見出し画像

【本を書きました!】名前のない仕事をしてますか?

いきなりですが、本を書きました!
来週に発売になります。

タイトルは、『名前のない仕事』です。

どんな本なのかは、後半に書きます。

先に、なぜ本を書くことになったのか、その経緯について簡単に触れておこうと思います。

なぜ本を書いたのか?

去年、UUUMの株をTOBで売却し、卒業してからそろそろ1年が経ちます。


このTOBのとき、ぼくはnoteを書いていませんでした。

それは、上記のXに投稿した以上の文章や表現が、当時のぼくにはなかったからです。

なぜ、言葉にできなかったのか?
当時は、自分でも感情の整理が追いつかずに、年末までを過ごしました。
会社を創業して10年分の想いを消化して、整理して、次に向かう……。
そのための時間がぼくには必要でした

そんなとき、一人の編集者さんから連絡をいただきました。

実は、ぼくがまだUUUMの社長時代にも本を出版しようという話がありました。ぼくのnoteにも書いている光通信の時の話や、UUUMの創業期をまとめる方向で話は進んでいて、ある程度の形になっていました。
しかし、その話は一度、ストップしました

ぼくはクリエイターではないので、目立ちたい気持ちはありません。必要がなければ、表に出ることもしません。

当時、noteをたくさん書いていた理由は、毎日動画を投稿し続けているクリエイターの気持ちを知りたいと思ったからです。
(やってみると、本当に大変でした……)

そして、当時の出版に対するメリット・デメリットを考えて、「今は、やめておこう」ということになっていました。

それから約3年が経ち、昨年のTOBでほぼ「抜け殻」状態のぼくに、また当時の編集者さんが連絡をくれました。
たしかに、これ以上ないほどのタイミングでしたが、それでもまだ、ぼくは出版に対して躊躇していました。

自分が本を出すことへのモチベーションが見いだせなかったからです。

ただし、TOBをおこなってから今日に至るまで、ただニートみたいな生活をしてるわけではなくて、2025年に向けて「仕込み」をしていたり、新たに麻布台ヒルズにオフィスを構えたりして、準備をし続けていました。

少しずつ、前へと歩み始めている中で、あっという間に休憩期間は終わり、また「仕事をしたい」という感情が徐々に出てきたのです。

そして、同時に思ったんです。
「一度、自分の過去を言葉にしてまとめてみたいなぁ」と。

そもそもぼくは、過去の話をすることが好きではありません。昔話をすることは、成長や進化ではなく、「停滞」や「退化」を意味すると思っています。それは、今までもこれからも変わらないでしょう。

ただ、今のぼくは、一度これまでの人生を振り返る必要がある。それをしてこそ、また新たに未来に向かって歩いていける。そう思ったんですよね。

そうすると、次はこんなことを考えました。

過去をまとめるなら、
編集者の方の意見をしっかりと聞いてちゃんとした読み物としてまとめたい。そうしたものを過去一緒に苦労をともにしたクリエイター・社員・取引先の方々に読んでもらいたい

そして、約1年をかけて、1冊の本ができました。

過去に書いていた文章がありましたが、それをただまとめるのではなく、今のぼくの視点によって、再解釈したり、大幅に修正を加えたりして、イチから作り上げました。
(出版社の編集者さん=種岡さん、本当にお付き合いいただきありがとうございます)


そんな本が、来週、発売されます。


先ほどは、「過去に一緒に苦労を共にした方々に読んでもらいたい」と書きましたが、本が出来上がった今となっては、もっと幅広い方々に読んでほしい内容になったと思います。

これから就職する学生。
自分の手で起業しようとする方。
すでに自分のビジネスをされている方。
現場を離れたり、引退をされて、後進を育てられている方。

そして、ビジネスには関係がなくても、ぼくや、このnote、またはUUUMなど、さまざまな接点によって知ってくださった、すべての方へ。

ぜひ、読んでもらえると嬉しいです。

そして、何かを感じ取ってもらい、鎌田和樹という一人の人間がいて、また新たなチャレンジをすることを知ってもらえたら嬉しいです。

さて、前置きが長くなりましたが、ぼくが本を書いた理由は以上です。

ここからは、本の冒頭の「はじめに」と、各章にどんなことを書いているのかをご紹介します。

・「名前のない仕事」とは、一体どんなものなのか?
・「UUUMで得た全知見」とは、どんなことなのか?

