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【読書日記】8/30 エミリ・ディキンスン期到来中。「まぶしい庭へ」
まぶしい庭へ
エミリー・ディキンスン (著),ターシャ・テューダー (絵),カレン・アッカーマン (編),ないとう りえこ (訳)
メディアファクトリー
夏が終わります。
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朝が、めっきり おだやかになりました
木の実は色づいています
ベリーの実は ふくらんで、
バラの花は 町から消えて行きました。
カエデは はでな色のスカーフをまといます
原っぱは 真っ赤な服を着ています
わたしひとり立ち遅れないように
胸に なにか色を 飾りましょう
最近、再びエミリー・ディキンスンの詩をよく読んでいます。
「詩歌探偵フラヌール」でディキンスンの詩が魅力的にとりあげられているのを読んで、また詩集を手に取るようになりました。
すると「エミリ・ディキンスン家のネズミ」という本に出会い、ついでに原書の方も手に入れて。やっぱり詩も原語で読みたいなあ、と無謀なことも考えているこの頃です。
さて、本書は、我が家のディキンスン本のうちの一冊。
ディキンスンの季節をテーマに選んだ22編の詩とターシャ・テューダーの挿絵。
大好きな詩人の世界を大好きな画家の絵で描かれている、なんと贅沢な絵本でしょう。
エミリやターシャと違い、私は日々を俗世で過ごしています。
しかし、ほんの時折。
松原の木蔭で潮騒を聞きながら海を眺めているとき
静まり返った朝の冷たい空気の金木犀の香りに包まれたとき
ふと訪れる短い時間だけれどもこの世界を限りなく美しく愛おしい、と感じるときがあります。
そのときの気持ちを思い起こさせてくれる詩と絵の世界なのです。
神は、小さいリンドウの花を創った
リンドウは バラの花になりたがった。
けれど、なりきれず、夏のものどもが あざ笑った
けれど、雪が来る前に、
リンドウの紫の花は 立ち上がった
丘じゅうを ただ うっとりさせて。
夏のものどもは 顔をかくして
あざけりは 静かになった
リンドウの花が開くのには、雲が、
紫の色が深まるのには、北風の
作用が必要であったのね。
ああ、神さま、わたし、花咲きますか?
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