全員が全員、意味がある漫画『それでも僕らはヤッてない』
最初にジャケットみたときには、これってエロ漫画かなって思ったんですが、ちょっと違いましたね。
良い意味で人間臭さがたくさん出てきます。
なんとなく登場してきて、邪魔になるような人はいない、全員が全員、意味がある、そんなことを伝えてくれる漫画でした。
タイトルにある「ヤッてない」というのは想像の通り、肉体関係のことなんですが、
『それでも僕らはヤってない』(村山渉/芳文社)1巻より引用
この漫画では、主人公含めた登場人物の恋愛感情が意外なほどに変化します。そのきっかけも方向も、バラバラなんですよね。
『それでも僕らはヤってない』(村山渉/芳文社)1巻より引用
これってなんでなんだろうと考えたときに、1つだけ思い当たることがありました。
端的に”好きだ”と恋愛感情を伝えたとしても、最終的な感情表現の1つとして「肉体関係を結ぶ」という行為があるとしたら、これが「ある種の契約」ではないですが、そういう意味を持つんだろうなと。
それがダメ押しになるから、成立するはずの関係も「成立していない」という状態になったり、右に左に感情が揺れることになるんでしょうね。
そんなことを思いました。
あとは、登場人物それぞれが「どうしたら相手と距離を近づけられるか」みたいなことを模索しているように感じるんですよね。
これって主人公のように、女性経験がないから難しいという話ではなく、抱えているトラウマが関係していたりもするわけです。
『それでも僕らはヤってない』(村山渉/芳文社)1巻より引用
その結果が「それでも僕らはヤってない」というタイトルに帰結するんだろうなと。全11巻の完結している作品ですが、展開のテンポが早いのに、濃厚な読み応えだと思います。
おすすめです。
©︎村山渉/芳文社
それではまた明日!
最後に。
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