絵のある本の立役者
昨日、『はらぺこあおむし』の作者エリック・カールが亡くなったとニュースが伝えていた。
『はらぺこあおむし』は、私もお世話になった。
子どもの頃にページをめぐるのが楽しくって、何回もペラペラした記憶がある。今でも雑貨屋さんでこの絵を見かけると、ワクワクが蘇って楽しくなる。
作者のエリック・カールさんのことはまったく知らなかった。訃報で初めて、白髭おじさんの作品だったことを知った。とても優しそうな白髭おじさんだった。
そして、
『はらぺこあおむし』を読んでいたと街頭インタビューで答える人も優しそうな方々だった。
おそらく仕事中の、50代女性は
「『はらぺこあおむし』を社会人になってから、自分のお金で買った。」と思い出を語った。
「仕事で嫌なことがあった時、この絵に救われた」のだそう。
私も社会人になってから絵本の魅力に気がついたので、すごく共感できた。
絵本は子どもを楽しませるだけでなく、大人を救ってくれる本当に素敵な作品なのだ。
そんな奥深くて、魅力の凝縮された絵本。
絵が書かれているから、目線は絵に集中する。
きれい、かわいい、面白い、笑える。
魅力的な絵に引き寄せられて、
絵のある世界を人は楽しむ。
そこに作者はいない。
絵本を読む時、作者が誰だということなど関係ない。(私はそうだ。)
しかし、
作者がいなければ、この世界は成立しない。
そんな当たり前のことを忘れてしまうのが絵本だ。
そんな当たり前のことは忘れてもいいよと言ってくれるのも絵本だと思う。
絵本の作者は影の立役者。
はらぺこあおむしも、だるまさんも、ノンタンも、
日の目を浴びるのはいつもキャラクター。
でも
エリック・カールは、
これまでもこれからも多くの人に喜びや楽しみを与え続けている偉大なる人であったことを
私は決して忘れたくない。