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一番良かった旅先次点 - アイスランド 後編

前回の続編です。前回はアイスランドの概要について述べましたが、今回はその中でどのようなラーニングジャーニーができたのか書いていきます。前回と合わせて、どうぞお付き合いください。


世界で唯一大地溝帯が見られるシンクヴェトリル国立公園

地理用語が色々出てきます。私も復習しながら記載していますが、間違いがあればご指摘いただけるとありがたいです。
見出しにも記載していますが、アイスランドのシンクヴェトリル国立公園は「世界で唯一大地溝帯が見られる場所」なのです。まさに唯一無二。

大西洋の深海底には「中央海嶺(かいれい)」と呼ばれる火山でできた長大な山脈がある。そして地球上で1カ所だけ、中央海嶺が陸に上がった場所がある。大西洋の北端にあるアイスランド共和国である。
~中略~
 中央海嶺が海面上に現れたのには理由がある。アイスランドの地下であまりにも大量のマグマが出たため、ついに島となったのである。

出典: 鎌田浩毅の役に立つ地学

海嶺、とはプレート運動により地底が逆方向に引っ張られ拡大し、その拡大した部分にできた割れ目に火山活動によりマグマが噴き出し、盛り上がった海底山脈のことです。その海嶺が地上で見られるのが大地溝帯でして、これはアイスランドでしか見られません。なおかつ、現在も拡大を続けています。

シンクヴェトリル国立公園は、大地溝帯の上に位置し、今もアイスランド語で「ギャオ」と呼ばれる割れ目が点在し、その割れ目は拡大を続けています。限界を超すと、そこから噴火が発生するわけです。

ギャオ

プレートテクトニクスや山脈形成のメカニズム、地震発生等理科・地理・地学分野で学んだことの現場が全てここにあります。
単純に景観として美しいだけでなく、壮大な社会見学の場でもあるのですね。

大地溝帯の分断部分がトレイルになっていたりする

2023年2月18日放送の『ブラタモリ』 第229回「世界の絶景~世界の絶景はどうできた?~」でも取り上げられているようです。ここでしか同様の地形が見られないという意味では本当に唯一無二の場所ですし、基礎知識を持って訪れたからこそ楽しかったところです。

シンクヴェトリル国立公園は首都レイキャビークからもさほど遠くありません。デイトリップツアーも多数出ています。

ヴァトナヨークトル氷河の「氷の洞窟」

ヴァトナヨークトル氷河はアイスランド南部にある、欧州最大の氷河です。この氷河ツアーで私はすっかり「氷河」にハマってしまいました。行くことになったきっかけは、秋から冬にかけて自然形成される「氷の洞窟」の画像に度肝を抜かれたこと。

https://guidetoiceland.is/ja/nature-info/glaciers-in-iceland  より引用

氷の洞窟に行けるかどうかは、自然現象ですし天候・時期に左右されるので何とも言えませんが、私はとにかくこの氷河を歩いてみたくなりました。近くの集落、キルキュバイヤルクロイストゥルまで車でアクセスし、朝1で氷河ツアーに参加します。

氷の洞窟ポイントの近くまで進みます

結論としては、氷の洞窟だった場所は気温・天候の影響により崩落してしまっており入ることはできませんでした。しかしながら、はるかに続く氷の世界を進む体験は非常に印象的でした。

降水により崩落して溶けだしてしまった元・氷の洞窟

上記写真は氷の洞窟跡ですが、上部の氷の青さに片鱗がうかがえると思います。

ドアップの元・氷の洞窟

この透明度が奇跡的に連続性を保って残ると「氷の洞窟」になるのですね。

世界2位の地熱発電所 ヘトリスヘイジ発電所

火山国であるアイスランドは、世界有数に地熱資源に恵まれた国です。
そのアイスランドで最大規模の地熱発電所(世界でも2位の規模)なのはヘトリスヘイジ発電所。見学可能なので、行ってきました。

アホっぽいコメントですが外観がカッコいいです

同発電所の7つのタービンは全て日本製。実際に東芝や三菱重工製のタービンが稼働していました。

これは東芝製のタービン

発電所近くでは大量の湯気が上がっていましたが、これは掘削点から噴出するもの。2千メートル地下まで掘削された生産井からは大量の水蒸気と熱水が噴出され、それが発電タービンを回し続けています。

なおかつ発電に用いられた熱水は一般に利用される温水や、セントラルヒーティング用途として再利用されます。

熱水の再利用とパイプラインに関する展示

火山国、温泉国でもある日本ですが地熱発電は全体の1%にも満たないそうです。セントラルヒーティングへの転用も理屈ではできそうですが聞いたことがありません。冬場の路面凍結防止などに使えそうなのですけどね。

日本の重厚長大産業が誇る技術が遠い異国で活用されていることは誇らしいのですが、それが自国ではあまり日の目を見ることが無いのは少々寂しくもあります。

ここでの時間もまた、楽しい大人の社会見学でした。

アイスランドでの注意点

最後に、褒めてばっかりなのでここは注意しておきたい・・という我々の失敗ポイントをいくつか挙げて締めたいと思います。

ブルーラグーンは冬季寒い
その映えかたからよくメディアに取り上げられる温浴施設ブルーラグーン。はっきり言って寒いです。温水の温度が足りず、10分程度でほうほうの体であがりました。ここは、夏に行くと楽しいと思います。

我慢できないほど寒かったです

・冬季のドライブは要注意
4WDカーを指定していたのでなんとかなりましたが、一度豪快にスリップしました。降雪する時期は気を付けましょう。事故ったらシャレになりません。

はるか先の車のライトが見える

・完全キャッシュレスで行ける
私が訪れたのは2015年。気が付けばもう8年前ですが、その時ですら完全キャッシュレス。現金は一度も見ずに旅を終えられました。特に両替の必要はありません。大丈夫です。

この記事を読んで1人でも、アイスランドに行かれるきっかけになったという方がいらっしゃればとても嬉しいです。私も再訪したいと、ずっと思っています。
お付き合いいただきありがとうございました!

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