駄随①
台所の換気扇下、こと、私の喫煙所。
灰皿の脇にいつも妻が子供のテストや小学校で工作したものなどを置いてくれる。見て、とか、見なよ、とは言われない。数日経つとなくなっている。
普段、そんな喫煙所でスマホを眺めながら、母子の会話、ピアノの練習、教科書の音読、子供同士のケンカを耳にしている。
ある日、喫煙所で一服していると、小学4年の長男と小学2年の次男が、コーンスープは「飲む」「食べる」で言い争っていた。
長男は「飲む」次男は「食べる」。どっちがどっちというのはどうでもよく、『確かに。どっちだろ?』と思わされた。
今は一瞬で調べられる。すぐにGoogleで調べた。
結果は、国の言語やその概念による、という小学生に説明してもなかなか理解しきれなさそうなものだった。
両者ともに「お母さんがそう言った」と主張し矛先が母親に向くと、妻は「コーンスープ、要る?って言った。」と絶妙な逃げ。
そんなやりとりを反芻しながら通勤電車に乗ってふと思った。
結果その返事で良かったのかもしれない、と。言い争いで言うところの「勝敗」をつけず、其々に疑問を残せたな、と。
気になれば自分で調べればいい。今は一瞬で調べられるので。
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