独特の雰囲気を醸し出す漫画『女の園の星』
和山やまさんの作品、どれも話題になっていますよね?
『カラオケ行こ!』を読んだときにも思いましたが、画のタッチ、ストーリーから独特な雰囲気を醸し出されていると思います。
それをどうしたら伝えられるか。これまでと同じでは、伝えきれない気がしているんですよね。「まず1話を読んでみてほしい」というのが本音です。
1度ツボに入ると、他の作品まで気になってくる作風だと思います。
タイトルにある「女の園」は舞台である女子校、「星」は星先生のことを意味していると思いますが、内容としては、学校の勉強、部活、行事からは、少し外れたところにある日常が描かれています。
そんなゆるく流れる時間を読んでいるうちに、意外とみんなの中心にいるのは星先生なんじゃないかなと僕には思えてきましたが、[1時間目]に初めて登場した様子からは、想像がつかないかもしれません。
この顔にかかる影から、内向的な様子が伝わってきますよね。
星先生らしさを巧みに描かれているコマだと思うんですが、特に目の表現がすごいなと。
黒目に光は入っていますが、涙袋に特徴的な描き込みがされているので、どこか影を感じさせるというか、特有の雰囲気を醸し出している気がします。
同僚の小林先生の場合は体育会系な印象もありますが、やっぱり目元はいい感じにくたびれている気がするんですよね。ここが、作品全体に流れる空気と通じているんじゃないかなと。
そんな職員室と、教室では、また別世界なんですよね。
2年4組には女子高生の無敵感、エネルギーが溢れています。
その方向性もいろいろで漫画を描いている生徒がいたり、なかなか個性の強いクラスだと思うんですが、みんなそれが当たり前のように過ごしているところが、またいいなと。
そんな先生たちと生徒たちが交差すると、シュールなことになってしまうんですが、じわじわとツボを刺激してくるタイプの作品だと思いました。
これまでに発表されている単行本だと、『夢中さ、君に。』は高校を舞台に、1話ごとに登場する2人の世界を描いたオムニバス形式、『カラオケ行こ!』ではヤクザと高校生の交流を描かれていましたが、
どちらも2人の話を扱う1巻完結の漫画だったと思います。
それに対して本作は、話が進むごとに関係性の輪が広がっていく、群像劇のような印象がありました。
1話のなかで「あのエピソードがこうなるんだ」と思うこともあれば、読み進めていくうちに「ここが仲良かったのは意外だな」と話の繋がりをみつけることもあり、これまでとは違う読み方をしているなと。
月刊誌で連載中ということで、連載を追っている読者からは「最近の星先生たちはどうしてたかな」みたいな感覚で、楽しみながら読まれているんだろうなと思ったりしましたね。
おすすめです。
『女の園の星』©︎和山やま/祥伝社フィールコミックス
それではまた明日!
最後に。
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