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【新型コロナ】テナント所有者と飲食店経営者に伝えたいこと

現在、新型コロナウイルスの影響により飲食店等が営業自粛をせざる得ない状況に陥っており、事業縮小や閉店に追いやられてしまうお店が増えております。日中、仕事で外を歩いていたら自粛休業や閉店の張り紙が貼ってあるお店をたくさん目にする状況にとても悲しい気持ちになりました。

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また、4月7日に発令された「緊急事態宣言」によって飲食店にとって更なる困難な状況になることが予測され、営業を続けてくことが難しくテナントを解約しなければならないお店が増々多くなってくるかと思います。
70%以上の飲食店が新型コロナウイルスによって売上に影響が出ているとのことです。

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そんな中、

・営業時間の短縮やテイクアウトなど営業方法のスタイルを変えてなんとかこの最悪な状況の乗り切ろうと頑張っている飲食店経営者さん
・自身の所有するテナントを解約してほしくないと考えているテナント所有者さん

にとって少しでも力になれたらと思い、提案書を作成しました。

現在の厳しい状況の中でテナントを借りられている飲食店経営者さんにとって毎月掛かる固定費の賃料は、大変悩まれる問題の1つであります。閉店せざる得ない要因にもなりかねません。

また、国土交通省も令和2年3月31日に不動産関連団体を通し、賃貸用ビル所有者に対し、賃料支払いの猶予に応じるなどの柔軟な対応の実施検討を依頼することを発表しております。


また現在の状況が続いた場合、多くの飲食店が閉店を余儀なくされるとテナント所有者さんにとっても大きな被害につながってしまうことも考えられます。
① 借りているテナントを解約することになり空室物件となってしまう
※空室になった場合、家賃収入がなくなり現在の状況が収まるまで次の入居者が決まるのも難しく可能性があります。

② 飲食店経営者さんが賃料を支払えず滞納となってしまう
※借主が支払えない場合、契約解除、明け渡し請求、差し押さえ、裁判手続き等の手続きの手間を取らなければならなくなります。

③ 飲食店経営者さんが賃料を滞納したまま夜逃げされてしまう
※夜逃げなんて滅多に起きないと思われるかと思いますが、飲食店の夜逃げは私も管理していた物件で何度か経験したことがあります。賃料の未収の回収や残置物の撤去など費用と手間がとても掛かります。

もちろんすべての飲食店が上記のケースに当てはまるわけではないですが、
この先の見えない現段階では、絶対に起きないとも言い切ることができません。


そういう状況を考えると空室や夜逃げ等の最悪の事態を防ぐという意味では、賃料を減額することがテナント所有者さんにとってもデメリットな物なだけではなく、先を見越して長期的に継続出来る関係性を飲食店経営者さんと結ぶということがメリットになるかと思います。

もちろんテナント所有者も今回の新型コロナウイルスによって大きな被害を受けている方がいるかと思います。
賃料を減額することによってテナント所有者も厳しい状況になってしまうと考えている方もいるかと思います。
厳しい状況ではあるかと思いますが、なんとか飲食店経営者さんと現在のお店の状況や今後について話し合ってどうにかお互いにとってより良い方法でこの困難な状況を乗り越えて頂きたいです。

飲食店経営者さんは賃料の減額のご相談を行う際に予めお店の状況(売上減の明確な物)、希望の減額方法を準備して、テナント所有者さんにいち早く現状を理解してもらえるよう万全な状態を整えておくと良いです。そうすることによってテナント所有者さんも対応しやすくなります。


飲食店経営者さんからテナント所有者さんに相談を持ち掛けるにあたって伝えるべきことをまとめましたので参考にしてください。

【テナント所有者に相談するにあたって伝えるべきこと】

減額交渉の明確な理由を伝える

① 新型コロナウイルスの影響により、売上が落ちており経営が困難な状況が続いていることを伝える。
※「売上何割減」など明確な数値を伝えられるよう予め準備しておくと良いと思います。

② お店を継続したいという意思を伝える。
 この非常事態の中、このままでは営業を継続していくことが非常に難しい。ただ何とかこの状況を乗り越えて継続的に当テナントで営業していきたいと思っていることを伝える。
※所有者に長期的な継続の希望がある意思をしっかり伝えましょう。
所有者さんもテナントが空室になって収益が無くなるより継続的に借りてもらえる方が良いと考えています。

③ 減額の希望を伝える
現在の状況からどのぐらい減額が必要かをしっかり伝えましょう。
減額方法の種類については、下記に記載しております。

また通常、賃料減額交渉は所有者さん又は、管理している不動産会社さんにアポイントを取った上で直接お会いして行うのが良いとされております。
しかし今回の現状では、濃厚接触を防ぐ為にも直接会って交渉することはおススメできないので、電話・手紙等でお伝えする方が良いかと思われます。

賃料の減額には、何パターンかありますのでご紹介致します。
お互いにとってどの減額方法が良いか話し合う際にご参考にしてください。

【減額方法の種類】

① 通常の賃料減額
・賃料の何パーセント(又は何円)の減額

② 期限付き賃料減額
・何ヶ月間限定の賃料何パーセント(又は何円)の減額

③ 期限付き賃料無償
・何ヶ月間限定で賃料を無償

④ 敷金・保証金の1部返還
・敷金(又は保証金)の何パーセントを返還

上記が主な減額方法になります。
実際に上記の減額方法で成立した例がいくつかあります。

【交渉成立の実例】
・2ヶ月間限定で賃料の30%減額(新宿区:飲食店)
※2カ月毎に状況を様子見て継続を協議する
・1ヶ月間限定で賃料を全額無償(品川区:飲食店)
※その後、状況を見て再協議(品川区:飲食店)
※・3ヶ月間限定で賃料を全額無償

飲食店経営者さんは、お店の経営状況を踏まえて予めどの種類であれば経営が継続できるかを考えてテナント所有者等に伝えるように準備しておきましょう。

賃料の減額が決まったら必ず書面で取り交わしを行ってください。
書面で残すことにより後々のトラブルを防ぐ為です。

覚書を作成したのでご使用下さい。

※PDFとなっておりますが、ご希望であればWordデータを差し上げますのでその際は、ご連絡下さい。


まだまだ厳しい状況が続いていき、先の見えない不安があるかと思います。

そんな状況だからこそお互いが歩み寄り、協力して良い関係性を保つことで現在の困難な状況も乗り越えられるお店も増えてくると信じております。
また、新型コロナウイルスの感染が収まった時には、以前よりもより良い関係性を築き上げることができると思います。
一つでも多くの飲食店が困難な状況を乗り越え経営を続けられることを心より願っております。


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