忘れていく生き物の話
先日、こちらのネット上オンライン記事が目に留まった。
子ども3人いる女性が一番不幸「産むほど幸福度が下がる」育児のリアル
私には3人の子どもがいるので、思わず前のめりになった。
記事の概要は、「子どもを望んだは良いものの、その数に比例して女性の生活全般の満足度が下がる。その要因はお金と夫婦関係にある。」というものだ。
わからない部分もないではないが、内容がちょっと雑で乱暴過ぎるのではないかと感じた。
ではまず、子どもがいない夫婦の生活は表1や2のように本当に幸せなのであろうか。
生活満足度の内容が曖昧過ぎて全く中身が見えてこず、このような大雑把なデータではお話にならない。読んだ時間を返してほしいくらいだ。
次に、記事後半の要因についてなのだが、ここは一部賛同できる。
実際、子どもの数が増えると、お金も時間も必要になる。
夫婦の子どもなので、お金も時間も夫婦でやりくりすることが必要になってくる。
確かに夫婦の問題であるとも思う。
しかし、妻の負担が大きくなるその背景には、夫の長時間労働や女性の社会進出が途上であることが影響しており、夫婦関係と片付けるのは少々乱暴に思えた。
そして、最終的に、「なぜ産めば産むほど幸福度が下がってしまうのか」という育児のリアルが全くリアルでなく、何の回答も得られなかったので自分で考えることにした。
私の答え。それは、「環境への慣れ」である。
例えば、テストで30点しか取れなかった人が、初めて100点を取ったとき。初めて美味しいと思える食べ物に出会ったとき。初めて給与が振り込まれたとき。初めて出産したとき。
それらの感動は忘れられないものになったのではないだろうか。
しかし、人間という生き物は、良くも悪くもだんだんと環境に慣れていき、次第に感度が落ちてくる。
そして、初めてのあの感動をついつい忘れてしまうのだ。
今回のお話は、取り上げた記事の内容から、幸福感の低下の本質について考えてみました。自分自身も目の前にある幸せに鈍感になっている場合がよくあるので、気をつけたいです。みなさんはどう感じましたか?