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『D坂の殺人事件』背景を感じたくて

『D坂の殺人事件』を読んだ週末に
作品の雰囲気を味わいたくなって
千駄木の団子坂へ行った。


作品の『D坂』は、
この団子坂と言われている。


けっこうな傾斜の坂だった。


団子坂の由来には
この坂沿いに団子屋さんがあったとか、
転ぶと団子のように転げ落ちるとか、
泥の坂道だったことから
歩くだけで泥だらけになり泥団子のようになったとか、
色々あるそうだが


今ではアスファルトで舗装され、
車の往来も多く、
作品のイメージとは
なんか違う。


そう思った時
きれいな夕日が落ちてきて
空が濃いオレンジ色に染まり


急に作品にでてくる喫茶店、
その向かいの古本屋、
アスファルトで蓋をされた
当時の様子が浮かんでくるような気がした。


『私』が得意げに
自分の推理をたずさえて
明智小五郎の家に向かう様子が
見えるよう。


本の背景を辿って
散歩してみるのも
粋だよなとわたしは思う。

#江戸川乱歩

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