【読書日記】4/21 行ってみたいな本の街。『世界のかわいい本の街』
世界のかわいい本の街
アレックス・ジョンソン 著 井上舞 訳 エクスナレッジ 出版
アスコーナ、ベシュレル、ベルプラット、ボルビー、バウラル・・・。
これらの地名を見て、どこの国のどんな町かすぐにわかる人はすごい!と尊敬します。私は本書で初めて知りました。
これらの町は、すべて「本の街」です。「新刊書店や古書店、出版社、印刷業者が集まり、それぞれの魅力を活かした本の楽園」が「本の街」。
国際本の街協会(the International Organization of Book Towns)という国際機関もあるのだとか。
本書は、世界各地の「本の街」のガイドブックです。
あまり他所の国の読書事情は知らなかったのですが、世界中に本好きがいるのだなあ、と嬉しくなります。
アイスランドの街「セルフォス」には「ヨーラボーカフロース」という「クリスマスの本の洪水」が起きるそうです。アイスランドの人は世界随一の読書好きなのだとか。
ノルウェーの「リリプットハンメル」は、子どものための本の街。大人は立ち入り禁止の図書館もあり、「短いお話」や「動物」などの分類法を採用しているので返却場所が同じとは限らないため、夜になると専用ドローンを飛ばして本の場所を確認するのだとか。
ブラジルの「ブエノスアイレス」は住民一人当たりの書店数は世界一。
インドの「ブヒラー」は、いちご生産の盛んな村として知られていましたが、村のあちこちで本を借りることのできる図書館の村になりました。その目的のひとつは、マラーティー語の活性化にあることだそうで、多言語の国ならでは。
魅力的なエピソードばかりで、旅したい気持ちでいっぱいになります。もちろん、神保町や本の街の草分けヘイ・オン・ワイや、本の行商人の街モンテレッジョも取り上げられています。
私は「本」を大切にするということは、言葉とそれによって形成される文化に敬意をはらうということ、そして本を読むということは他者の思いをくみ取り尊重する、すなわち平和を尊ぶということだと思っています。
先日、本屋さんの無い自治体が26%を超えたというニュースを重く受け止めましたが、特に子供たちが本に気軽に親しめる場を確保してあげたいなあ、と切に願います。
4月23日は世界本の日、サンジョルディの日。本好きには嬉しい時期です。
我が家に「本を楽しみ愛おしむ」をテーマのコーナーを作ってみました。本書はそのうちの一冊です。