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ドイツ少年サッカー、バイエルン州U14代表への第一歩。
地区代表対抗戦、その後
夏季休暇を利用して今年も日本に帰ることにしていました。
そのメールが届くまでは。。。
休暇に向けて準備を着々と進める7月初頭、バイエルン州サッカー協会からメールが届きました。その中身は次男個人に向けての内容であり、8月初頭のU14州代表候補34名で行われるキャンプに招聘されました、という内容でした。
東西南北対抗戦以来、待ちに待っていた知らせがこのタイミングで来るという持っていなさ。なぜなら私たちは家族で日本に帰国をする日程をすでに決めてしまっています。
そしてキャンプは割とその日程の真ん中に位置し、家族の都合や諸々考えるとチケットの変更など不可能だと考えていたからです。
残念だなあと思いつつ次男に伝えると、
「え、絶対いきたい!!それはいきたい!何とかならないかな〜!」
との答え。彼の性格上、ここまではっきり行きたがるのは珍しい。
そらそうだな、結果を楽しみにしてたしな、と思いつつパーソナルコーチもたまにやってもらっている元女子プロの友人に相談。
事情は理解しつつも今回の機会はできれば参加する方が彼のサッカー人生にとって大きな経験になる、出る方をお薦めするとのアドバイス。何なら次男だけ彼女の家に滞在してもいいから、とまで言ってもらう。
そうなると妻もその気に。私と次男だけ残して自分は長男と三男を連れて先に日本に帰るので、我々はキャンプの後日本に来ればいいのではと。
なんだか外堀から埋められているような圧迫感を感じつつ、まずは航空会社にチケット変更が可能かどうかを問い合わせます。
次男にまだツキがあったのか、今回は渡航費用の高騰によりいつも使っているヨーロッパの航空会社ではなくとあるアジアの航空会社でチケットを予約していました。
ヨーロッパの航空会社はチケットを格安で抑えると変更は不可です。その感覚で問い合わせたところ、50ユーロほどで変更できますが?との返答が帰ってきました。
ここからは話は早かったです。チケットを2人分変更し、次男と私はドイツに10日ほど余分に滞在することに。
私は帰国に向けて休暇をすでに申請していたのですが内容を変更してもらい、10日間ちょっと仕事をしながらシングルファーザーです。
ミュンヘンへ
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前回二時間半前に出たのに渋滞でギリギリ遅刻したので三時間前に家を出たら案外空いていて予定の30分前に着きました。
前回の対抗戦同様、ミュンヘンの体育学校で行われた今回の合宿には合計で34名の選手が招集されました。
次男の所属していた東バイエルンからは14名、決勝を戦った南バイエルンから11名。残りを分け合う形で西と北バイエルンから合わせて9名です。
さらに、次男の行きたがった理由の一つに、次男の所属するチームから東と北で合わせて7人がリストに名を連ねていたことがあると思います。
これは選抜の中でも最多であり、発表後チーム練習でコーチからも大変誇りに思うと言われ、父兄も盛り上がるキャンプになりました。
キャンプは3泊4日で朝昼二部練習。初日に送った時には見知った父兄がパラパラと練習を観覧していたのですが、話を聞くとどなたも休暇が合わず滞在はしないとのこと。私のように滞在している父兄は本当に数組だけでした。
私は近隣のホテルをとってのんびりと練習観覧です。
午前の練習は9時から11時半、午後は15時から17時半、その合間にサッカーのお勉強の時間があるとスケジュールには書いてありましたが、次男曰くそのような時間はなかったということでした。
初日の午前は顔合わせということもあり軽めの調整、そして午後からはいきなり3チームに分けての試合形式でした。
次男はボランチで参加。
若干の膝の痛みを訴えていたので、痛みがひどくなる前にトレーナーに相談すること、テーピングなどの処理を行うことを口が酸っぱくなるほど言い聞かせたのですが、そこは男子。案の定何のサポートもつけずにグラウンドに出てきます。
ひたすら戦い
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2日目以降になると目に見えて子供達の距離が近くなった感じがしました。みんなそれぞれ上手いのは当然なのですが、絶対的に自信のある武器を持った子が多い印象を受けました。例えば、
1、体のサイズ
13歳ですが180センチはゆうにある選手もザラにいますし、170センチで普通という感じでした。体の大きさを優位に使う戦い方を知っているなという印象を受けました。
