【読書日記】1/25 仕事人としてかくありたい。「はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー/バートン」
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー(世界傑作絵本シリーズ アメリカの絵本)
ばーじにあ・りー・ばーとん (ぶんとえ),いしい ももこ (やく)
朝起きると、雪が積もっていました。
少し時間を遅らせましたが、凍っている道を避けつつ車をそろりそろりとおっかなびっくり走らせて出勤しました。
あちこちで被害もでているようで心配ですが、今回のような大雪や夏の台風の時の社会の日常への回復力の目覚ましさにはいつも敬服しています。
電気、ガス、水道のようなライフライン、医療・福祉・教育などの機関、電車・バスなどの交通網、新聞、ラジオ、TVなどのメディアなどで働く人々が非常事態に対処しながら出来る限りそれぞれの役割を全うしようとしている姿に頭が下がるのです。
こんな日に読みたい絵本は、やっぱり「けいてぃー」。
ケイティーは、キャタピラつきの赤いトラクター。夏はブルドーザー、冬は除雪車として働いています。
ジェオポリスの町に大雪が降った日。
『みちは とおれなくなり くるまははしれなくなり
がっこうや おみせや こうじょうは おやすみになりました』
都市機能が麻痺して、だれもうごけないとき、ケイティ―はただひとり、力強く動いていました。
そして、町の人たちが口々に「たのみます!」と声をかけます。それに対してケイティ―は「よろしい。わたしについていらっしゃい」と雪を力強くかきのけて進みます。
このケイティーに助け出されるジェオポリスの町の人々も素敵。
たとえばケイティーに助けを求める警察署長さんは、「まちをまもるのです。われわれがそとにでられるようにしてください」と頼むのです。
自分たちが自分たちの役割を果たすことができるように、力を貸してください、ということ。
それは、町の他の人たちも同じ。ケイティ―に助けられたら、すぐに活動を開始して、町は、また、平和な日常を取り戻していきます。
真っ白に雪に覆われた町が、真っ赤なケイティ―が動いていくことで色を取り戻していくさまが素敵です。
ケイティ―は、縦横無尽の大活躍、くたびれても「しごとをとちゅうでやめたりなんかけっしてしません・・・やめるものですか。」
そして、町の機能をすっかり回復させて「だいじなしごとをぜんぶすませてはじめてうちへかえりました。」
このケイティ―の力強さ、たのもしさと、イラストの除雪機部分がハートっぽく見えるかわいらしさ、惚れ惚れします。
働き者で実力も申し分なく、責任感があって頼り甲斐がある。
私も 仕事人として、かくありたい、そう思うのです。