同化するペットボトル
日常的に、作業時は机にコップを置いて、足元に2Lのペットボトルを置いている。
コップのお茶がなくなったら足元のペットボトルから注げるため、毎回冷蔵庫に取りに行く手間が省けるし、オンライン会議中でもすぐに補充して飲めるから。
だいたい1日1本、飲み終わる。
それゆえ足元には、若干飲み残しがあるペットボトルの残骸たちがどんどんたまっていく。
今日も同じように、机にコップ、足元にペットボトルを置いて作業をはじめる。
ペットボトルのお茶の量は、時間が経つにつれてどんどん減っていく。
日も暮れる頃、長丁場の会議中に喉が乾いてコップのお茶を補充しようと足元に目をやると、どれも同じような残量のペットボトルたち。
一瞬で同化した。
ついさっきまで一瞬たりとも迷うことなく手に取っていたもモノが、突然気配を消して周囲のモノと同化し見分けがつかなくなってしまった。
席は立てない、喉は乾いた。
どれが新鮮なお茶か、かすかな視覚的記憶を頼りに選び、飲む。
ものによっては1週間前のものもある。
命懸けの選択。
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