2、スピード
小学生高学年から中学生にかけては体の出来具合で当然筋肉量、骨格の強さも変わりますので出せるスピードが違ってきます。その中でも動き出しの速い子やスピードに乗ると誰も追いつけない子など、速い子はレベルが違いました。
3、テクニック
足回りの上手い子、というだけでなく、プレッシャーや動きの中でどう技術を使えるか、この子上手いな〜という交わし方や受け方をする子もいました。
4、経験・判断力
この段階に選ばれている子達の中には当然アカデミー出身の子もいますし、厳しい環境の中で切磋琢磨してきたであろう子達は自分の判断にブレがなかったですし、無駄なプレーが少ない、いわゆるサッカーがよくわかっている子も一定数見受けられました。彼らがボールを持つことで周りを落ち着かせたり流れが変わったりするのは見ていてもよくわかりました。
そんな中、ちびっこ日本人の次男がどうなるのか一抹の不安はありましたが、2日目の練習後彼からきたメッセージを見ると早速思いきり友達とふざけまくっているようで安心しました。
少なくとも雰囲気に飲まれてはいない。
そして決勝で戦った南バイエルンの子達ともとても仲良くなったようで、同じポジションの子には大いに影響を受けたようでした。
「あいつは上手い。何が違うんだろう」
そんな言葉が本人の口から出せるようになっただけで既に大きな収穫です。
さらに次のステップへ
3日目は午後からまた試合形式でした。仕事に没頭していて会場に遅れて入ってみると、ピッチではすでに白熱した練習が始まっていました。
次男はいつも通りボランチ、そしてその相方は南バイエルンのボランチ君でした。
どうなるかと見守っていると、相方君の試合運びが上手いのもあって次男は自分のプレーをうまく回せている印象でした。そしてコンビネーションも合っていて、お互いがうまくポジションを入れ替えながらボールをつなげています。
あれ?次男サッカー上手くなってね?
と勘違いしそうになります。
3日目の練習後、選手一人一人に個人面談があり、現状のフィードバックをコーチから共有されたそうです。
次男はその中でベスト10に入っているとまずまずの評価を頂けたとのこと。ちびっこ日本人にしては大した評価です。
ただ、やはりコーチの期待に応えるために張り切ったツケが回って来たのか、膝の痛みは少しづつ悪化しているようで、トレーナーにマッサージをしてもらったり、テーピングをしてもらったりしながらキャンプを過ごしている様子でした。
そして最終日。軽い調整で終わるかと思いきや、朝からガッツリ試合形式です。
この日もリラックスして練習には臨めていたようですが、いざ試合形式が始まると次男のプレーは昨日とは打って変わってシャキッとしません。
ボールを受ける場所が見つからず、無理に受けようとしてロストしてしまう。全体的に足が重そうで、パフォーマンスは上がらないまま無常にも練習は続きます。終わってみれば一時間半みっちりメンバーを入れ替えながら試合形式で練習を終えました。
午後の部は無く、最終日はそれで終了です。
終わりはいつもあっさりしたもので、準備ができた子から三三五々帰っていくのが通常です。次男も不満気な顔でスーツケースを引っ張って出てきました。
曰く、
「最後の練習の後、コーチから呼び止められて一言言われた。今日のパフォーマンスはあまり良くなかった。このようなパフォーマンスでは州代表にはなれないぞ、と。」
帰りの車では終始頭を掻きむしりながら考え込んでいました。
体は疲れ切っていて、膝が痛かったけど、もっとできたはず。何がいけなかった?なぜあんなプレーになった?昨日の試合形式ですごくよくできていたのに何が変わった?今日こんなに激しく練習するとは思っていなかった。ああ〜、失敗した〜。
こんな感じで。
身体的な疲労もあるでしょうが、おそらくは心が緩んでしまっていたのでしょう。昨日で満足してしまったところが、今日の結果に繋がったと思います。
この後すぐに日本へ飛んだので、二週間の休暇に入って体を休めました。日本のチームへの練習参加は日程の都合がつかず今回は無し。
ですが休暇が終わるとまたすぐにチーム練習に合流ですし、州代表候補の練習も再開することでしょう。キャンプで得られた経験はとてつも無く大きなものだと思いますし、また次男のサッカーへの思いが強くなったと感じます。
休暇明けに次回の州代表選抜に招集されるメンバーが発表されます。そこに引っかかれるかどうか、それまでにチームの練習も始まっていますし、キャンプで得た経験をどうチームでのプレーに還元できるか。
次のステップにどう繋げるか。
まだもう少しサッカーの夢を追いかける旅は続けていけそうで、ありがたいことです。
ではまた続きは後ほど…
読んでいただいてありがとうございました。