人間性だけ見つめた感情のやりとり|漫画『VRおじさんの初恋』
おすすめされたのを忘れていて「あれ、こんな漫画買ってたんだ」と思って読んでみたら、「おれはなんて漫画を買ってたんだ」と。
最初はびっくりしました。笑
note、Twitterをきっかけに連載が始まった作品だったんですね。全1巻なんですが、読み終わってからすぐに、もう1回読みました。
そもそもが、こういったVRの設定を描いた漫画って、そんなにはないと思います。
1話目はVR初心者あるあるから展開されているので、馴染みがなくても入りやすいんじゃないかなと。もともとVRゲームが好きな人にとっては、アバター、ワールドの設計、プレイスタイルあたりに共感ポイントがありそうです。
というわけで、漫画のジャンルとしてはあまり免疫がないまま僕は思わず読み始めましたが、内容はつまるところ、
初恋とはいっても
ーーーーーここからはネタバレを含んだ感想です。
現実世界では中年のおじさん同士の恋。
1回目に読んだときは、世界の終わり(VR上の話)でプロポーズするシーンを「どんな気持ちで見ればいいだろう」と、僕は思っていたわけです。
でもこの終末感はめっちゃ好き。笑
ここに至るまでに、2人はリアルでも対面を果たしていて、孫にまで関係がバレているんですよね。
そもそも、この関係性は近い将来ではよくあることなのか、それとも既に、みたいな話もあるかもしれませんが、このあたりはVRとの距離感で印象が変わってくる気がします。
本作で描かれているVRに対しての感覚は、ホナミの孫にあたる葵の行動が示していると思いました。
2人とは世代が違うのもあってか、第三者とはいっても理解が早いんですよ。
そんな世界観の内容がずっと続くわけですが、1回目はサクッと読みました。
ちょっとここで脱線しますが、僕は最近「あとがき」まで目を通すようになったんです。
きっかけは石田スイさんの『東京喰種』でしたが、どういう気持ちで連載を続けていたのか、そこにある苦しみだったり、終わったあとのなんともいえない寂しさだったりが滲み出ていて、好きです。
個人的には、漫画の最後って本当に名残惜しい。
できることならもう少し続いてほしいと思うことが多いですが、そうはいかないから「あとがき」を読むんです。
ここまで読み終わったあとは、ざる蕎麦を食べたあとの蕎麦湯まで飲んだって気持ちで、満足します。(何このたとえ)
しかし、今回は違いました。
なんて、深い内容なんだと。
はじめは単純に、おじさんたちの初恋がVR上にあり、そこに現実世界でただの生身だったときの感情が入ってきて、最終的にはなんとも言えない気持ちを迎える。
そんな漫画だと思っていましたが、違いました。
ここには「成功もない、成長もない」、VRという世界で「互いの人間性だけ見つめた感情のやりとりだけがある」と書かれています。
この言葉が僕的に印象的すぎて、1冊をわずか15分くらいで読んだ漫画を再度読み直すわけですが、そこには初めて読んだ時とは全く違った、VRの世界観がありました。
ここからはぜひ、あとがきを読んだあとに漫画を買って、みなさんにも読んで頂きたいです!
それではまた明日!
最後に。
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