【海外MBA受験】#1 概要
この記事と引き続く記事において、MBA受験について私の経験を記載していこうと思います。
以下の順で記載する予定です。
#1 概要
#2 受験校選定/学校選定
#3 IELTS対策
#4 GMAT対策
#5 出願書類
#6 インタビュー
今回はMBA受験の概要です。
1. 受験概要
MBA受験とは、「海外のビジネススクールを受験する」ことです。まず、MBA受験と日本の大学受験は明らかに異なります。日本の大学受験は基本的には学力試験による点数勝負ですが、MBA受験は様々な要素が絡みます。
そして、一番大切なことは、海外MBA受験は「平等な試験ではない」ということです。そんなことはもちろんスクールは言わないですが、スクールも一つの企業であり自身の利益になるような学生を入れたがります。そのため、我々受験生はそうしたスクールの意向に沿うようなプロファイルを見せる必要があります。とはいっても、見せられるプロファイルには限りがあり、以下がMBA受験の構成要素となります。この中で以下に自身が他の受験生とは異なり、スクールに貢献できる学生であるかを見せる必要があります。
意識すべきことは3つです。
・各要素は配点が決まっているわけではなく、総合的な審査項目に過ぎない
MBA受験審査においては(ほぼMustに近い確信度で)各種の出願資料が総合的に判断されており、それぞれの項目はその用途が異なります。例えば、英語の運用能力を見るTOEFLやIELTSは足切りラインにすぎません。つまり、各スクールの基準点(例えばTOEFL100点など)を超えるスコアを持っていれば十分だということです。TOEFLの基準点が100点の学校ですでに103点を持っていれば、それを105点にするために他の項目の準備を怠るのは賢明でない選択となります。そもそもNativeはTOEFLやIELTSは免除されているため、non-Nativeがあくまでもスタートラインに立ってよいか否か判断するような項目となります。
・上記の構成要素を基に自身の受験戦略を立てる
備考に「変更不可」と書いてあるものは、今から頑張っても変えられないものです。例えば、大学の成績(以下GPA)はどうあがいても変えることはできません。もしGPAが低ければ過去の自分を恨むしかできません。しかし、見せ方や他の要素で悪く見せないことは可能です。例えば「見せ方」でいくと、出願書類で自身のGPAが低かった原因をポジティブに書くことです。「大学の勉強よりも海外でのインターン経験を優先した」など、自身が学習面以上に頑張ったことを記載することが一案です。また、学力試験であるGMATやGREで高スコアを取ることも逆転の一手です。この学歴やGMAT/GREもどちらかというと足切り要素として使われているためです。スクールは学習内容についていける基礎学力があるか、をみているだけですので直近の自身の学力を示すGMAT/GREで点数をしっかりとれていればさほど問題はないようです。
・社費生は有利であるが、油断は禁物である
ビジネススクールにとって社費生はその後のキャリアと学費を保障してくれる存在であるため私費生よりも圧倒的に有利です(ビジネススクールにとって重要なMBAランキングは卒業後の就職率を考慮するため)。そのため、社費生は私費生と比較して一定のAdvantageを持っています。私のスクールではほぼ毎年名だたる大企業から学生を採用しており、ほぼ「指定席」となっています。他のスクールも同様の傾向があると聞きます。スクール側にとってもそうした日本の大手企業とのコネクションが築けることはfavorであるでしょう。しかし、社費生の場合でも、他の社費生と差別化を図ることは非常に重要です。そうした大手企業は国内においては金融、商社、コンサルが多く、受験生の中では差別化がやや難しいと思われます。そのため、社費生の場合でも自身にどのようなCompetitive Advantageがあるのか、他社と差別化することは非常に重要です。
2. スケジュール
MBA受験は1年以上に渡る長期プロジェクトであることを認識し、スケジュール設定を行う必要があります。ターゲットとなる出願時期は通常以下の通りとなります。
「1stラウンド」というのは、第1次募集という意味で各スクールが翌年の学生を最初に選考する期間となります。1stラウンドが終了した後、2nd、3rdラウンドと各スクールは募集定員に達するまで募集を行います。
一般的には早いラウンドで出願した方が有利となります。スクールは様々なバックグラウンドの学生を求めており、遅いラウンドで出願するとテストスコアなどが優秀であっても同じバックグラウンドの受験生を既に早いラウンドで採用している場合は合格しないことがあります。そのため、(各校の募集時期によりますが)できる限り1stラウンドに間に合う9月までに出願準備を終えておく必要があります。
私の事例は以下の通りとなります。一般的には「TOEFL/IELTSが3月まで、GMATが6月までに完了させ、出願書類に2か月かけて9月の1stラウンドに間に合うようにする」というのがセオリーのようです。しかし、TOEFLが得意な人、GMATが得意な人など色々いることから一概には言えません。一方で5月頃から各校の説明会が盛んになってくることで出願準備が忙しくなってくることを考慮すると、テストスコアを早くそろえることに越したことはありません。
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