【雑記R6】6/10 時の記念日・タイムマシンにのった話
※投稿はずれ込んでしまいましたが、6月10日の時の記念日にあわせて書いた記事です。
中学生になったさるちゃんに、朝読書に持っていく本何がいいかな?と問われて張り切って自分の中高生時代の本をあれこれみつくろっておりました。
そんな本の一冊にはさまれていた一枚のはがき。
日付は平成元年8月2日。
十五歳の私宛の母方の祖父母からでした。
祖父の手による絵が添えられ、裏面には宛先と文章が書かれています。
この年の4月から消費税が導入されたので、40円の葉書に1円の切手が貼られていました。
文面はこんな感じ。ちなみに祖父母からの手紙は、絵は祖父ですが、文は祖母でした。祖母は下書きだけして達筆の祖父に清書させてたらしいです。
「お人形の○○チャン(私の名由来の愛称)がこんな格好で茶箪笥の前でお座りしておじいちゃんおばあちゃんを楽しませてくれています。
先日、3日間植木屋さんが庭をきれいに刈って薬をまいたせいか、蚊が出なくなり、蚊取り線香が必要なくなってしまいました。
昨日は目黒のお不動さんに行ってきましたが、縁日屋台の多いのにたまげました。広い境内に植木屋か八百屋までいっぱいです。
お好み焼き、たこ焼き、衣料品(老人向きカナ)
貴女ならキット大喜びするでしょう。連れて行ってあげたいものです。
では また。」
ところどころカタカナが混じるのも懐かしい。
祖父母の声が聞こえ、祖父母の家の匂いがするようで、まるでタイムマシンに乗ったように一気にあの時の自分が戻ってきました。
わたし、本当に愛されていたのですね。
今更ながらですが、ありがとう、おじいちゃん、おばあちゃん。もっといっぱいお話しておけばよかったな。
6月10日、時の記念日は、天智天皇の時代に日本で初めて「時計」が用いられたことに由来して時間の大切さを考える記念日とされているようです。
同時に、時の流れで刻一刻と変わるもの、しかしその激流の中で変わらないものもある、そんなことにも思いを馳せる日でもあります。
そんな時の流れを自由に行き来する「タイムマシン」。
物語ではおなじみですが、現実になる日が果たしてくるのか、また、仮に現実になったところで過去や未来に自分が行きたいかよく分かりませんが、少なくとも一枚のハガキは私にとってのタイムマシンとなりました。
そして、今、私の子供たちがこの葉書を受け取った頃の私と同じくらいの年頃なんだな、と思うと不思議でなりません。
この葉書がはさまっていた本は立原えりかさんの「月と星の首飾り」でした
「あなたのために わたしは来た」
「泥の仮面」に蹂躙されていく美しい「花とみつの島」を救うためのさらの戦いと泥の仮面を打ち破った「愛の魔法」。
「千と四百六十日ものあいだわたしが生きてきたのはあの若者のためだった」と少女の一途に相手を恋うる気持ちをまっすぐに描く物語。
そんな物語に胸を熱くしていた十代の私を思い出しながら、ときめき成分を欲しがるお年頃のさるちゃんも喜ぶかな、とお勧め本に加えてみることにしました。
本もまた、タイムマシンの一種といえるのかもしれません。