【普通の人生に迷った人に】信号のない道を行けない大人たち
信号機のない道でなかなか渡れない人がいる。
安全の確認は十分にした。でも理由はそれだけではない。
はるか彼方にある車を眺めて、その中にいる人間の顔色を窺って、卑屈に身を屈めて、彼が止まってくれることをどこかで期待している。
本当はさっさと渡った方はお互いのためであるのに。
年を重ねれば重ねるほど決断力は鈍り、また次があるから、また明日があるからという思考に陥る。
やがて思考は行動になり、彼は自分でも気がつかないうちに怠惰の権化になっていく。
あるとき彼の人生にとってとても大