用される文脈やニュアンスに違いがあります。

「τε」

  • 意味: 「と」「そして」「も」などの意味を持ち、通常は2つ以上の要素を列挙する際に使用されます。

  • 使用例:

    • 主に文中で並列の要素を結ぶ場合に使われる。

    • 例: 「Ἰησοῦς τε καὶ Μαρθά」(イエスとマルタ)

「καὶ」

  • 意味: 同じく「と」「そして」を意味し、より広範な文脈で使われる接続詞です。

  • 使用例:

    • 一般的に、文中の要素を結ぶのに使用され、名詞、動詞、形容詞、句などのあらゆる要素を結ぶことができます。

    • 例: 「Ἰησοῦς καὶ Μαρθά」(イエスとマルタ)

違いのまとめ

  • **「τε」**はより特定的で、通常は並列の要素を示す際に使われることが多い。

  • **「καὶ」**はより一般的に使われ、文の流れの中で要素を結ぶのに広く使われます。

使用の例

  • 「Ἰησοῦς τε καὶ Πέτρος」:イエスとペテロ(並列関係を強調)

  • 「Ἰησοῦς καὶ Πέτρος ἦλθον」:イエスとペテロは来た(単純に二人を結ぶ)

このように、「τε」と「καὶ」は似たような意味を持ちながらも、使用される文脈やニュアンスが異なるため、それぞれの使い方に注意が必要です。


練習問題 9.4
1. πολλοι ἐπιστευσαν, οἱ γαρ μαθηται εὐηγγελιζοντο.
2. ὁ μεν θεος έπεμψεν τους προφητας, τυφλος δε ὁ λαος.
3. ὁ θεος φιλει και τους πονηρους;
4. ὁ Ἰωσηφ λεγει αὐτῳ, ὁ δε οὐκ ἀκουσει.
5. οἱ μεν προσερχονται προς με, οἱ δε ὑπαγουσιν εἰς τον οἶκον αὐτου.

  • 1. πολλοί ἐπιστεύσαν, οἱ γὰρ μαθηταί εὐηγγελίζοντο.

  • : 多くの人々が信じた、なぜなら弟子たちは福音を宣べ伝えていたからである。

  • 品詞分析:

    • πολλοί: 形容詞、男性・複数・主格。「多くの」

    • ἐπιστεύσαν: 動詞、アオリスト・三人称・複数・能動態。「信じた」

    • οἱ: 冠詞、男性・複数・主格。「その」

    • γὰρ: 接続詞。「なぜなら」

    • μαθηταί: 名詞、男性・複数・主格。「弟子たち」

    • εὐηγγελίζοντο: 動詞、未完了過去・三人称・複数・能動態。「福音を宣べ伝えていた」

2. ὁ μὲν θεὸς ἔπεμψεν τοὺς προφήτας, τυφλὸς δὲ ὁ λαός。

  • : 一方では神が預言者たちを送ったが、他方では民は盲目であった。

  • 品詞分析:

    • : 冠詞、男性・単数・主格。「その」

    • μὲν: 接続詞。「一方では」

    • θεὸς: 名詞、男性・単数・主格。「神」

    • ἔπεμψεν: 動詞、アオリスト・三人称・単数・能動態。「送った」

    • τοὺς: 冠詞、男性・複数・対格。「その」

    • προφήτας: 名詞、男性・複数・対格。「預言者たち」

    • τυφλὸς: 形容詞、男性・単数・主格。「盲目の」

    • δὲ: 接続詞。「しかし」

    • : 冠詞、男性・単数・主格。「その」

    • λαός: 名詞、男性・単数・主格。「民」

3. ὁ θεὸς φιλεῖ καὶ τοὺς πονηρούς;

  • : 神は悪人たちをも愛しているのか?

  • 品詞分析:

    • : 冠詞、男性・単数・主格。「その」

    • θεὸς: 名詞、男性・単数・主格。「神」

    • φιλεῖ: 動詞、現在形・三人称・単数・能動態。「愛している」

    • καὶ: 接続詞。「および」「も」

    • τοὺς: 冠詞、男性・複数・対格。「その」

    • πονηρούς: 形容詞、男性・複数・対格。「悪人たち」

4. ὁ Ἰωσήφ λέγει αὐτῷ, ὁ δὲ οὐκ ἀκούσει。

  • : ヨセフは彼に言うが、彼は聞かない。

  • 品詞分析:

    • : 冠詞、男性・単数・主格。「その」

    • Ἰωσήφ: 名詞、男性・単数・主格。「ヨセフ」

    • λέγει: 動詞、現在形・三人称・単数・能動態。「言う」

    • αὐτῷ: 代名詞、男性・単数・与格。「彼に」

    • : 冠詞、男性・単数・主格。「その」

    • δὲ: 接続詞。「しかし」

    • οὐκ: 副詞。「ない」

    • ἀκούσει: 動詞、アオリスト・三人称・単数・能動態。「聞かない」

5. οἱ μὲν προσέρχονται πρὸς μέ, οἱ δὲ ὑπάγουσιν εἰς τὸν οἶκον αὐτοῦ。

  • : 一方では彼らは私のところに来るが、他方では彼らは彼の家に行く。

  • 品詞分析:

    • οἱ: 冠詞、男性・複数・主格。「その」

    • μὲν: 接続詞。「一方では」

    • προσέρχονται: 動詞、現在形・三人称・複数・能動態。「来る」

    • πρὸς: 前置詞。「に向かって」

    • μέ: 代名詞、一人称単数・対格。「私に」

    • οἱ: 冠詞、男性・複数・主格。「その」

    • δὲ: 接続詞。「しかし」

    • ὑπάγουσιν: 動詞、現在形・三人称・複数・能動態。「行く」

    • εἰς: 前置詞。「に」

    • τὸν: 冠詞、男性・単数・対格。「その」

    • οἶκον: 名詞、男性・単数・対格。「家」

    • αὐτοῦ: 代名詞、男性・単数・属格。「彼の」


6. 「それ故に、私たちは、主を求めるだろう」をギリシャ語に

ギリシャ語訳

διὰ τοῦτο ἐρωτήσομεν τὸν κύριον.

品詞分析

  1. διὰ

    • 品詞: 前置詞

    • 意味: 「〜のために」、「〜によって」

    • 用法: 原則的に属格を取る。

  2. τοῦτο

    • 品詞: 指示代名詞

    • 意味: 「これ」、「これを」

    • 性数格: 中性・単数・対格。

  3. ἐρωτήσομεν

    • 品詞: 動詞

    • 時制: 未来形

    • 人称: 一人称・複数

    • : 能動態

    • 意味: 「私たちは求めるだろう」、「私たちは尋ねるだろう」

    • 語根: ἐρωτάω(尋ねる)

  4. τὸν

    • 品詞: 冠詞

    • 性数格: 男性・単数・対格。

    • 意味: 「その」

  5. κύριον

    • 品詞: 名詞

    • 性数格: 男性・単数・対格。

    • 意味: 「主」、「主人」


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