悪魔の戯言
私は、確かに、変わった信仰の残る村に生まれたさ。でも、だからって、それが、私がこの村で神と崇められているものを信仰する理由にはならない。ましてや、死ぬ理由になんて。そうだろう?私は間違っていないはずだ。
なのに、なんで、こんなことになっている?
目の前にはどこまでも広がる海。背後には叫ぶ民衆。
私は乾いた笑い声をあげた。
私は神を信じない悪魔だから、この命でもって、神に赦しを乞わねばならぬらしい。
はは、全くもって馬鹿げてる。
どうして、私が!
そう叫び出したい。逃げ出したい。しかし叶わない。私の足には重い足枷がはめられている。これを付けていては逃げられない。
生まれたのが、この村でさえなければ、私は死ななくて済んだのだろうか。
こんなふざけた運命を与えてくださりやがった神なんて、呪いこそすれ、信仰などできるわけがない。
神なんて、クソ喰らえだ。
おお、神よ!もしも本当にいるというのなら、次生まれる時は、二度とお前の名など聞くことのない人生を与えたまえ!
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