#選択の代償 第24話
おはようございます、#選択の代償、私、亀川がお送りしております。
さて、新会社が動きだして一気に問題が吐出しました。『光ショック』からは始まり、会計処理のエラーなど、全くの不可抗力における事態です。
最初の光ショックによって、驚くほどのブランドと信用度の下降が始まり、親会社も含め孫会社と見られている新会社も大変な事態に追い込まれます。実際、この飛ばし・寝かしの実態は、HIT SHOP運営会社であった親会社はしっかりやっていたみたいです。その結果、各キャリアへ販促金で受け取ったインセンティブの返還を迫られたようです。そして、業績とは別に急激な資金不足に襲われます。
そして、この新会社は、あの4,000万円の紹介手数料に加え、新たに源泉税が、上乗せされました。そして、前述の影響で、この海外ライセンスの支払分が親会社からこの新会社への貸付金処理をされてしまします。つまり3億円+源泉税の大きな負債を抱えることとなります。ここまでわずか、2か月です。あっという間に借KING(借金王)です。自分は単純に役員報酬貰っただけでしたが。
さて、そんな中、親会社との定例会(御前会議のような報告会)では、月次の事業状況の説明でした。子会社3社の社長が招集され、親会社の赤木社長以下役員の前で、月次の報告をするのです。私以外の2社は、元々事業そのものを既に始めていたようで、実績0ではなかったようです。これまでの事業を広げるために、この親会社からの追加出資を受けた形でした。しかし、エイペックスジャパンは、肝入りの新規事業・新会社です。その責任者となるとかなりのプレッシャーだったことは確かです。月次の定例会の後に、居残りのごとく必ず連れ回される私は、まさに針の筵(むしろ)のようでした。5月、6月、7月と3か月間、アナログ制作部門以外の実績がなかなか上がらない中、この大阪繁華街のみなみ引き回しの際には、必ず1軒分はこちら側で公費処理することになります。普通の金額であればいいのですが・・・かなりの金額立替をしたと思います。
そして、5月下旬からいよいよ、資金調達が始まりました。脇下常務の指示で、様々な金融機関等へ訪問し、毎回2時間以上の打ち合わせにて、それが1日2~3社、多い時で4社回ります。その合間をぬって営業のあいさつ回りで、アナログ制作部門のお客様に訪問しました。
この頃、最初の社内での失策が起きます。ある朝、間口氏が、突然社長室に入って来て「すいません!申し訳ございません」というのです。事情を聴くと、印刷物として納品するものが昨夜遅く上がって、現物を確認したら誤植が発覚し、約5000部近い分厚いカタログがNGとなったとの事、その誤植の発生経緯と原因を朝までかかってかくにんしたとの事。
私は、正直『やはりか!』と思いました。それは、かつてIT機器のプリンター関連の仕事をしていた際に、商業印刷の企業とのコンタクトがあり、ある程度は業界知識・経験もあったので、自社内でありながらその業務・作業過程においては少々疑問を持っていたことも確かだった。結果、約600万円ほどの損金が発生しました。
と同時に、この報告を受けた直後、直ぐに銀座のクラインとの担当者へ謝罪に行くアレンジを頼み、間口氏と一緒に謝りにいきましたね。担当の方は、苦笑いしてましたが皮肉を言われることなく1週間の納期延長を承諾してくれました。
また、これとは別にCF撮影の現場への挨拶という事で、日活スタジオの現場に行き、ブルガリアヨーグルトのCF撮影現場を見学し、担当課長へ深々と御礼を言うと「どうも、わざわざすいませんね。ところでこれ良かったら、お持ちください」と色紙を渡されました。そこには、読売巨人軍の原辰徳氏のサインと当時の妻への名前入りのものを受け取ったのを覚えてます。当時、妻は舞い上がって喜んでした。これは、間口氏が私との普段の会話の中で妻の事を気遣って、事前にお願いしていたようでした。
そんな状況で刻一刻と時間は過ぎていきます。そういえば、MAIAへの4,000万円はどうしたかって?そう、それは5月末に早々にむしり取られるような形で支払いましたよ。光ショックもあったので、早く払ってほしいと催促までされましたね。ただ、この後、間口氏から先に話した衝撃の事実を聞くことになりました。
それは、彼ら4人は一旦会社都合で退職して、この会社に転籍する形だったのですが、この会社都合都とは、MAIAの清算処理で、彼らは1円も退職金を受け取らず、移籍させられた形だったんです。加えて間口氏はMAIAで役員であったために、会社の借入の返済を他1名の役員とともに、その返済を自分の給与から支払っているとの事でした。
これには、私も唖然でした。MAIAの元木社長の本性を見た気がしたのはそれからさらに数か月後、結婚して四谷の新居に住んでいるとの話でした。これは親会社の結婚式出席者から聞いたので間違いないと思いますが、ここまで、どうでしょう?まあ、いい加減というか、ヒトって、こんなに信頼できないというか、蓋を開けてみてその結果に呆然でしたね。『お金には色はないが、投資には恣意的思惑が・・』を改めて痛感するとともに、少なからず自分にはそんな真似はできないと思いましたね。
この続きはまた次回、お聞き逃しなく!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?