ウズベキスタン旅記録 #4:猫とチャイハナ
2019年に訪問したウズベキスタンの旅行記です。
#3はこちら:イチャン・カラを歩く
昼食後ホテルへ戻る道すがら、かわいい子猫に出会った。これまでにも猫はたくさん見かけたが、ウズベキスタンで子猫を見たのははじめてだった。
かわいさに思わず目を奪われていたところ、民家の軒先でお茶をしていた一人のおじさんに声をかけられた。
おじさんは猫たちの飼い主らしく、そしてお茶をご馳走してくれるらしい。
一人旅のため最初は警戒したものの、ノーマネー! と力強く連呼するし、軒先で人通りもあるところだったので、ありがたくご馳走になることにした。
ウズベキスタンの軒先には、「チャイハナ」と呼ばれるオープンカフェのようなスペースが時折設けられている。ここのチャイハナは寝転がれる程の大きさがあり、鮮やかな絨毯が敷かれていた。
おじさんは自宅のチャイハナで昼食後の一服中だったようで、お茶どころかごはんまでご馳走してくれた。
いただいたのは、チキンの煮物とヒヴァのノン、キャベツの漬物、ドライフルーツやフルーツのコンポートなど。
キャベツの漬物はピリ辛で、「ワサビ!」と紹介してくれた。辛いという意味で使っているのか、本当にワサビと呼ばれる料理なのだろうか。
味はどちらかというとキムチに近く、大陸の繋がりをほんのりと感じた。
おじさんはこのチャイハナで、夜は寝転がって星空を眺めるらしい。
なんて素敵な場所なんだろうか。羨ましすぎる。
しばらく和んでいると、今度はメロンまで切り始めるおじさん。
見知らぬ通りすがりに対し、もてなしがすごい。
このメロンがみずみずしく極甘で、とっても美味しかった。
一方で猫たちはというと、おじさんから与えられた鶏の骨(煮込みの残り)をバリバリと夢中で食べていた。そんなもの食べられるの??
ご馳走になってしまった後は、家の外階段を登り屋上を案内してもらった。
おじさんの話す英語は単語がメインでかなり断片的だったが、聞き間違いでなければ将来ここでホテルを開く計画らしい。
そのためか、柵も取り付け中の状態だった。
せっかくなので記念撮影をしてもらった。
後ろに見えるはカルタ・ミノル。
柵がない分、見晴らしがよい。
たくさんご馳走になってしまったのに、帰り際には袋にお菓子をつめてお土産として渡してくれた。
ドライフルーツとクッキー、そしてキャンディー。
どこまでも優しすぎる。ラフマット!
ありがとうおじさん、お元気で。
ほくほくした気持ちでホテルに戻り、起きたばかりの出来事を反芻した。旅先で出会う人たちとの交流は楽しい。
「あのチキンの煮物、美味しかったなぁ」と思った時に、前日におじさんの家の前で見た、繋がれたニワトリのことをふと思い出した。
私は君を食べてしまったようだ!
つづく
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