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余裕のある人の話

今日は、長男が私と公園に行きたいと言ってきたので、久しぶりに休日の公園へ2人で遊びに行くことにした。

出発してしばらくすると小雨が降ってきた。
雨は少しずつ強くなり、このまま公園で遊ぶには厳しいと判断し、高架下に避難した。

スマホアプリの雨雲レーダーによると、15分も待てば雨は収まりそうだった。だとすれば、長男がノリノリで外出したのに帰宅するのはもったいない。

長男と二人、通り過ぎるバスや車を眺めながら、しばらく高架下で雨が上がるのを待つことにした。

「バスー、くるまー、タクシー」

次々とやってくる乗り物たちを指さしながら、楽しそうに語っている。

雨の降り方が幾分マシになってきた頃、五十メートルほど先から青年が歩いてやってきた。駅に向かうのかなと思いながら、私は、ぼんやりとその青年の歩みを見ていた。

すると、私の二歩先で青年は立ち止まり、私にビニール傘を手渡してきたのだ。

「どうぞ、使ってください。」

「え、あ、ありがとうございます!」

驚いた。
驚き過ぎて、気の利いたお礼の言葉を言うことができず、あたふたしてしまった。

青年は踵を返して、やってきた方へ戻っていった。

どこからやってきたのだろうか。
まだ、雨は少し降っているので、青年の行く先を見守っていた。すると、近くの駐車場に入っていった。

どうやら彼は、私たちが雨宿りをしている様子を車から見かけ、近くに車を止め、わざわざ傘を渡しにやってきたのだ。

「ほう。」

私は思わず感心のため息をもらした。

おそらく彼は、余裕のある人なのだ。

気持ち、時間、お金の余裕。もちろんこれ以外にも要素はあるとは思うが、最低限、これらが揃っていないと出来ない行動だと思った。

今回は、今日、私がいただいた見知らぬ青年からの温かい行動から、余裕のある人の行動を垣間見た出来事を紹介しました。

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