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たのしみは、バーボンのグラス片手に Le Swing De Paris

「Le Swing De Paris」は、ジャンゴ・ラインハルトの2枚組CDのタイトル。
CDには「Black Line」のマーク。2005 Manufactured by Promo Sound Ltd.と記されているので、2005年に製作されたCDのようです。
中古CDショップで購入したCDなので、解説書もなく、詳しいことはわかりません。

 ところが、CDに収録されているジャンゴ・ラインハルトの演奏は、とても
ご機嫌です。素晴らしい!!

 ジャンゴ・ラインハルトはベルギー出身のジャズ・ギタリスト。1910年、ロマの旅芸人の両親のもとに生まれたジャンゴ・ラインハルトは、哀調を帯びたロマ音楽を情熱的に、エネルギッシュに演奏。ロマ音楽とスウィング・ジャズを結合させた「ジプシー・スウィング」の創始者として知られています。

 ジャンゴ・ラインハルトと、パリ生まれのバイオリ二スト、ステファン・グラッペリは、1934年、フランス・ホット・クラブ五重奏団を結成。
パリのスタジオで録音された「ファースト・レコーディング盤」(LP)
もお勧めの一枚です。
「Django1934. First Recording of Hot Club of France」 GNP Crescendos
  GNP9031
  A面の1曲目「Dinah」、B面1曲目「Blue Drags」は、是非、聴いていただきたい注目曲です。ジャンゴ・ラインハルトやステファン・グラッペリをはじめ、ミュージシャンたちの若さ弾ける演奏が堪能できます。
 昔は想像もできないことでしたが、最近ではネットで視聴することも可能です。アマゾンで検索すると中古レコードやCDが購入できます。時代は変わりました。

 『知っておきたい「酒」世界史』著者:宮崎正勝 角川文庫 によると、バーボン・ウィスキーの「バーボン」いう名称は、アメリカ独立戦争で、独立を支援したフランスのブルボン王家の名前に由来しているそうです。
 アメリカが独立した後、フランス風の地名や名前を付けることが流行。
バーボン郡の名前も残っています。

 バーボンのオン・ザ・ロックスを飲みながら、ジャンゴ・ラインハルトのギター演奏を聴いているとパリの街角に迷い込んだような気分になります。

 1970年代の初めまで、パリの街頭ではアコーディオンの演奏で踊る「大衆舞踏会」が開かれ、ミュージシャンたちは街角で演奏することができたそうです。

 残念ながら、街のあちらこちらから音楽が聴こえてくる1970年以前のパリに行ったことはありません。
 しかし、パリを愛し、パリの街をくまなく歩いた写真家、ロベール・ドアノーの写真集が、当時のパリの雰囲気を伝えてくれます。
 写真集のタイトルは『ドアノーと音楽、パリ』。監修:アトリエ・ロベール・ドノアー 発行所:小学館 発行日:2021年2月8日(初版第一印刷発行)
 <古き良きパリの情景>
 作品NO.80「フランス・ホット・クラブ五重奏団のパレード」(1945年頃)。当時パリで人気バンドだったジャンゴ・ラインハルトと楽団員たちの街頭パレードの様子が撮影されています。
 作品NO.82「ジャンゴ・ラインハルト、パリ」(1950年)
ジェームズ・スチュアート主演の西部劇映画「折れた矢」の看板の前を歩くジャンゴ・ラインハルトの姿が捉えられています。
 作品NO.31「サン=ジェルマン=デ=プレのジュリエット・グレコ」
(1947年) 愛犬と朝の散歩の様子。愛犬の表情が良いですね。
 作品NO.24「流しのピエレット・ドリオン パリ」(1953年2月)
アコーディンを演奏する流しの女性を捉えた作品。
 作品NO.76「カフェ・ド・フロール、サン=ジェルマン=デ=プレ
(1947年)街角のカフェの雰囲気が伝わってきます。
 作品NO.43「ル・カフェ・キュリューのシャンタル・ゴヤ サン=メリ通り パリ4区」(1965年)
 カフェの様子やフレンドリーな雰囲気が良いですね。シャンタル・ゴヤは
ベトナム出身の歌手・俳優。ゴダールの映画「男性・女性」(1966年)
に出演していました。
 最後のページには、ロベール・ドアノーのセルフ・ポートレイト」(1949年)も掲載されています。カメラはローライフレックス。