100日哲学チャレンジ☆23日目
「クリエイター・チャンネル」とナッジ
大曽根商店街(オゾンアベニュー)は、賑わいを取り戻すために、なかなか苦労しているようだった。
「商店街の歴史」のところに、こう書いてあった。
”他地区で仮に営業していた店舗の中で、何とか戻って来た店もありますが、閉店したり他地区へ移ったままの店もあります。
また、空地にしたままの土地所有者も多く今現在にいたっています。”
現在に繋がる歴史が、こうつづられているのも寂しいなと思った。
しかし。僕らとしては。「商店街の賑わいを取り戻す」というような目的を持って、よそ者が行動したところで、ビジネスを生み出す力がある訳でもない。行政の人間でも、土地を所有している人間でもないから、空き店舗に新規テナントを誘致したりするようなこともできない。では、イベント企画を中心になってやったり、まちづくり協議会に参加するというのも、自分は普段働いている立場であるから、難しい。そこで、注目したのが、「ナッジ」だ。ナッジの特徴について、セイラ―は次のように説明している(参考文献は、22日目と同じだぞ!)。
〇介入を低コストで容易にさけなければならない。
〇ナッジは命令ではない。
〇(ビュッフェスタイルの学生食堂で、健康増進の為に)果物を目の高さに 置くことはナッジである。
〇(健康増進の為に)ジャンクフードを禁止するのは、ナッジではない。
僕の理解では、「ナッジ」とは「肘で小突く」を意味する語で、例えば環境設計や、システム、企画等の中で、ちょっとだけ(自然と)人々をよりよい方向・選択に導いてしまう”知恵”だと思っている。そして僕は、「クリエイター・チャンネル」の制作過程には、ナッジの考え方を適用したと思っている。関係する組織や関係者について、図にまとめてみた(作るのに一時間かかったので、褒めて下さい!)。
この企画における「ナッジ」要素は、
①動画制作への参加ハードルをとにかく下げたこと
⇒商店街の方々には、主に取材場所を依頼したのみ。「何やってるんだろう~」となんとなく見るギャラリー型で周辺の方々は自然と参加。
⇒「ひどこ」住民にもカメラを持ってもらい、みんなで撮影する。
②関係したすべての人にとって、(心理的・経済的な)利益が生まれるようにすること
⇒YouTubeや、クリエイターさん同士による宣伝効果等により、商店街への間接的な経済効果は期待される。
③現金による関係性をできる限り小さくしたこと
⇒クリエイターさんに味わってほしいのは、「今日の主役」的な満足感。
「わたしの話を、みんなが聞いてくれる!」「みんながわたしを見てくれる!」という非日常を、取材という形で演出。
⇒「楽しい」「こんなことやってみたい」といったその場その場のつぶやきやアイデアを大切にしながら撮影。その為には、できる限り「仕事」感を想起させる現金のやり取りを取り除く。勿論、お店の利用時にはカマ兄がポケットマネー発動。
ということで、一言で言えば「面白い!」「楽しい!」を全ての原動力に活動し、それが商店街の広報やイベント開催等、地域貢献・社会貢献につながっている、というところが、僕的な「ナッジ」だと思っています。
「商店街をなんとかしなきゃ。」という視点から活動することも大切だとは思いますが、それは社会福祉系の団体さんや市、区が既にやられていることと思いますので。
そしてもう一つ。クリエイターさんへの取材を通して、現代における「クリエイターとしての生き方」のエスノグラフィーをとりたい!という依頼が最近ありました。カマイタチ兄弟の活動は、学術的な研究にもつながっていきそうです。
それでは今日はこの辺で。また次回♪