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シンデレラ-ゲームカタ○グ@Wiki ~名作からクソゲーまで~

ジャンル 童話
対応機種 絵本
メディア 紙
発売元 ブティック社
発売日 2014年5月16日
定価 400円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
配信 Kindle
   【Amazon】2014年5月16日 350円
判定 賛否両論


ストーリー

意地悪な継母にいじめられているシンデレラはお城で開かれた舞踏会に出るために、自分の手でドレスを作っていた。
しかし継母はドレスを破り捨て、家で掃除をしているようにシンデレラに命じる。
泣き崩れるシンデレラの元に魔法使いが現れ、シンデレラを舞踏会に連れて行ってくれると申し出てくれた。

概要

シャルル・ペローの童話。

魔法使いの魔法の力を借り、シンデレラが王子の心を射止めるまでを追体験できる。

特徴

  • 童話は全体として3パートに分かれ、それぞれのパートでジャンルが大きく変わる。

    • 前半パートはアドベンチャーゲームとなっており、屋敷の中を探索して魔法使いが指定するアイテムを集めることになる。

    • 中盤パートはリズムゲームであり、舞踏会で流れる曲に合わせてボタンを押すことで王子とダンスを踊る。

    • 終盤パートはアクションゲームとなっており、12時の鐘に間に合うように素早く自宅に帰らなければならない。

  • 当時としては美麗なグラフィック

    • 特にシンデレラの3Dモデルは非常に気合が入っており、「気立てがよく綺麗だが不幸な娘」をよく表現できている。

      • このモデル、終盤パートでカメラワークを変更することでスカートを覗くことができ、このためにCEROがBになっている。

  • 魔法使いの魔法はどれも演出が美しく、ゲームへの没入感を高めてくれる。

長所

  • 気合の入ったリズムゲーム

    • リズムゲームの楽曲は実に全12曲。1ミニゲームとしては破格であり、システムもアーケードの音ゲー並みに気合が入っている。

    • ノーツに合わせて4つのボタンを押すだけのシンプルなルールだが、途中に挟まるハプニングや継母の妨害にリズムを崩さず対応する必要があり、飽きの来ないゲーム展開を楽しめる。

  • 万人受けするレベルデザイン

    • ただエンディングを見るだけなら難易度は非常に低く、魔法使いのアシスト*1も合わさってゲームオーバーになることはまずない。

    • しかしSランククリアーを目指そうとすれば非常に歯ごたえがあるゲームとなり、「宿儺かぼちゃで馬車を作る」「最高難易度の楽曲をクリア」「11時までに帰宅」など、様々な難関が待ち受ける。

  • 豊富な隠し要素

    • 魔女が要求するアイテムは「トカゲ」「ネズミ」「カボチャ」の3つだが、要求されていないアイテムを渡すことができ、それに対するリアクションも豊富に用意されている。

      • リアクションは「本気で注意する」「ノリツッコミする」などパターンが豊富。特に「ハムスター」を渡した時のパロディは必見。

        • あまりに某作品に寄せすぎていたからか、リメイク版では残念ながらカットされてしまった。

    • アクションパートでは道中のオブジェクトを蹴り飛ばすことで様々なエフェクトが発生する。

      • これらは「マジカル図鑑」に記録され、図鑑をコンプリートすると特殊な衣装が解禁される(ただしバグによりコンプリートは困難)。

賛否両論点

  • お使い気味のアドベンチャーパート

    • アドベンチャーパートではアイテムを集めるためにあちらに行ってはこちらに行って、を要求され、非常に手間がかかる。

    • ただしシンデレラの家のグラフィックはなかなか手が込んでおり、「同じ場所を行き来させられている」という感覚はあまりない。

短所

  • あまりにご都合主義のストーリー

    • このゲームの批判点ほぼ全て。とにかく世界の全てがシンデレラのために存在している。

    • ドレスが破られれば魔法使いがやってくる*2、帰りの時間が来ればガラスの靴を落とし、しかもそれを拾われるなど枚挙に暇がない。

    • 極めつけがラストシーンであり、なんとシンデレラと同じ足の大きさの人間が国に一人もいない。よほど大きいのか小さいのか、シンデレラは今後さぞ靴屋で苦労することだろう。

  • バグが多いアクションパート

    • 壁抜けできる場所がとてつもなく多く、通常プレイでもかなりの頻度で裏世界に到達してしまう。デバッグ不足と言わざるを得ない。

      • タイムアタックではこのバグを利用すれば10時20分に帰宅することも可能である。もはや何を焦っていたのかすらわからない。

    • 壁抜けの他にも物理演算が暴走してガラスの靴が宙を舞う、10足以上のガラスの靴が落とされる、王子が突然痙攣するなどまともにプレイできるとは言い難い。

総評

根強いファンは多いのだが、童話黎明期ならではのご都合主義は批判されることも多く、評価ははっきりと分かれる。
バグは多いがペロー特有の魅力に溢れており、この作品の流れを汲んだ童話も多い。

余談

  • 後にディズニーの手によりリメイクされており、様々な要素が追加されている。

  • 当時のゲーム雑誌ではリズムゲームパートのスコアアタックが大流行しており、特に「ゲーメスト」辺りは「シンデレラ専門雑誌」などと言われるほどだった。

  • 「コモドドラゴンの従者」のデザインが「ハヤテのごとく!」の「綾崎ハヤテ」に酷似しているとして問題視されたことがあり、リメイク版では大きくデザインが変更されている。



*1 特定のアイテムを所持しているとミスをした時に時間が巻き戻る。

*2 一応「清らかな心を持っていればいつか報われる」という伏線は用意されている。

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