最古層の信仰…漂着するエビス
海の信仰。漂着する神々。
那智の大滝。wikiより。
那智の滝を修行場として開山したのは、なんと仁徳帝の時代、インド僧裸形上人によるとされます。彼は、おそらく、招かれて来日したのではないでしょう。何らかのアクシデントで、漂着したインド人でしょう。
日本は、たくさんの海流に囲まれた、島国です。当然、いろんな人も物も漂着する。溺死体も。それらは、えびす、とよばれて、信仰の対象になる。
えびす様といえば、ヒルコかコトシロヌシとされます。コトシロヌシは、国譲り神話で、出雲の支配を譲渡することに合意して、入水して死にます。ドザエモンです。しかし、言霊の神として宮中でも崇拝されます。
もっと不思議なのが、国産み神話でいの一番に産まれたのに、障がい者だと流しすてられる、ヒルコです。
ヒルコがなにを意味するのか。
日本人の深層のトラウマなのか、隠れた英雄なのか。
漂着から生まれる、豊かで多彩な信仰を見失ってはいけない。
那智信仰の開山、裸形上人のことは、ほとんどわかりません。四世紀に日本で仏教修行を、一人で行ったインド人。
漂着への畏敬。えびす信仰は、水死体からはじまる。熊野本宮の起源も、大雨で流されてくる風葬の遺体が集まる中洲を聖地としたことからはじまる。
私の街には、京で退治された、ヌエのむくろが流れ着いた淀川の岸として、ヌエの祠がある。大阪港の紋章にもなった、たのもしい妖怪である。
我々の祖先は、漂着する異国びとに、寛容だったのか。どちらとも、言えないかしら。
#ヒルコ 、#ヌエ、#那智の滝
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