「自分が受け取った時も、綺麗な方が気持ちいい」
ある日の朝。
お局さんが
「ああ、今日は梱包の日ね。気が重いわあぁ…。」
そう、ため息混じりに独りごちて、
他のベテランさんも
「あああ、またこの日が来ちゃいましたか。」
だなんて応えてる。
え….もしかして今日って頑張らないとマズイ日!?
月イチでやってくる「重労働」!
月に一度、本部教室からマガジンを発行しています。
今日はその梱包作業の日。
送り先は支部教室です。
「さ!ささっとやっちゃいましょうか!」
お局さんが言うと、作業が始まりました!
わたし自身はこの作業へ初参加でしたので、右も左もわからず。
でも、冒頭でお局さんがあんなに嘆いていた。
その理由は見ているだけでも伝わってきました。
というのも、教室ごとに何冊か、どのパンフレットが必要か、など梱包内容が違うのです。
しかも!
送り先は1箇所や2箇所では収まらず、、、全国の何十もの支部へ送るのです。
それでもって、すべて、手作業で!
いよいよ、私もやってみることに…!
うろうろとしていましたが、見つかってしまい(?)笑
梱包をやってみることに!
マガジンを必要数だけ束ねて、パンフレットと共に包装紙に包むのですが、
こ、、、これは、、、!
とにかく!重いっ!!
しわしわになるウウウっっっっ!!!
なんだこのわからずやの包装紙はっ!?
マガジンの表紙もつるつる素材なので滑ってしまい上手くまとまってくれない!
しかし辺りを見回せば、、、
ご年配の方々もテキパキとこなしています。
私が包装軍とひたすら戦っていると、スっとお局さんが隣に来ました。
お局さんのすごさ。
「むずかしいよねえ〜。貸してごらん。」
朗らかに笑いながら救いの手が延べられ、
「こうやってね、ここをグッとやると。ホラ!
きれいでしょ〜♪」
私「すごい!シワがなくなった!」
局「ね♪こうするだけで気持ちいいよね〜♪
自分が受け取った時も、キレイな方が気持ちいいでしょ?♡」
私「ハイ!!!!!!!!!!!!(感動)」
いや〜。
参りましたね。
こう発せされたひと言で、お局さんが慕われている理由がわかった気がしたよね。
なにげない口調だったんだけど。
そうだよね。なんだって、相手があることを忘れないでいたいよね。
今のわたしたちってさ、ご飯をコンビニやスーパーで買うのは当たり前になっちゃって。
たった30年くらい前の昭和時代は、家でご飯は作られた。”生き物が食材に変わっていく”という工程を目の当たりにしてたんだよね。例えば魚が切り身になる。刺身になる。汁物になる。
そしてその煮炊きや調理をしている姿が目の前にあったんだよね。
だから、そういったことへの感謝を「いただきます」って言葉で表すことができた。
自分を生かしてくれる、目の前の全ての存在(=相手)に感謝の心を持てた。
だけど、いつしか中食(なかしょく。外で買ってきたものを家で食べること。)、
そして孤食(こしょく。ひとりきりで食べる。)なんて当然になって、「いただく」とか「生かされている」という感覚よりも「自分で買った」「自分のもの」という感覚が育っちゃった気がする。悪い意味で。
しかも食事って日々のことだから、思考が「自分で生きている」にどんどん傾いてっちゃうんだよね。
何が言いたいかって言うと、本当はなんでも、相手がいるんだよなってこと!!
お局さんの「自分が受け取った時も、綺麗な方が気持ちいい」のひと言で随分と思いに耽りました!
それにしてもスタッフさんみなさま、始まるまではあれだけ嫌がってた(?)作業なのに、
やるとなったらビシっとキメられるのもかっこいい!
すごく大切な何かを思い出させてもらえた気がした日でした。おしまい。