夫と息子と離れ、単身赴任を決めた理由
こんにちは。鎌倉エミリです。
息子が2歳になったその月から、夫と息子と離れ、海外で単身赴任生活を始めました。期間は7ヶ月、場所はウィーン。ママの不在 & パパのワンオペ生活を始め、現在ようやく折り返し地点にいます。
普段、いわゆる激務と呼ばれる仕事を担う夫。朝息子を保育園に送ったあと、出勤。日中職場で仕事をし、夕方一旦仕事を切り上げ、保育園で息子をピックアップ。その後、自宅で息子を見ながら料理をし(前日息子が寝た後に作り置きの料理を作ることも)、夕飯・お風呂・片付け等を済ませた後に寝かしつけ。そして息子が寝た後に在宅で仕事を再開。
私が不在の間、このような生活を送ってくれています。
週2〜3日は、決まったシッターさんにサポートをお願いしています。が、絶賛イヤイヤ期に入った2歳児とのワンオペ生活は、「大変」という言葉ではとても表現しきれないほど大変なもの….。それでも、後ろ髪を引かれすぎてもはや禿げかかっていた私に対し、夫は「ウィーンに行くべきだ」「この仕事をやるべきだ」と言って何度も何度も背中を押してくれました。感謝の言葉は、一生かけても言い切れません。
私のウィーン行きが確定した時、「こんなに小さな子どもを置いて単身赴任だなんて、実はめちゃくちゃドライなの?」なんて、周囲に言われたことも(笑)でも、決してそんなことはなくて。息子に寂しい思いをさせること(もちろん私自身も寂しい!!!)、そして夫にとんでもない負担をかけることを思うと、渡航前は泣かずにいられなかったことが何度もあるし、何度もこの仕事を辞退しようと考えました。
それでも、最終的に家族と離れて仕事をすることを決めたのにはいくつか理由があります。
理由① "Happy Mother, Happy Baby" のモットーに立ち返った
まずは、ママ自身が幸せであること。ママがご機嫌でいること。
これは、現在の単身赴任の時期に限らず、子どもが生まれた時から私が子育てのモットーにしていることです。自分の幼少期を振り返ると、(少なくとも私は)母が幸せそうにしていると自分は安心感を得ていたし、母がご機嫌でいると自分は嬉しい気持ちになっていたし、母が楽しそうにしていると自分も楽しい気持ちになっていました。
私は今の仕事が大好きだし、この仕事をこれからもっともっと頑張りたいと思っています。大変な時もあるけれど、この仕事のこと・今後のキャリアのことを考えると、自分がエネルギッシュになることが自分でもよくわかります。今回のウィーン行きは、自分がもっと楽しい仕事をするため、そして今後もっと面白い仕事をするため、つまり、自分自身が普段ハッピーでご機嫌でいるための大切なチャンス。また、これまで自分が頑張ってきたことが全部繋がるタイミングでもありました。
息子に寂しい思いをさせるけれど、この貴重な機会をバネにこれからも毎日の生活をいきいきと楽しみながら息子に接することができるのならば、息子も幸せを感じてくれるのではないかと思い、今回の決断に至りました。
理由② 大事なことは、大切にされている実感
私と離れて寂しい思いをする息子を想像すると居た堪れなくなり、「息子、大丈夫かな」「ママがいなくなったことで精神的にショックを受けて、成長に支障が出たりしないかな」と、自分の母に相談した時のこと。母は私にこんな答えをくれました。
「大丈夫だよ。大事なことは、大切にされている実感。それは、物理的に離れていて寂しいか寂しくないかとはまた別のこと。」
「あなたは社会貢献の仕事をしているんでしょ?家族一丸となってその勤めを果たしているのだから、あなたの子も既にチームの一員」
この言葉が、なんだがとっても腑に落ちて。「自分の選択を正当化しようとしているだけなんじゃないか」と言われるかもしれないけれど、少なくとも私にとっては、納得する答えの一つでした。
親バカと言われてしまいそうですが、私も夫も息子に対して普段たっぷりと愛情表現をし、息子自身の人格を尊重しながら子育てをしているつもりです。そして何より、その愛情が息子に伝わっている自信があります。また、ありがたいことに、保育園の先生やシッターさん達は、息子に対してたっぷり愛情を注いでくれます(特にシッターさんにを選ぶ際は、息子との相性を見て判断しました)。ママと一緒に居れないことで一定期間寂しい思いをさせてしまったとしても(そこはマジでごめん!)、両親含め周囲から大切にされていること、そしてその事実を息子自身が知ってくれているならば、この選択をよしとしようと私自身が決めたのです。「一時帰国中や本帰国後は、寂しかった時間を忘れさせるくらい息子に対してより愛情を注ぐ!」という誓いと共に。
理由③ 「僕を理由にママは自分がやりたいことを諦めた」と思われたくない
国連でのキャリアをスタートさせて約1年。この仕事はとても不安定かつ競争率も高く、チャンスが巡ってきた時にチャレンジしないと生き残っていくことがとても難しい環境です。採用は不定期だし、自分にマッチするポストでいつ募集がかかるか常にわかりません。チャンスが巡ってくる機会が少ない上に、(1つのポストに対して基本的に世界中から応募があるため)競争率が高くてなかなか採用に至らないことが現実です。
そんな中、自分に巡ってきたウィーンにある本部での仕事。「挑戦してみたい。」「本部で経験を積みたい。」「もっと仕事の幅を広げたい。」そんな強い思いがある中で、育児を理由にこの機会を諦める方が母子ともに良くない結果になるのでは?と感じました。
将来、「子どもがいたから、自分はやりたい仕事ができなかったのだ。」と、自分自身が少しでも思ってしまいそうになるのが純粋にとても嫌でした。それと同時に、「僕を理由にママは自分がやりたいことを諦めた。」と息子に思われる(思わせる)のがとてもとても嫌だったのです。
理由④ 色々な人に愛され、色々な人と関わりを築ける人になってほしい
私が不在の間、基本的には夫が一人で面倒を見るということになっています。しかし、シッターさんの数を増やしたり(単身赴任をする前は1名のシッターさんに定期で保育をお願いしていました)、平日通っている保育園に加えて週末は自治体が運営する託児所に預けたり、祖父母(時には叔父)にも育児を手伝ってもらうなど、育児のプレーヤーが増えました。つまり、息子にとって、私に代わる誰かと過ごす時間が増えたのです。
幼少期、自分の母が専業主婦だったためか、「育児は母親がメインとなってするもの」という感覚を私自身が捨てきれず、自分が育児をしないこと・他の人に育児を任せることに対して負い目を感じた時ありました。しかし、「どういう人間に育ってほしいか?」を改めて考えた時、「色々な人に愛される人」、「どのような環境に置かれても、多様な人と関わりを築ける人」になってほしいというのが母としての私の答えでした。
ママと離れる7ヶ月の間は、母親以外の様々な人と関わりを持ち、色々な人たちから色々なことを教わり、母である私といるだけでは体験できない体験をしながら、成長してほしいと思っています。