僕が約20年向き合ってきた、「名前のない仕事」について、エピソードと共に振り返っています。
仕事との向き合い方や、物事に対しての考え方、仕事の進め方など、働く上で必要なことを言語化しました。
一方で、そのときの感情についても、赤裸々に書いています。
僕自身、完璧な人間ではありません。
100%すべて理解されるとは到底思っていません。
しかし、すべての働く人へ向けて、ぼくの体験や考えが、少しでも何かのヒントになるのではないか。そう思っています。

少しでも興味を持ってもらえたなら、ぜひ書店で実際に手に取ってもらえるとありがたいです。

それでは、書籍の一部をどうぞ!
__________________

名前のない仕事〜UUUMで得た全知見〜

目次

0章:総務の鬼となる ―― 光通信時代
1章:クリエイティブなんで最後に考えること ―― オンセール時代
2章:隣にいる人に何をしてあげられるだろう ―― UUUM・原宿時代
3章:名前のある仕事、それは「経営者」 ―― UUUM・六本木時代
4章:人が集まり、そして、人が去っていったこと ―― UUUM・上場後
5章:作った会社を手放す瞬間 ―― UUUM・10周年と卒業
終章:そして個人の名前だけが残った ―― 鎌田和樹の話

はじめに

〝名前のない仕事〞という本書のタイトルは、「働くこと」のあらゆる意味を含んでいます。
もちろん、ほんの十数年前にはなかった、インフルエンサーやユーチューバーは、そもそも〝名前のない仕事〞でした。
UUUMという会社を創業して、「クリエイターたちを支えてきた仕事」も、元は〝名前のない仕事〞です。
僕自身、最初の会社で鍛えた総務という仕事も、社内で何でも屋のような存在で、前例のない〝名前のない仕事〞ばかりをこなしてきました。
僕はずっと〝名前のない仕事〞に向き合ってきた。
でも、あなたの仕事もじつは同じではないでしょうか?
「職業」や「職種」では簡単に一括りにできない部分、
つまり、〝名前のない仕事〞によって構成されているはずです。

・マニュアルや業務内容には書いてないけど、誰かがやらないといけない仕事
・上司やクライアントから言われてないけど、プラスアルファの工夫ができそうな仕事
・まわりからは「何をやっているかわからない」と言われるけど、これからくる可能性のある新しい仕事 ……

そういえば、今は「つまらない」と思っている日々のルーティンも、最初は誰かがはじめた〝名前のない仕事〞だったでしょう。
本書では、そんな〝名前のない仕事〞を通して、働くことの意味をあなたに問いかけます。
僕がUUUM創業を通して見てきた、「仕事ができる人の本質」を学べるかもしれません。ぜひそれを「追体験」してください。
そして、新たな〝名前のない仕事〞に果敢に取り組んでいく人が1人でも多く誕生するなら、こんなに嬉しいことはありません。

さて、最初に質問があります。

あなたは、
「スペシャリスト(専門家)」と「ゼネラリスト(何でも屋)」、
どちらになりたいでしょうか?

これは、僕が19歳のときに、面接で聞かれた質問です。
「スペシャリスト」というのは、専門性を極める人。
「ゼネラリスト」は、総合的になんでもできることを目指す人です。
そのときの僕は、単純にできることがたくさんあったほうがいいなと思って、「ゼネラリストです」と答えました。
19歳のときの判断が正しかったのかどうか。本当のところわかりません。
ただ、何者でもない僕がその後、クリエイターという「スペシャリスト」たちと歩んできた道のりは、「ゼネラリスト」という選択をしたから成し得たものでした。
あのとき、「スペシャリスト」と答えていたら、どんな今だったのだろう……。
そして、同じように、「ゼネラリスト」としての道を歩む、多くのビジネスパーソンに、この本を送ります。
世の中には、見るからに才能に溢れた人がいます。
「あんな人みたいには、なれないな……」
と、諦めた瞬間に、あなた自身の本当の人生が始まるのかもしれません。

