「ん、これなに?」と思わせるタイトルの付け方3つ
前回の投稿で、Web記事のタイトルの重要性を書いたのですが、雑誌でも大切なのです。
雑誌では、編集者がタイトルやサブタイトルを決めることがほとんど。私が駆け出しの編集者だった頃、各記事にタイトルやサブタイトルを付けるのですが、先輩編集者からことごとく赤が入りました。というか、すべて消されて新しいタイトルになって戻ってくることの方が多かったのです。
でも、見てみると、たしかに先輩のタイトルやサブタイトルの方が、目を引くのですよ。「ん、これなに?」と興味をそそられる。
一般的に雑誌はWebと違って、記事もタイトルもサブタイトルも字数制限が厳し口なっています。私が担当していた雑誌は、とくにタイトルの字数制限がかなり厳しく、ほぼ単語で読者の心を鷲掴みするという技が必要でした。
「一体私のタイトルとどこが違うの?」と分析してみると、先輩のタイトルの付け方には、いくつかの特徴がありました。
その1.
写真のインパクトをそのままタイトルに。たとえば、猛々しい男性フラの記事。内容は、とあるフラのクム(先生)のフラ人生とフラ・ハラウ(教室)のことを男性フラを軸に書いたもの。普通なら「男性フラの復興」みたいになりそうなのに、先輩は「フラ」という言葉を使わずに「踊る戦士」としたんです。たしかに記事に添えられた写真はどれも厳しい顔つき、上半身裸、筋肉モリモリの男性のフラダンサーばかり。それは「踊る戦士」そのものでした。
その2.
時には新しい言葉を作ってしまうこともありました。ワイキキの海に突出した防波堤をフォトエッセイ風に書いた記事のタイトルは「海しるべ」。これは、「道しるべ」をもじったものですよね。実際に、この防波堤は、ワイキキのみなもとへ人をいざなう「海しるべ」になっている。
その3.
記事全体の総まとめを「そうくるか!」という一言で。ウクレレ店を営むポルトガル系アメリカ人の経営者が、祖先の故国であるポルトガルでウクレレのルーツを探る旅の記事のタイトルは、ずばり「やっぱり愛」でした。正にマデイラ島の人びとの音楽への愛やハワイの人びとのウクレレへの愛、そしてポルトガルとウクレレの架け橋として愛。たしかに「愛」は、記事内に事象として出てきますが「愛」という言葉は一切使っていません。
この3つの特徴を見つけてから、少しはタイトル付けも楽になりました。とはいうものの、先輩の技には脱帽する限り。いつかは超えたいなぁ。
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