自分用メモ「ノンフィクション」
今年も、ザ・ノンフィクション「シンデレラになりたくて」の季節がやってきた。自身の抱えた”負”を整形シンデレラオーディションに取り組むことで乗り越えようとする姿を映す。
自分はこのシリーズが大好きだ。ノンフィクション自体も必ず毎週見ていて、最も好きな番組の一つ。
2019では、フィーチャーされた女性皆に心を打たれたが、中でも学生時代からマスクをして過ごしていた女性に胸を打たれた。その女性は歯並びの悪さが嫌でそれを母親に言えず、仕事も常時マスクをつけられる歯科衛生士を選んだ。ぱっと見、スタイルが良くとても綺麗で、整形する必要なんてないじゃん、と思ってしまうくらい。ただそれは傍から他人が見た無責任な感想。
その女性の他にも、過去にひき逃げ事故に遭うも結婚し子育てしながら挑戦する女性、幼い頃に白血病にかかり地下アイドルとして活動する女性などが取り上げられていた。客観的に見ると(比べるのもひどい話だが)上記した女性たちのほうがドラマチックだと思う。
しかし自分は先に述べたマスクの女性に心動かされた。彼女はオーディション参加を機に始めて母親に自分の心情を吐露した。母親はインタビューで「歯並びが悪いことは認識していた。矯正してあげようとも考えたが、時間もお金も余裕がなかった。」といったコメントをしていた。その後、食事の様子など映るのだが、父親の存在がなく、その説明もないのが少し気になった。
彼女は、オーディションが進むにつれ自分でウォーキングの練習をし、とにかく勝つ気だった。密着のコメントでも自信や確信とは少し違う、勝つ、という強い気持ちが伝わってきた。少なくとも自分にはそう見えた。
そしてファイナルまで進んだ彼女。「母親にウォーキング姿を一度も見せていない」というナレーションで一気に涙腺が崩壊した。どうしてかわからない。自分が堂々とウォーキングするに相応しいところでだけ見せたい、という気概だったのか、そこをモチベーションに自身を鼓舞していたのか、泣きながら想像したが、もちろんそれは本人しか知りえないこと。
結局、彼女はグランプリには選ばれなかった。そしてファイナルの会場には母親しか来ていなかった。ファイナルで初めて見た娘のウォーキング。舞台裏で「悔しい」と破れた娘と抱き合う母親の表情が忘れられない。
彼女は確実に勝利した。
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