2019年4月 桜前線と時代の変わり目で
春夏秋冬亀成園便りの4作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。
【亀成園便りここから】山笑うという表現そのままに、暗いめの緑であった飯高の山々も、ピンクをのぞかせるようになりました。寒い日もあったおかげで入学シーズンにも桜が残り、幸先の良いスタートになりそうです。
飯高町に来てから山菜の恵みを受けることも多くなりました。上を向いて花を眺め、ふと下を見てノビルを見つけたり、フキのにおいを感じたり。つくしも拾い始めると止まらないので、天ぷらの他、つくしご飯にして卵とじにして。めまぐるしく変わる時代の最中ですが、未来への財産ともいえる残された自然を感じて、昔からの食の楽しみを再開拓し続けていきたいなと思い、毎日草探しに励んでいます。
亀成園ではこの春も無事にヒヨコの誕生を迎えることができました。母鶏の役目は小さな烏骨鶏に担ってもらって、大きな赤玉卵を孵したのでどうなることかと心配しておりましたが。三週間しっかり温めてもらって、七羽のひなが生まれてくれました。
大きな鶏舎の中で、小さなふわふわのヒヨコたちの声が響きます。初めの数日は母鶏のそばを離れなかったヒヨコたちですが、すぐに囲いを脱走して探検に出てしまうので、管理の難しさを感じます。それでも元気に育ってくれているのが一番の喜びですね。近頃は午後に鶏たちを放し飼いにして自由に草をつついてもらうことも多いです。そのうちヒヨコたちも仲間いりかな。
放し飼いの効果もあってか、季節柄なのか、卵の味も春の香りです。寒い時期の濃い味とはまた違った楽しみがありますね。
【お便りここまで】
3年前の亀成園では自家繁殖や放し飼いを頑張っていました。今は事情合ってどちらもストップしているのですが、この時の幸せな感じを思い出すことができます。写真が大きめなお便りだったので文字数は少なめですが、ヒヨコと山菜と里山の自然風景。ずっとつながっています。