芝衛門狸様と中座解体中のガス爆発
2002年道頓堀中座の解体工事中にガス爆発火災がおこり、法善寺横丁を類焼するに至りました。
私は、みなみですが、あまりみなみ界隈にはでかけません。
ふと思い出したのが、芝居小屋として繁盛していた時代、中座の舞台の奈落に奉られていた、芝衛門狸様です。解体工事中のガス爆発は、芝衛門狸様の祟りだと噂されたものです。
私が演劇の仕事をしていた時、一度だけ香川登志緒先生に取材する機会があり、中座の喫茶店で、さねとうあきら作「うめこが二人」の批評を伺うことができました。思い出の場所です。
中座は芝居小屋としての歴史を終えて、飲食店の入るビルになりました。4階に芝衛門狸の祠が設けられ、一階入り口には、大きな狸の人形が置かれていました。しかし、芝衛門狸は、あまり話題にはならず、写真も検索しても見つかりません。
その後、くいだおれが閉店し、有名なくいだおれ太郎が、この中座ビルに引っ越してきます。
可愛いけど面白味のない芝衛門狸人形は、ビルのシンボルとしては消え去ったようです。
しかし祟りなす芝衛門狸です。
その生まれ故郷である、淡路島の伝統演芸の木偶(でく)として新たな命を吹き込まれ、ビルのなかに奉られているということです。
現在の芝衛門狸の木偶御神体。