ためしに、あなたの周囲を見渡してみてください。

・自分が天才であることを諦めて、誰かのサポートに徹している人
・プレーヤー時代を経て、マネジャーとして育てる側になった人
・子どもの可能性を信じて教育に力を入れる人
・社内であまり評価されにくい部署に所属している人
・「この作業がいつ報われるのか」と思いながら与えられた仕事をこなす人 ……
こういった仕事には、「ゼネラリスト」としての能力が求められます。

ちなみに僕が20代のとき、会社員として極めたのは、「総務」でした。
「企画」や「開発」のようなクリエイティブ職ではありません。
「営業」のようにバリバリ売上を立ててくる職でもない。
「総務」というバックオフィスで、会社の縁の下の力持ち。
それでも、そこで培ったスキルで、2010年代の時代を象徴するような企業をつくることができたと思っています。
それが、「UUUM」です。

世の中、専門家が評価されやすい傾向があり、何でも屋は軽くみられがちです。
「地味な仕事をしている」と思っている人の中には、成長の実感が湧かないことで悩んでいる人も多いでしょう。
しかし、それでも1日1日を特別に生きることはできます。

たとえば、寝る前に次の日のスケジュールを確認してみてください。
「うわぁ……」と、不安が襲ってくるような予定があるでしょうか。
そう思えるときは、「成長しているとき」です。
それは、経営者になってからも、会社員のときでも、変わりません。
逆に、スケジュールを見て「なんだ楽勝じゃん」と思う日は、もうその日はなくてもいいくらいの感覚です。

もちろん会議や打ち合わせは重要です。世の中には、儀式のようにこなさないといけない時間もあります。それが「社長業」というやつですし、「ルーティンワーク」もそうでしょう。
でも、「楽勝だ」と思うことが続くと、それを疑問に感じてほしいんです。
それはやることの決まった「名前のある仕事」だからです。

昔、僕の尊敬する経営者が、「2択の道があったら、常にイバラの道を選ぶ」と言っていました。言うのは簡単ですが、いざ実行しようとするとなかなか難しいことです。
日々のスケジュールは、自分が意思決定したものの集合体です。
その1日が、ちゃんと「イバラの道」になっているか。
先ほどの「うわぁ……」と頭を抱えた朝は、同時に、
「よくこの予定を選んだ! えらい!」
と褒めてあげてもほしいのです。
みなさんも常に「イバラの道」を選ぶ。
「名前のない仕事」をする。
そういう仲間を、本書によって増やしたいなと思っています。

僕は2003年に会社員になった。
2013年には「UUUM」の前身となる会社を立ち上げました。
僕が代表をしていた2017年ごろ、若手社員に、
「UUUMってどんなイメージ?」と聞いたことがあります。
すると、「イケてる会社!」「六本木にある上場企業で順風満帆!」
という答えが返ってきたことがあります。
すっかり、「地味な仕事」の存在が消えてしまったような感覚に陥りました。
僕が創業から見てきた「泥臭い現場のこと」は伝え残しておかないといけない。
そんな思いから、この本を書きはじめました。

もちろん、ユーチューブというものが流行り、
「時代の風が吹いていた」というのは間違いありません。
そこにうまく乗ったことは正しい。
100%の実力によってうまくいったわけではありません。
そこは正直に、明確に書き分けるつもりです。

ただ、UUUMも、つい10年前までは原宿の家賃15万円のワンルームで、
「やる気はあるけど、金も、仕事もない」という日々だったのです。

そもそも僕は、経営者になろうという考えがまったくありませんでした。
冒頭で述べたように、20代は「総務」をメインに会社員生活をして、会社を辞める日が来るなんて考えもしていなかったのです。
そんな僕だから言えることは、UUUMの商品は「人」だということ。
ITっぽいけど、決してIT企業ではない。
僕が一貫して突き詰めたスキルは、ITではなく、
「極めて人間的で、とことんアナログなこと」でした。
クリエイティブが求められるのは、最後の数%のみ。
クリエイティブ以前の「基本的なこと」こそが、仕事では大事なのです。
そんなこともお伝えできればと思います。
本書は、僕の半生を読者の方に追体験していただきながら、「ゼネラリスト(何でも屋)」や「名前のない仕事」という言葉からヒントを得てほしいと思い書きました。

