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小説家になった方法

はじめまして。 溝口智子と申すものです。2016年に小説家デビューしました。

小学3年生のころから物語をつくる人になるという夢を持っていて、数十年後に叶えました。 私が夢のためになにをしてきたのか、書き残しておこうと思います。

①訓練

物語をものするためには、空想しているだけではダメだということは小学生にもわかったので様々な訓練を行いました。

1、読書 2、作文 3、オタ活

1の読書。 これは文章上手になるには必須だということもありますが、ただ単に好きだったので読んでいたにすぎません。ですが、使える言葉の幅は読書をあまりしない同級生と比べたら広かったのは確かです。

2の作文。 文章を書くことを嫌がらないこと。読書感想文も読んだ人が面白いと思えるものを書く。教師受けが悪くても、クラスメイトが笑ってくれたら百点満点。

3のオタ活。 とにかく没頭して、それ以外のことは考えられないというほど好きなものができると、妄想力が鍛えられる。私にとってそれは乙女ゲームでした。

何百回と繰り返すと受け身のコンテンツではなく、頭の中にその世界が立体的に立ち上がる経験ができるのです。それこそが物語の端緒。

②計画立案

「小説家になりたい!」と思っているだけでは、もちろんなれません。

しかし、やみくもに自作小説を書き続けてプロになれるのは才能がキラキラしく頭上に輝いている人だけ。                  私は凡人なので、綿密な計画を立てました。

〇いつまでに作家になるのか 

〇どうやって作家になるのか 

〇どんな物の作家になるのか

3点をはっきりさせることにしました。

〇いつまでに  →60歳までにプロになれなかったら、自費出版してでも作家になる

〇どうやって  →公募の文学賞に応募する、それ以外、不器用でコミュ障な私にはムリ

〇どんな  →60歳を上限にした為、夢をあきらめなくてはならない期限をはるか先に設定でき、絶望する必要がなくなりました。

公募なんて山ほどあって、アンテナを張っておけば挑戦し放題です。

どんなものを書こうがプロになれればいいという意地汚さもどんなものでも書いて練習するための起爆剤になります。

③日々の訓練

飛びぬけた才能がない私には、勉強が必須。師を求めました。小説を書くための最初の教科書は                 

久美沙織 著『新人賞の獲り方おしえます』

講義、課題発表、回答例という構成で、全10回行われた小説講座を網羅しています。 課題と回答例の間に改ページがあるので、自分も挑戦することができます。400字詰め原稿用紙、15分という縛りあり。 この本は何度読み、何度課題に挑戦したかわかりません。 新人賞に初めて応募する人には必ず役に立ちます。 ただ、残念なことに、絶版だそうですが。

上記の練習で短文は驚くほど上達しました(自分のなかではね)。ですが、そこから長文を書くことができません。 私は教えてもらわないとなにもできない次女タイプ。 先達の教えが必要です。

そこで見つけたのが『映画脚本塾』というチラシでした。 映画脚本を書くためのプロットを勉強する場です。

講師は福岡在住のプロ脚本家、花野純子氏。              

プロットを書き、塾生で読み合わせ、全員が講評をしていくスタイル。 他人に読んでもらい、どう読まれるのか、どう解釈されるのかがわかったのは、自分の欠点をいち早く知るために大切な経験でした。 血肉として今も私を支えてくれています。

④公募に応募

とにかく書く! とにかく応募! 落ちようがどうしようが関係ねえ!  すべては私の肥やしになるんだ。 無駄な時間も、無駄な作品もない。

『公募ガイド』という雑誌は愛読書。

『登竜門』というサイトはマイホーム。

いつも心に原稿用紙。 いつもカバンにメモ用紙。 

毎日毎日、公募のための原稿作成。 公募に応募するというのは、本当に大切なことだと思います。人の目に触れると思って書く文章は、「おもしろい」を追求していくことにつながります。 最近だと、小説投稿サイトが山のようにあります。 そこで人に読んでもらうことも、もちろん良質の肥やしになりますとも。

⑤限界を決めない

自分にはこれしか書けない、これしか書きたくないという信念があっても、とりあえず、なんでも書いて、なんでも応募する。 これは④とも通じるところですが、いろんなジャンルの本を読めば、いろんな考えを知ることができるように、いろんなジャンルの物語をかけば、いろんな技法を身に付けられます。 ちなみに、私が最初に佳作に引っかかったのは、絵本の原作です。 絵本作家を目指していたわけではありません。 ですがこのことで「賞をもらえたということは自分は間違った方向に進んでいないんだ」という安心材料を得ることができました。

そこから少しずつ少しずつ自分らしさってなにかを探っていき、自分が書くべきものを見つけられるようになりました。それは、必ずしも書きたいものと一致しません。

ですが、いいんです。とりあえずプロになれば。プロアマ問わずの賞なんて、いくらでもあるんです。 プロになってから挑戦すればいいんです。 プロになってから書きたいジャンルの公募に、どんどん応募すればいいんです。(プロになれば、コネもできますしね)

そして60歳になっても好きなジャンルの本を出版できていなければ自費出版しよう。 それが、限界を決めないということ。 同じことを繰り返しているようでも、登っているのは螺旋階段。 少しずつ視界は高くなっている。そのことに気付ければ、めっけもん。

螺旋階段をぐるぐる登って、私は今日も、書き続けています。

#創作大賞2023 #エッセイ部門

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溝口智子
執筆に必要な設備費にさせていただきたいです。