ハムの用法
ヒンディー語の一人称単数の代名詞は मैं(main、私)、一人称複数は हम(hum 、私達)。しかしながら、自分一人のことを指し示すのに、हम(hum)が使われることは非常に多い。「私ども」「うちら」みたいなことだろうか。そう言えば、英語でも「I aren't 」と言う人もいるね。
地域的にその傾向があって、UP 州の東部で顕著らしい。「ラクノウの人はハムを使うんだよね~。なんかカッコいいよね~」とアッサム出身者が言っていた。また、日本人がラクノウあたりを旅行中にヒンディー語でしゃべっていたところ、「あらいやだ मैं (main)ですって」とプークスされたという話を聞いたこともある。
さて、KHSでは「現代標準ヒンディー語」を教えることになっているので、一人称単数の代名詞は मैं (main)で教えられるけれども、 あまりに हम(hum)勢力が強いせいか、文法テキストにも、「近年では一人称単数の代名詞として हम(hum)が使用されることも増えてきている」という記述がある。が、ナーグプル出身の講師から、「最近増えてるとかそういうことじゃなくて、もともとUP の東部はそう」と補足が入った。デリー中央の人からすると「最近の若者は」構文になってしまうのだろうか。
ネット上で検索してみると、インド人同士でも、「『ハム』が作業しますんで」と言うから複数人来るのかと思ったら一人だけだった、というエピソードなども見受けられてなかなか興味深い。