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【読書日記R6】8/5 樹喜記(樹と出会う喜びを記す)読書編
昨日、大きな樹の記事を書きました。本当は読書記録とからめて書きたかったのですが、うまくまとまらず樹の写真だけ先に投稿してしまいました。
というわけで、今日は読書編です
「人はかつて樹だった」長田弘 みすず書房
長田弘さんの「大切なことだけが書かれている詩集です」、と帯に記載してある通りで、どこをご紹介したものか迷います。
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たとえば「森のなかの出来事」
「大きな樹の後ろに隠れているもの」は長田さんは「すごくきれいな沈黙」「みどりいろの微笑」「音のない音楽」などとあげていき「いまでも子どものきみ」が隠れているという
私が樹の下にいるのが好きなのは、その樹が隠しているものに逢いたいからなのかもしれません。
「森のなかの出来事」 長田 弘
森の大きな樹の後ろには、
過ぎた年月が隠れている。
日の光と雨の滴でできた
一日が永遠のように隠れている。
森を抜けてきた風が、
大きな樹の老いた幹のまわりを
一廻りして、また駆けだしていった。
どんな惨劇だろうと、
森のなかでは、すべては
さりげない出来事なのだ。
森の大きな樹の後ろには、
すごくきれいな沈黙が隠れている。
みどりいろの微笑が隠れている。
音のない音楽が隠れている。
ことばのない物語が隠れている。
きみはもう子どもではない。
しかし、大きな樹の後ろには、
いまでも子どものきみが隠れている。
ノスリが一羽、音もなく舞い降りてくる。
大きな樹が枝の先にとまって、
ずっと、じっと、遠くの一点を見つめている。
森の大きな樹の後ろには、
影を深くする忘却が隠れている。
そして、「草が語ったこと」を読むと、何もできずに不甲斐ない一日だったと思う時も「何もしないでいたこと」を許してもよいと思えてきます。
ただそれきりの一日を、
いつからひとは、慌ただしく
過ごすしかできなくなったのか?
タンポポが囁いた。ひとは、
何もしないでいることができない。
この詩集「人はかつて樹だった」は、フェリシモさんの「1000人希望者が集まれば復刊」という企画に参加して私の手元に来ました。
ゆっくりとページをめくっていると、大きな樹の下にいるときと同じような穏やかで命が満ちてくる気持ちになれる詩集です
「くすのきだんち」シリーズ
武鹿悦子/作 末崎茂樹/絵 ひかりのくに株式会社
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野原に立つ大きなくすのきに沢山の動物たちが住み着き、もぐらの管理人さんのもと、助け合って暮らしています。
春夏秋冬 春夏秋冬
穏やかに 賑やかに季節が巡っていきます。
家庭の事情は様々で町内会もマンション管理組合も実際にはぎすぎすすることも多いですが、こんな風に共同体を築いていければいいのにな、と憧れます。
「おおきなきがほしい」
佐藤さとる 文 村上勉 絵 偕成社
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「ぼく、おおきな 木が ほしいなあ。」
男の子が、大きな樹にツリーハウスを作って、中であんなこと、こんなことをしよう、と楽しく空想する話。
りすや小鳥も住んでいるし、上には、遠くまでみえる見晴らし台もある・・・。
そういえば、私も似たようなこと考えていたな、と懐かしくなります。
見返しページも楽しいです。
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毎日の酷暑に地球環境のことを憂えない日はありません。
どうしたらよいのか、何をしたらよいのか、問題が大きすぎて手に余ります。
ただ、樹を草をそこにある命を美しいと思い、愛おしむことを知れば、それを守ろうと思うのは自ずから湧き出る気持ちなのではないか、そんなことも考えています。