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2種類のAIエージェントを使い分けてビジネスを実現させる

※本記事は、所属に関係なく個人の意見としてまとめさせて頂きます。

この先、様々なサービスにAIエージェントの導入が検討されていくことになると思います。人とAIが会話するAIエージェントを既存サービスのどこに配置すればよいのか報告性が見えたので、まとめていきたいと思います。

AIエージェントの配置を間違えると無駄な投資や難易度が上がり、求めてるゴールから遠ざかってしまうこともあるかもしれません。

もちろん、汎用AIが完成したら、このような事をすべて実現出来ると思いますが、現時点での最適な活用方法を整理してみました。


2種類のAIエージェントが存在する

これまでのサービスは、UX視点で課題を見つけて解決をしてきました。AIエージェントも同様に課題を見つけ、機能を強化していく事を考えるシーンが多いと思います。

しかし、人とAIが会話することで得られる解決策が課題と合っているかどうか、見極めなければ、AIへの期待値だけ先行して、サービスの信頼が損なわれてしまうかもしれません。

そこでAIエージェントを2種類に分けてみると整理しやすかったので、まとめてみました。

2種類のAIエージェントの分類

1. 課題を解決する、「効率型AIエージェント」

1つ目は、既存のサービスを拡張して性能向上や自動化を目指すAIエージェントです。代表例としては、コールセンター業務などのオペレーション業務が挙げられます。
生成AIが登場することで、今まで敷居の高かった精度の高い自動化、人力作業のサポートを実現することができるようになりました。ここからAIエージェントの導入が進むと、人とAIが会話することで業務が成立し、オペレーターが業務を行わなくなる世界が待っています。

このように、人の業務を生成AIで効率化していく先に、AIエージェントによる完全自動化が訪れます。人的コストを如何に減らして省力化するかにAIエージェントが寄与していきます。

2. 課題を解決をしない「共存型AIエージェント」

2つ目は、人と共存してより良いサービスを提供してくれるAIエージェントです。例えば、LOVOTのように、人に癒やしを提供してくれたり、寄り添って支えてくれるシーンなどです。

直接課題を解決するはできませんが、人とコミュニケーションを取ることで心地よさを提供してくれたり、現在の状況を把握して、解決策を提案してくれたりもするでしょう。人が求める期待値は高くなりがちですが、AIと対話することでお互いに妥協点を見つけて、そこから、新しい価値が生まれてくるかもしれません。

このように、直接課題を解決できないが、間接的にビジネスに繋がっていくAIエージェントも我々の日常に入り込んでくるでしょう。

「効率型AIエージェント」の特徴

今あるタスクを生成AIで自動化して、精生成向上させているサービスも多いでしょう。直接KPIに関わる機能になるので、業務効率が大きく変わって来ていると思います。AIエージェント化することで、タスクの汎用性が高まってきます。

AIエージェントなので、人を理解して、寄り添う存在に仕上げたいと思う方も多いと思います。しかし、効率型のAIエージェントに会話を重視して、人間の内面に秘めているインサイトを探ろうとしても難しいかも知れません。

実装することはできるでしょうが、ある程度の会話の文脈から本来のタスク自動化をさらに強化した方がコストと時間を有効活用できそうです。

「共存型AIエージェント」の特徴

AIエージェントらしさでいえば、共存型のAIエージェントをイメージしやすいと思います。人と会話して、欲しい情報をくれたり、タスクを自動でやってくれるそんな存在です。

人の会話やAIとの共存を考えた場合、生成AIのアプローチだけでは、人とサービスを繋ぐことが難しいでしょう。そのため、HAIやサービスデザインといった手法を組み合わせて共存型AIエージェントを設計する必要が出てきます。

共存型は効率型と違い、課題を解決できない場合も多いと思います。
人に寄り添える分、何が欲しいのか、思考も読み取ることはできるでしょうが、効率型AIエージェントのようにタスクに特化したわけではありません。

お互いに理解しあい、コミュニケーションをすることに特化することで、AIと一緒にいたい、話したいという価値が深められると考えています。

ビジネスシーンでの活用方法

最後に実際のビジネスシーンでの活用例をまとめてみたいと思います。
今回は仕事探しの体験において、2種類のAIエージェントを使い分けて見ました。

バイト検索サービスにおけるAIエージェント活用例

効率型のAIエージェントはKPIを改善する

仕事探しでイメージするのは、実際に希望条件を入力して、自分に合った仕事を探すシーンです。効率型のAIエージェントがいれば、どんな仕事が向いているのか判断して、人材紹介における転職エージェントのような立ち振舞をしてくれることでしょう。

この場合、希望にマッチした仕事を提供できるかどうかが大事なポイントです。精度を向上させたAIエージェントを提供する必要が出てくるので、会話よりも案件精度の向上に力をいれると良さそうです。

このように、仕事探しの効率化を「効率型AIエージェント」が実現してくれます。仕事探しシーンであれば、KPIとなる応募数に直結する解決手段となりますので、費用対効果も把握しやすいと言えるでしょう。

共存型のAIエージェントはLTVを向上させる

一方で仕事探しシーンで「共存型のAIエージェント」を活用しようとするならば、仕事を探しているシーンの外側に目を向けると良いかも知れません。

例えば、仕事に就いている段階から、日頃の愚痴や日常のアドバイスをしてくれるサービスを提供します。ここに共存型のAIエージェントを介在させることで、ユーザーがどんな人物で、どんな思考、興味があるのか知ることが可能になります。

これは仕事を探しているシーンで取得することは難しいパーソナルデータでしょう。このようなデータを活用したいと考えるならば、サービスの外に目を向けて、KPIから少し離れてみることも必要かもしれません。

この場合、サービスとしては、再訪の機会を作っていることになるので、結果的にサービスのLTVが向上することに繋がるでしょう。

まとめ

AIエージェントという言葉を耳にすると、SF映画の影響も大きいでしょうが、人的作業を代替えしてくれる万能なAIをイメージがあります。

しかし、ビジネスシーンで実装しようとした場合、何でも出来る優秀なAIエージェントを開発しようとして、会話やサービス精度の向上にコストと時間を割いて、実現が遅れてしまうことも多くなりそうです。

そこで、どんなKPIをどうやって実現させるのか?
AIエージェント開発でも、ユーザー ✕ サービス ✕ AIの共存をうまく設計する必要が出てきそうです。


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