UUUMでは、多少は、
「個人がメディアになった」
と言える時代に貢献できたかと自負しています。
そこからの「個人経済圏」の可能性も感じられました。
そういったアイデアに興味を持っている読者の方も、本書を楽しめるかもしれません。

また、耳が痛いかもしれないけど、若い読者のためになる話を赤裸々に語ってもいます。
バランスをとることが求められる時代です。
言っちゃいけないことが増えています。
でも、キレイゴトだけでは仕事は動いていかない。
特に、一代で会社を立ち上げるためには、厳しいことを言うことは絶対に必要だった。
結果、敵は増えたかもしれないけど、仲間だって、たくさん増えた。
仕事のために、嫌なことを言わないといけないとき、本当に心が苦しくなるんです。
でも、言う。
誰からも全員から好かれてトップになる人。
そんな人、いません。
たとえ、嫌われても、言わなきゃいけないことがある。
これからどんどん叱られていくことは減っていくでしょう。
だから、もう誰からも叱られなくなった人にも届きますように。
ぜひ、最後までお読みいただけるとありがたいです。

__________________

ここまでが「はじめに」です。
ここから先の内容についても、簡単に触れておきます。

0章の「総務の鬼となる」では、
僕の社会人としての基盤となった光通信時代をメインに、
理不尽な出来事や、人生で初めての挫折、そこから当時の最年少執行役員までの道のりを書いています。

1章の「クリエイティブなんで最後に考えること」では、
光通信を辞め、UUUMの前身であるON SALEの立ち上げと失敗の話し、
そこからUUUMの根源となるマネジメント事業へピボットした話しを書いています。

2章の「隣にいる人に何をしてあげられるだろう」では、
マネジメント業務をゼロから作り、バディという職業誕生の話しや、
僕がマネージャーから離れるためにどのように仕組み化をしていったのかなどの話しを書いています。

3章の「名前のある仕事、それは『経営者』」では
UUUMが原宿の15坪から六本木ヒルズへ移転し、上場をするまで、
そして「経営者」という、名前のある仕事を目指していった話を書いています。
その中で仕事そのものや自分との感情にどう向き合ってきたかも書かせてもらいました。

4章の「人が集まり、そして、人が去っていったこと」では、
上場後の事業について、そしてコロナ禍で続々と芸能人がYouTubeへ参入、
そんな中でクリエイターが離れていった状況下での成功と失敗について書かせてもらいました。

5章の「作った会社を手放す瞬間」では、
個人がメディアになると言い続け、それが現実になり個人経済圏の形成し、さらに広げていく中で社長を退き会長へ就任、そして自分で創業した会社を手放す瞬間の話です。
その瞬間まで会社で何が起きていたのか、僕自身がどう思っていたのかなど感情も含めこの章はより赤裸々に書かせてもらいました。

終章の「そして個人の名前だけが残った」では、
20年間を通して、また原点戻り何を考えたか?
会社ではなく個人の鎌田和樹になったときにどんな気付きがあったか、
そして今後どうしたいのかなど思っていることをそのまま書かせてもらいました。

あらためて、自分でも読み返してみて、「詰め込みすぎたかもしれない(笑)」と思えるくらい濃い内容になっています。
もちろん、ぼくのことを知らない人にとっても、役に立つ内容になっていると思います。
続きはぜひ、本書を手に取っていただけたらとても嬉しいです。

そして、あらためてこの場で、クリエイターたち、社員たち、クライアント様、これまで一緒に関わった方々へ感謝するとともに、
またどこかでご一緒できることを楽しみしています。

それでは。


いいなと思ったら応援しよう!

鎌田和樹
良いと思ったらサポートお願いします。嬉しいので。 もちろんちゃんと返信させて頂きます。