〈練習問題④〉重ねて重ねて重ねまくる
問一:語句の反復使用
一段落(三〇〇文字)の語りを執筆し、そのうちで名詞や動詞または形容詞を、少なくとも三回繰り返すこと(ただし目立つ語に限定し、助詞などの目立たない語は不可)
《岸部露伴は動かない》ドラマ版の『くしゃがら』をやりたくて、存在しない言葉をインターネット上の造語ジェネレターでリセマラして抽出した。ギリギリ存在しそうな名前を選んだので、作中での考察は実際に自分で考察したもの。料理ネタで行くこととオチは決めていたのですんなり書くことができたし、きれいに決まっていると自負している。
問二:構成上の反復
語りを短く(七〇〇〜二〇〇〇文字)執筆するが、そこではまず何か発言や行為があってから、そのあとそのエコーや繰り返しとして何らかの発言や行為を(おおむね別の文脈なり別の人なり別の規模で)出すこと。
やりたいのなら物語として完結させてもいいし、語りの断片でもいい。
新しい原稿を用意する時間が足りず、pixivに投稿している『暗黒神話故事成語』という故事成語をクトゥルフ神話解釈で語りなおす胡乱な作品シリーズの中から一つを改稿して提出。
御覧の通り元ネタは「杞憂」である。
講評覚書
問1
・謎単語はこの課題の最適解の一つ。
・きれいなオチ。ホラーともコメディとも取れ、想像力を働かされる。
・《ビゴロク》の音が良い。これを選んだ時点で勝ち。
問2
・複数あるオチが良い。課題の構造上の反復という観点からも複数のオチも反復として機能している。
・古典漢籍翻訳風の雰囲気が良い。中国古典の雰囲気の中でクトゥルフという強力な調味料で味変した後にムー大陸で更にツイストでオチるのが良い。
前回の課題は振るわなかったが、たくさんの好評のお言葉を頂けて嬉しかったです。
味変による文体のコントロール伸ばしたい。