印象に残ったマンガをざっくり振り返る(2023年 上半期)
2023年上半期(1月~6月)に読んだマンガについて、特に印象に残ったものをざっくり振り返って書き残しておきます。
■チェンソーマン(著:藤本タツキ)
1巻から読み始め、最新14巻まで読了。
映画的な台詞回しや場面展開、倫理がぶっ飛んでいるイカれた登場人物達とそれゆえに落としどころが読めない展開、明らかに少年マンガでやって良い枠を逸脱した衝撃の第1部ラスボスとの決着方法・・・
文句なしに面白い!
■ヴォイニッチホテル(著:道満晴明)
道満晴明先生による、とある南の島のホテルを舞台にした群像劇。
登場人物それぞれの物語と島で発生したとある事件が絡み合い、それらが破天荒な展開と尖ったギャグと下ネタでごちゃ混ぜになりつつも、最終的にすべての点が繋がって、良い感じにグランドフィナーレに収束していく名作です。
■ニッケルオデオン(著:道満晴明)
こちらも道満晴明先生の作品。
SFから幻想怪奇に不条理と、多彩なジャンルからなる全3巻の短編集。
1つ1つが短いページ数の1話完結作品にも関わらず、きっちり物語として完成されているのは、もはや名人芸の域です。
今後、定期的に読み返したくなるであろう一冊。
■ぱらのま(著:kashmir)
独自にゆるゆると描かれる鉄道旅行マンガである本作も、6巻に到達。
今回も、とにかく主人公のお姉さん(いまだに本名不明)が良い!
鉄道や旅行に対する価値観や言動にいちいち共感できるし、旅に新しい視点をもたらしてくれる。
そして、いろいろな意味で良い性格しとる・・・
読むと旅に出たくなる良き一冊です。
■望郷太郎(著:山田芳裕)
『へうげもの』の山田芳裕先生が描く、文明崩壊後の世界で故郷・日本を目指して旅する男のマンガ。
最新9巻を読了したものの、まだまだ物語全体の落としどころが掴めない、先が読めない面白さに満ちています。
『へうげもの』とは違いシリアスな物語で、宗教・政治・経済等がテーマとなる難解で地味寄りの重い話ではありますが、自分はかなり好きです!
■亜人ちゃんは語りたい(著:ペトス)
その名の通り、”普通とはちょっと違う”亜人達が語り合うことで成長していく様を描いた本作も、大団円の最終巻。
お気に入り作品のグランドフィナーレを味わえて、たいへん幸福です。
多様性について喧々諤々が続く今こそ、読む価値のある名作ではないかと。
学校で推薦図書的なやつに指定しても良いのでは、ぐらいに思ってます。
■衒学始終相談(著:三島芳治)
とある大学を舞台に、謎の研究を進める怪しい先生と、彼女の下で助手的な立場になる女子生徒、2人の会話劇で描かれる何とも不思議な物語。
同作者の『児玉まりあ文学集成』と同様、なんとも説明が難しい作品なのですが、私の中で「何だか分からないが、とにかく好き!」という棚に収まっている作品です。
うまく言語化できませんが、何だかとにかく良いんだ・・・
■レストー夫人(著:三島芳治)
『レストー夫人』という演劇を、それぞれのクラスで違う台本で上演するという風習のある学校。その演劇と1人の少女を通して、劇に関わる生徒達の様々な物語を描く群像劇です。
これも上記の同作者による『衒学始終相談』と同様、「何だか分からないが、とにかく好き!」になった一冊。
三島芳治先生の物語は、私の胸に刺さるものがあるようで。
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